『ドライブ・イン・マンハッタン』

『ドライブ・イン・マンハッタン』
監督：クリスティ・ホール
出演：ダコタ・ジョンソン／ショーン・ペン

　空港から乗ったタクシーの中での会話がすべて、と言う感じの、面白いのかどうなのかちょっと不安になりそうな舞台設定。だから銃撃戦もカーチェイスもUFOも登場しない。ドライバー(ショーン・ペン)と乗客(ダコタ・ジョンソン)しか出てこないと言っても過言ではない。あとは交通整理の警官などのチョイ役が少し出てくるだけ。ギャラコストパフォーマンス高そう。

　大阪のおばちゃんじゃないから、タクシーに乗った途端にしゃべり出したりしないので、話し出すまでの静寂もまた、「あぁ気まずいな」とか観客が勝手に緊張するシーンだったりして。今時の人たちは下向いてスマホ見たまま目的地まで無言で行けちゃうから、ドライバーとの会話なんてする気もないのだろうけど。私もあんまり饒舌な運転手は苦手なほうだ。でもなんかしゃべった方がいいのかなぁとか気にしてしまいがち。そんな心配は運転手に任せればいいのに。

　深夜の道路を走るタクシー、静寂の中で人生について語るふたり。時に面白く、時に悲しく、なのに下ネタ満載、延々と続く会話にも飽きることなく付き合える。年齢の話をしている中で「私が太陽を何回まわったかなんてそんなに重要？」とかなんとかいうセリフがあって、ひゃあ、かっちょええ！って思った。ダコタ・ジョンソンが美人なので、ずーっと映っていても問題ない。ずーっと映り過ぎてて、なんとなくダコタ・ジョンソンのプロモーションビデオかと思ってしまう、そんな映画だ。