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自民党総裁選への立候補している高市早苗前総務相はまだ総裁選が公示もされていない2021年9月3日夜、BSフジの番組に出演し、自身が終戦の日などに行ってきた東京・九段北の靖国神社への参拝について
「一人の日本人として、役職に関わらず、続けて参った」
「一人の日本人として、信教の自由のもとに、役職に関わらず、これまで続けて参った。決して外交問題ではない」
と語っていました。
高市氏は9月12日のフジテレビ番組でも、首相に就任した場合も靖国神社参拝を続ける考えを重ねて強調し、中国の反発や米国の懸念が想定されることに関して
「国のために命を落とした方に敬意を表し合おうと一生懸命働き掛ける」
「同盟国の米国が(参拝に)反対するのは理解できない。外交問題でなくす活動を続けたい」
と語っています。
総裁選立候補者の中で、首相としての靖国公式参拝を公言しているのは高市氏だけです。
これに対して、元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏が9月26日放送のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、さらに高市氏に質問しました。
前から何度も書いているように、橋下氏は強いものには絶対服従の人なので、全方位に文句を言っているように見えてアメリカと中国に文句を言ったことはありません。
今回の質問もその観点からの質問でした。
「しつこいですけど、靖国問題ですが、政治信条と国民の現実的利益で。総理が靖国参拝するとなると、中国が貿易や商取引に対して、まあ、ああでもない、こうでもないと言ってくる。その時に現実に中小企業の利益が害されるという時にあえて政治信条を貫いて(参拝に)行くのか? 安倍(晋三)さんでも行けなかった状況でも行かれるのか?」
曲がりなりにも弁護士という法律家なんですから、政教分離原則という憲法上の問題点は気にならないのかと思うのですが、大阪市長時代に思想調査アンケートを強行して憲法違反だという判決を食らって負けている人ですから、およそ憲法を順守するという意識は全くないのでしょう。
靖国神社に併設される「遊就館」は「大東亜戦争」を賛美する展示物で溢れている。
これに対する高市氏の回答は
「一人の日本人として信教の自由がございます。
ただ内閣総理大臣という立場は重いと思っているんですが、世界のそういう風潮を変えたいです。アメリカにもしっかりと説明して。私だってアーリントン墓地に参拝してますよ。
大阪だって大空襲受けたし、原子力爆弾だって落とされたし。そういう思いとは別に国家のために命を捧げた方にも敬意を表してますから」
いろいろツッコミどころ満載ですが、国営のアーリントン墓地に相当するのは日本では千鳥ヶ淵戦没者墓苑。ここは無宗教ですから、国の戦没者記念式典も行われていますし、ここに戦没者の慰霊に行くことに何の問題もありません。
アーリントン墓地に行ったことがあるからといって、私的な宗教施設である靖国神社に参拝することが正当化される理由は何一つないのです。
また、大空襲や原爆投下で亡くなった市民は靖国神社には祀られていません。靖国神社は明治政府以来、国の戦争で亡くなった軍人しか祀られていないのです。
そして、アジア太平洋戦争という侵略戦争を起こしたA級戦犯も祀られているのに、そこに内閣総理大臣が参拝するから、外交問題になるのです。
この番組に出席していた野田聖子候補は、首相の靖国公式参拝についていいことを言っています。
「1人の気持ちを貫くのもいいけど、(首相は)1億2000万人の代表になります。その人たち全員が納得しているかどうか、国民の合意を得られていない」
「外交問題にしちゃいけないと言うのは、こっちが言ってはいけない。向こう、諸外国が決めることなんですね。もう一つはアメリカ、中国、韓国が反発しているだけじゃなくて、その後ろのいる国々も愉快なことじゃないという国際社会の認識を持ちつつ、自分の志を通したことで逆に関係ない企業たちが損失を被るということは経済を守っていかんなきゃいけないリーダーとしていかがなものか?」
「私も最初の頃は無邪気に(参拝に)行ってたんですけど、やめました」
外交問題にするかしないかは外国の問題だというのはその通りですね。
また、そもそも第二次大戦の惨禍に対する反省から生まれたのが国際連合ですから、その戦争の責任がある日本の代表があの戦争を自衛戦争だと肯定している靖国神社に参拝したら、国際問題になるのも当然です。
それにしても、高市氏が火をつけた靖国神社公式参拝についての最大の問題である、日本国憲法が規定する政教分離原則に反して違憲だという問題について、この間誰も触れようとしないのは異様です。
たとえば、小泉純一郎内閣総理大臣が2001年8月13日に行った靖国神社への公式参拝について、福岡地方裁判所は2004年4月7日、これが憲法20条3項によって禁止されている「宗教的活動」に該当するとして憲法違反であるとの判断を示しています。
「本件参拝は宗教と関わり合いをもつものであり、その行為が一般人から宗教的意義をもつものと捉えられ、憲法上の問題のあり得ることを承知しつつされたものであって、その効果は、神道の教義を広める宗教施設である靖国神社を援助、助長、促進するものというべきであるから、憲法20条3項によって禁止されている宗教的活動に当たると認めるのが相当である」
というのです。
小泉元首相の公式参拝については、全国各地で憲法訴訟が提起され、合憲だと判断した裁判所は一つもありません。
逆に、2005年9月には大阪高等裁判所も違憲判決を出しています。
なお、1985年の中曽根康弘元首相による靖国神社公式参拝についても、最高裁が、かかる公式参拝は憲法20条3項、同89条に違反する疑いがある、という判決を出しています。
憲法20条3項は
「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」
と規定しています。
また、89条は、宗教団体への公金や、公の財産の支出などを禁じています。
この政教分離原則は、国や地方自治体が宗教的に中立であることを要求する憲法上の原則で、戦前、国家神道に特権的な地位が与えられ軍国主義が進んだ経緯を踏まえ、日本国憲法に特に厳格に規定ものです。
憲法は20条1項で、高市氏が自分にも保障されているといった信教の自由を保障した上で、そのためにも、宗教団体が国から特権を受けることや、国や自治体が宗教教育などの宗教的活動をすることを禁止して、全市民の信教の自由を守ろうとしたのです。
高市氏個人の内心の信仰の自由は他人に迷惑をかけるものではありませんから絶対的に保障されます。しかし、彼女が宗教的行為をするという外部的な信教の自由は、「公共の福祉」の範囲内=他人の人権を侵害しない限りにおいて保障されているもので、絶対的に保障されるものではありません。
彼女が国会議員やまして内閣総理大臣になれば、全市民の人権を保障するために、政教分離原則違反の行為をすることは許されず、靖国神社公式参拝が憲法上禁止されるのは当然です。
高市氏を強力に推している安倍晋三氏は、中国に対して国際法順守を求め、「法の支配」が重要だと言い続けましたが、自分が自国の憲法を守ろうとしないのに、他国に法の支配が云々などと言う資格はありません。
高市氏が自分の信教の自由だけを声高に主張し、憲法は無視し、他国は外交問題にするべきではないと干渉し、自分の靖国神社公式参拝で信教の自由を侵害され、また外交問題になって経済的に苦しむことになる自国の市民のことは一顧だにしない態度は、為政者として失格で、言語道断です。
こんな人がまかり間違ったら自民党の総裁になりかねない有力候補にのし上がっていること自体が、自民党という政党の危険性を如実に表すものと言えるでしょう。
やはり、自公政権という選択肢はあり得ません。
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ネオナチ代表と写真を撮ったことで世界的に知られる高市早苗氏は「ヒトラーの選挙戦略」というナチス礼賛本にも推薦状を書いた極右。総務大臣として安保法案に反対する放送局は電波停止と脅迫した最低政治家だ。
コロナ感染爆発で緊急事態宣言の真っ最中に、菅政権の5閣僚が靖国神社に参拝。大臣などの肩書で参拝した以上、政教分離原則違反で違憲。そして政府の無策で長い自粛を強いられている市民に対する決定的な裏切りだ。
毎日新聞の世論調査によると、一般市民で高市氏を支持する人は岸田氏と並んで18%なのですが、自民党支持者に限ると28%に跳ね上がります。
ネトウヨがウヨウヨいるインターネット世論調査とはいえ、せめて、野田氏と高市氏の支持率が逆だとまだいいのですが。
自民党とは議員も支持者も恐ろしい政党だと改めて思いました。
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高市早苗氏、橋下徹氏の「靖国行くのか?」質問に「一人の日本人として信教の自由がございます」
この日の番組には、29日投開票の自民党総裁選で激しく競り合う岸田文雄前政調会長、河野太郎行政改革相、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代理の4候補が出演した。
橋下氏は高市氏に「しつこいですけど、靖国問題ですが、政治信条と国民の現実的利益で。総理が靖国参拝するとなると、中国が貿易や商取引に対して、まあ、ああでもない、こうでもないと言ってくる。その時に現実に中小企業の利益が害されるという時にあえて政治信条を貫いて(参拝に)行くのか? 安倍(晋三)さんでも行けなかった状況でも行かれるのか?」と質問。
これに対して高市氏は「一人の日本人として信教の自由がございます。ただ内閣総理大臣という立場は重いと思っているんですが、世界のそういう風潮を変えたいです。アメリカにもしっかりと説明して。私だってアーリントン墓地に参拝してますよ。大阪だって大空襲受けたし、原子力爆弾だって落とされたし。そういう思いとは別に国家のために命を捧げた方にも敬意を表してますから」と返答。
橋下氏が「アメリカの理解を得る前に行くんですか?」と重ねて聞くと「もちろん説明を致します。お互い、そうじゃないですか? だって大統領も(アーリントン墓地に)行かれるでしょと。全員がそこに眠る方が国際法を完璧に守られた方かどうかと関係なく行かれますよね。それが世界の常識という形として発信したい。外交問題にすべきじゃないです」と答えた。
橋下徹氏、靖国参拝意向の高市早苗氏に「ぜひ、その信念を貫いて行っていただきたいと思う」
この日の番組には、29日投開票の自民党総裁選で激しく競り合う岸田文雄前政調会長、河野太郎行政改革相、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代理の4候補が出演した。
総理就任後の靖国神社参拝の意向を示している高市氏はこの日も「例えば昔、植民地支配という時代がありました。すべての宗主国に対して被支配された国々が宗主国のリーダーが自国の慰霊碑にお参りすること文句を言いたくっている事実はあまり私は聞きません。中国はイギリスに何かも文句を言ったかというと聞きません」と話すと、「日本は文句を言ったら、やめるからと言うことでかえって、外交的な手段に使われていると思います」と話した。
その上で戦犯合祀の問題についても「日本というのは墓まで暴くような文化じゃない。刑を受けた方、執行された方、こういった方は刑を終えられていて罪人じゃないんです。私はお参りを致したい」と続けた高市氏に橋下氏は「高市さん、ぜひ、その信念を貫いて行っていただきたいと思うんですが、もし、行っていただけなかった時には施設のあり方も含めて、そこはしっかり考えていただきたいと思います」と呼びかけていた。
野田聖子氏、靖国参拝の意向の高市早苗氏横に「私も最初の頃は無邪気に行ってたんですけど、やめました」
この日の番組には、29日投開票の自民党総裁選で激しく競り合う岸田文雄前政調会長、河野太郎行政改革相、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代理の4候補が出演した。
橋下氏は高市氏に「しつこいですけど、靖国問題ですが安倍(晋三)さんでも行けなかった状況でも行かれるのか?」と質問。
これに対して高市氏は「1人の日本人として信教の自由がございます。ただ内閣総理大臣という立場は重いと思っているんですが、世界のそういう風潮を変えたいです。外交問題にすべきじゃないです」と返答。
このやり取りに野田氏は「1人の気持ちを貫くのもいいけど、(首相は)1億2000万人の代表になります。その人たち全員が納得しているかどうか、国民の合意を得られていない」と隣に座った高市氏をチクリ。
「外交問題にしちゃいけないと言うのは、こっちが言ってはいけない。向こう、諸外国が決めることなんですね。もう一つはアメリカ、中国、韓国が反発しているだけじゃなくて、その後ろのいる国々も愉快なことじゃないという国際社会の認識を持ちつつ、自分の志を通したことで逆に関係ない企業たちが損失を被るということは経済を守っていかんなきゃいけないリーダーとしていかがなものか?」と疑問を呈すると「私も最初の頃は無邪気に(参拝に)行ってたんですけど、やめました」と続けていた。
よろしければ是非上下ともクリックしていただけると大変うれしいです。
何が問題なのか、侵略戦争を起こした戦争犯罪人「A級戦犯」も合祀されているlことが高市氏は何をもって正当化と言っているのか、政教分離と言う意味。
高市早苗はもっと日本国憲法を勉強してください。
いまだに外国人参政権に反対するなど、右翼の要求そのものですね。
https://datsuaikokukarutonosusume.blog.jp/archives/1079348305.html
脱「愛国カルト」のススメ
靖国神社で平和は祈れません
https://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/bf529571c041a012b52fe35a549e5809
代替案のための弁証法的空間 Dialectical Space for Alternatives
【書評】堀雅昭著『靖国誕生 ―幕末動乱から生まれた招魂社』弦書房
https://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/7953159d989490d102864c82a2278500
代替案のための弁証法的空間 Dialectical Space for Alternatives
亀井静香 靖国神社にもの申す 西郷ら賊軍もお祀りせよ!
http://gekkan-nippon.com/?p=5482
月刊日本
禁門の変(蛤御門の変)が起きたのは孝明天皇が長州藩の排除を望んだから
https://bushoojapan.com/baku/2021/06/06/111286
BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)
日本の与党支持者には、「日本人なら、国会議員の靖国神社への参拝を支持するのは当然だ」と主張する人が多い。しかしその与党支持者たちは、靖国神社の歴史問題が江戸時代末期の内戦にまで遡ることを、おそらく知っていない。