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ピエール・ルメートル「悲しみのイレーヌ」

2025-02-06 18:30:03 | 
ピエール・ルメートル「悲しみのイレーヌ」(文春文庫)2015年

 パリ警視庁、身長145cmのカミーユ・ヴェルーヴェン警部、3部作の第1作。でも日本では第2作「その女アレックス」が先に出版されてたようで、私はそんな事情を知らなかったにもかかわらず、多くの読者と同じく第2作を先に読んでしまった。古書店に第2作だけ置いてあったからである。まぬけである。

 そのせいで、イレーヌに何が起こるのかを知っていたので、それがいつ来るかいつ来るかと思いながら読むことになる。それはそれで読むのがつらい。そうでなくても「悲しみのイレーヌ」という邦題はダメだ。イレーヌという人が悲しむ物語だと想像できてしまうから。それに比べれば「その女アレックス」という邦題は問題ない。その女の名前がアレックスというらしいことしかわからないのだから。その女の名前がアレックスだと書いてあるのに実はアシックスだったなんてことではないのだから。

 第2作もそうだったが、残酷で猟奇的な殺人事件の物語なので、読まない方が身のためだ。この本は第一部が400ページ進んで残り50ページほどになって第二部が始まる。なんてバランスの悪い小説だと思いながら読み進むと、あれ? え? なんで? だってそれさっき読んだよねぇ、あれ? どーゆーこっちゃ? おりょりょ・・・という小説である。どうやら2006年に発表されたピエール・ルメートルのデビュー作らしいのだが、ピエール・ルメートル、とんでもないフランス人だ。ア・ザヴジュヴァン!


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