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ポーラ美術館コレクション展

2010-07-13 10:10:24 | 美術[は]
「ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ」@横浜美術館
 
 箱根仙石原にあるポーラ美術館のコレクションで印象派からエコール・ド・パリの作家25人、74点を展示する。ポーラ美術館は昨年の元旦、フォーヴィスム展に行ったが、森林に埋もれるようにひっそりと佇む、隠れ家みたいな美術館である。

 佐伯祐三やヴラマンクは今回は出てこないが、セザンヌやユトリロは出ている。フジタ、ピカソ、シャガールなども5点くらいずつ展示されている。

 セザンヌ 《ラム酒の花瓶のある静物》は、ビンの口が塗り残してあるように見える。何かの急用でうっかりビンの口を塗り忘れたまま、うっかり筆をおいてしまい、うっかり誰にも指摘されずに、うっかり生涯を閉じちゃったとしか思えないのだが。

 ヴァン・ドンゲン 《乗馬(アカシアの道)》は、馬や馬車が陽気に駆ける絵だが、馬がやたら乙女チックで華奢で頼りなさげでちょっと笑う。

 モディリアニ 《ルネ》は、画家キスリングの妻を描いたというが若き日のリンゴ・スターに見えちゃうから困る。

 キスリング 《風景、パリ - ニース間の汽車》は、やたら派手だけど鉄オタ萌えしそうなかっこいい構図とスピード感があって面白い。

 ユトリロ 《ラ・ベル・ガブリエル》は、壁に落書きするユトリロ自身が登場したり、ハートに矢が刺さった落書きのあるお茶目な絵。右の緑色の扉は、ユトリロが通ったお気に入りの飲み屋。ここでユトリロは「あるいは酒でいっぱいの海」におぼれていたのだろう。アル中街道まっしぐら。


 ユトリロ 《シャップ通り》そして、ユトリロ的階段に至る日当たりの悪そうなビルの谷間と、白くそびえ立つサクレクール、錆びたような黄色い壁面のビルが印象的な これがいちばん好きかも。


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