こういちが康一でコウイチ

パロロワ書き手の康一君の、なんか、そんな感じの。

季節は移る

2013年09月29日 | 日記
いつもこの時期になると思うのだけど、僕はやっぱり夏が好きなんだな。
暑いよりは寒いほうがマシだと思ってるのに、でも冬より夏のほうがいい。
結局は幼いときの思い出のせいなんだろうけど、夏の終わりにはそんな風に考えてしまうのです。

ジョジョ3の没(のプロット風なの)

2013年09月26日 | 日記
最初の予約で被ったヤツ。
Askに張ったので、こちらでも。


 ◇ ◇ ◇


【パート1】

 ドッピオ視点。ボスからドッピオへの電話。
 麻薬チームの中心人物までもが巻き込まれていると報告。特徴や名前を尋ねるが、ボスはドッピオにさえ語らない。
 次に暗殺チームやブチャラティチームもいると知り焦るドッピオを落ち着けると、ボスは諭すような口調で続ける(細かい内容はカット)。


 ◇ ◇ ◇


【パート2】

 ジョルノ視点。
 すでに細かい確認は済ませ、ひとまず地図で確認した人の集まりそうなところに移動しようとしていたところで、一瞬だけ足が止まりかける。
 うしろから何者かがついてきているのだ。警戒しつつも、勘付いていることを悟らせぬよう移動を止めることはない。
 相手はこちらが一瞬足を止めたことに気付くそぶりもなく、ただついてきている。また、足音を隠そうとしているようだが、隠し切れているとは言い難い。
 それらのことから相手が『こちら側』ではないと判断し、ジョルノは振り返ってそちらに声をかける。
 「ついてきているのは分かっています」返答はないが、それは予測済み。次に告げる言葉も考えたあとだ。思わせぶりに制服のポケットに手を突っ込む。
 「アナタは考えるべきだ。『この状況』で『相手に気付かれていながら顔を出さない』っていうのは――はたして『どう思われるのか』をね」
 単に脅しをかけただけであるのだが、相手は姿を現した。
 ジョルノとほとんど年も変わらぬ赤毛の少年は、見るからに『こちら側』の人間ではない。
 想像通りの展開であったのだが、しかし彼はジョルノの見通しから大きく外れたことを言ってのけた。

 「さすがだ、ジョルノ・ジョバァーナ。ボスを裏切るだけある」

 ジョルノが思わず息を呑む。
 『自分の名前』も『ボスを裏切った』ということも、『裏切ってほとんど時間が経っていない現在』知っている。
 そんな人間は、かなり限られている。
 すなわちパッショーネの構成員であり、かつ『相当ボスに近い』側近であり親衛隊。
 スタンドは? ――追跡している暇があれば襲撃できたはずだ、あるいは『すでに受けている』のか?
 目的は? ――お粗末な追跡に意味はあるのか? そもそも名乗るメリットは? それも『ブチャラティではない新米』にッ!
 ジョルノが思考を巡らす間も、ドッピオはさらに続ける。

 「これから僕が言うことを信じてもいいし、信じなくてもいい。それは自由だ。その後どうなるかはさておき、決断する自由は君にある。それ次第で、僕が君をどうするかも変わってくる」

 「僕は――――『ボスの右腕』だ」


 ◇ ◇ ◇


【パート3】

 ドッピオ視点。
 ボスから伝え聞いた情報を元に、彼はパッショーネの構成員を探していた。
 裏切り者も親衛隊も麻薬チームも関係なく、どんな相手であろうとも絶対に引き入れるだけの手札があった。

 ――それは『麻薬チームが巻き込まれている』という事実である。

 現在、パッショーネの収益のほとんどは、裏ルートで売り捌いている新型麻薬から出ていると言っていい。
 詳細はドッピオもまた教えられていないが、麻薬チームの中心人物であるマッシモ・ヴォルペが死ねば、その時点でパッショーネと新型麻薬のルートも潰えるのだという。
 だから――手を組むしかない。
 パッショーネを裏切るだけ野心があるのならば、その分だけ麻薬チームは手放せないのだから。

 ぎり――と、前を行くジョルノに視線を向け、ドッピオは歯を軋ませる。
 本来ならば、裏切り者などと同行したくはない。
 ボスから授かった『腕』でもって、すぐ前にある背中を貫いてやりたい。
 しかし、ドッピオはそれをしない。
 その殺意はあくまで自分のものにすぎない。
 彼にとってなにより優先すべきはボスの意思であり、断じてちっぽけな自らの意思ではないのだ。
 ポケットに手をやってなかにある携帯電話の感触を確認し、ドッピオは大きく息を吐いたのだった。

 (ドッピオ状態表。健康、不明支給品0~2、装備:携帯電話?備考:携帯電話はドッピオ認識)


 ◇ ◇ ◇


【パート4】

 ジョルノ視点。
 情報がどこまで信用できるかは判断しかねる。麻薬チームが巻き込まれているのが真実であるかも、現時点で判別はできない。
 だが――右腕であるかはともかく、相当ボスに近い構成員であるのはたしかだ。
 あのボスが、そうそう情報を漏らすとは考えづらい。特に『裏切られた』などという、自らの位置を脅かしかねないものであるのなら。

 ジョルノの『夢』に、新型麻薬の存在など不要なだけだ。
 むしろ『夢』を達成したのなら、即座に排除しようとさえ考えている。

 (だとしてもそれに釣られる輩がいるとすれば、それはそれで利用すべきだ)

 現状、なにより優先するべきなのは、この殺し合いへの対処である。
 それをなすためならば、人の心を蝕む麻薬でさえ利用してみせる。
 背後からの殺気を感じつつ、ジョルノは振り返ることもなく表情一つ変えない。

 (ジョルノ状態表。健康、不明支給品1~3)


 ◇ ◇ ◇


【パート5】

 ディアボロ視点。
 二人を眺めながら、予想した通りに動いた事態に口角を吊り上げる。
 予想通り、ほとんど迷うそぶりを見せずに、ジョルノを引き入れることに成功した。
 これでいい。
 現状、なにより優先するべきなのは、この殺し合いへの対処である。
 人間の感情は信用できなくとも、利害への執着だけは信じることができるのだから。

 暗殺チームとブチャラティチームという二つのチームに裏切られながら、ディアボロは気付かない。
 どちらのチームも、ただパッショーネの収益をすべて手に入れたい、それだけのために裏切ったと考えているのだ。
 それが大きな過ちだとは露知らず。
 ただ、利害だけが人間を動かすと――本気で思っている。

 黄金の傍らにいてなお、その暗い瞳が光を帯びることはない。