7月23日 土曜日
やはり暑いですね。 年令のせいでこらえ性が無くなってきたのかと
時として考えてしまいます。クーラーなしでは生活を維持していけませんね。
コロナと暑さのため、不急、不要の外出は控え、ミシンで遊んだり、読書をして
秋の来るのを待ちたいと思っています。
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石原慎太郎 1932~2022 2/1 90才で没
いわゆるヤクザの裏社会を描く。 安藤昇は若くして特攻隊に志願し、その時人生は終わったと覚悟する。
特攻隊、愚連隊、安藤組組長、映画俳優。晩年は静かに暮らし、89才(2015年)までの天寿を全うした。
本を読みながら、安藤昇の男らしさ、度胸にはやはり他にないものを持っていると感じる。死を恐れない暴力団。
刀で、顔を切られ、麻酔をしないでくれと頼み、13針を縫う場面はさすが。
自分のために若い命を落とした健坊の母親が 火葬場で 棺にすがって自分も一緒に焼いてくれと泣き叫ぶのを見て母親に土下座して謝り、組の解散を決意する。
横井英樹、その他すべて実名で登場し所々、慎太郎節?で書かれた本を、一気に読み終えた。 以前、「京都の闇社会」を読んだことがあり、「餃子の王将」事件の迷宮入り、裏社会と諸々とのつながり、すべて金が動く社会の裏。
我々庶民がはかり知ることが出来ない事実があることを知る。
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大好きな作家。 この本は何度も読み、以前にもブログにUPしている。古き良き時代の 美学を持ち続けた作家だと思う。
特に フランス日記、ベニスにて、等海外のエッセイと挿絵がたまらなく好き。 今回は挿絵をUPしますネ
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一番最後のSketchですが、これは すり なんです。巧みに手を伸ばし隣の人から掏るんです。
スイスで正に同じ体験をした私たち。ふと横を見ると怪しげな手が妹の鞄に伸びていました。 私思わず パシリ!と手を叩きました。女性だから出来たのかも知れません。池波さんも?!
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牧野(池波自身)はふとしたきっかけで酒飲みの佐土原先生を見かける。彼が尋常小学校の5年生の頃の受け持ち。
先生は、太いゴムで体罰をする。頬にゴムをあて、引っ張ってパチンとする。可なり痛い。いつも叱られていた牧野は佐土原先生とゴムが一体になっている。約60年ぶりで浮浪者になっていた先生を見かける。牧野は浮浪者になった先生の側に一升瓶の酒を無言で置いておく。先生はいなくなる前に隣の 浮浪者に 「これを渡してくれ」とあるものをことづける。封筒に入っていた物は 新しい短いゴムであった。
並行して自分の離婚した娘と孫の話が書かれているが、この家族の描写が正太郎の作風とそこに醸し出される彼独特の美学を彷彿とさせる。別れた 前夫が再婚する相手も承知で、子供(孫)を引き取りたいと申し出る。
牧野は「母親は一人でいいと思う」と告げる。
** 浮浪者になった 佐土原先生
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** 銀座100点 1955年から発行されている 銀座の冊子。
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頂いてきたりもします。今楽しみにしているのは、連載の「あかねさす葡萄の酒を」 檀ふみ。
ワイン通ならではの文章。さすが 父上の娘、文才が輝いています。
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涼し気な団扇で今日はお終いにいたしますね。
皆さま、熱中症、コロナに負けないでこの夏を乗り切りましょう!
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