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ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」

2025-02-17 21:10:23 | 
ピエール・ルメートル「傷だらけのカミーユ」(文春文庫)2016年

 身長145cm、パリ警視庁・カミーユ・ヴェルーヴェン刑事3部作の3作目。1作目で精神的にズタズタになってしまったカミーユ。2作目で無理やり捜査に引っ張り出されて気を取り直したカミーユ。3作目でタイトルからして傷だらけのローラ、じゃなくてカミーユって何じゃそりゃ。またしてもダメな邦題だねぇ。

 今回はいきなり強盗事件発生、通りすがりの女性が哀れにもその場を通りかかったばかりに、邪魔するなと死ぬ寸前まで痛めつけられるという暴力描写、たまたまその女性を知っていたカミーユはすぐさま捜査に向かう。初っ端からすごいスピード感をもって物語が走り出す。

 この小説は3章に分かれていて、一日目、二日目、三日目となっている。つまり事件が起きて3日間の出来事が380ページくらいに詰まっている。それだからスピーディな雰囲気なのかな。

 ぜひとも1作目「悲しみのイレーヌ」→2作目「その女アレックス」の順に読むことをお勧めする。関連した事柄もいろいろ出てくるので最悪「その女アレックス」を飛ばしても「悲しみのイレーヌ」は先に読んだ方がいい。「その女アレックス」がつまらないわけではなく、それには独立した凄さがある。だから「その女アレックス」を最初に読んでしまった私が1作目と3作目も読んでみようと思ったわけで。

 1作目にも2作目にも驚くような仕掛けが隠されていたが、もちろん3作目のこれにも、とっておきの仕掛けが待っている。その仕掛けをより楽しむためにも1作目を先に読んでほしい。



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