【さかな合同感想】
1:さかな色パラダイス――こずえあかり
わーい、漫画だ! カラーだ! すごい! なんと、さかな合同にカラーの漫画! さかな合同に! さかな合同に!
なにがすごいって、「ねぇ、さかな先生って知ってる?」という本を手に取って一ページ目を開いた読者は、さかな先生として出迎えられる。なんておそろしいんだ。
キャラ原案けまる。
2:さかな先生の逆襲――フルウ
外見描写の「イシソォヴュテをデフォルメ化した感じだ」の、いやだから、そのイシソォヴュテはなんなんだよなところ大好き。こういうのに弱い。
「その時、一筋の光が夜空に走った」からの「wWWWww!?wwwWWwwwW?!wwww」から始まる急展開も、非常に俺の弱いところをついてきやがる。
さておき、挿絵もらってやがる。許せないな。
3:さかな先生の住む池へ――ヤズ
自分の縄張りを荒らされて怒って他人の縄張りに入ってくるの怖い。焼いたさかなでもいい辺り、先生は寛大だ。
「やめてね」のときの黒猫の、「なんやねんこいつきっしょ」顔すき。というか、そんな顔しかしてないなこいつ。
それにしても、一人ずつ消えて行くのがオンスーにしか思えない辺り、誰それや誰それの罪は重い。
そういえば、読んでる間僕は「さかなじゃなくてトリキオチなら投げるなあ」と思ってました。
4:渚のさかな先生――平山ひろてる
うむ。二回読むタイプのだ。
「この人は町の人じゃない」がいいよね。これがいい。
5:さかな合同ってなに トリキ対談編――珠洲鈴涼理
感想とか書くヤツじゃないぞこれ。
「カッスさんはむかしから最低だった」すき。
変なリプと変なTLのどこが違いどう厄介なのか、ここ必読。
6:さかなの学校は海の中――雨七
うおー、いいね! ラストいいね! ここまでで一番好きかな! 「地上は汚染されているって、水も汚染されるんちゃう」とか思ってたけど、そんなの吹き飛ぶくらいいいね!
「海中~~」「人工~~」で風景描写して「それどんなんやねん」って思ったところで、よく知っている地上を鮮やかに出すのがたまらんでしょ。
作中人物と違って、こちらはもう毎日見飽きている風景なのに、一緒になって鮮やかに思えるのが上手い。おもしろかったぞ~。
さておき、僕なら最初のココアの時点で学校行かないので、彼女は偉いと思いました。
7:ぼくと彼女――れんげ
ロゼッタストーン、古代コンピュータ説。しかしこの設定で「おっ! この石なんやろ!」と調べたら、ごでのんだったときとかキレるよ。
……と、書いていたら、そういう展開になりそうだ。そう、これはリアルタイム感想であるのだ。
「電子を介して世界中の人たちが気軽に繋がっていたという――」、頑張って世界中に石を投げ合うんだ。
…………と、書いていたら、石を投げ合えよとか軽々しく言えないお話だった。許していただきたい。これはリアルタイム感想であるのだ。
8:あいつの時間――ベリナンギ
あいつの時間ってなんだろうと思ったら、これはまさしくあいつの時間。
さかな漫画ツー。すごいぞ、さかな合同に漫画だ! 二つ目の漫画だ! さかな合同に! さかな合同に!
黒板すき。
9:さかなメタル――伊藤紙幣
死因すき。こういうさかな処理は浮かんでなかったなあ。笑ってしまった。「すでに六件、計十一名」で追い打ち食らったわ。
朝市でさかなのにおい堪能しながら、アンパンと牛乳行くのもなかなかって感じだ。『かなりのヤツ』だもん、それだけで。
先発必中直感を補うウィキってのも、うむ、そら強いわうむ、うむ。うぃーあーさかな先生。
もうちょっと長めに読みたかったかも。
10:さかな鬼ごっこ――執事ひるっち
さかな先生は降臨させるものという風潮シリーズ。
自分で呼び出しておいて「なんなんだこいつ」って、きっとさかな先生だろうよ。
ほとんどなんの情報も持ってないクセに変なゲーム誘って、ヤベぇよヤベぇよからいろんなポジション行く先輩ほんまなんやねんこいつ。でもこういうキャラ好きだよ。
11:夕焼け逆撫で恋模様――ごでのん
「幸か不幸か彼女は美少女なのだ」、幸か不幸かって幸だろう。なにが幸か不幸かだ。
そんな茶々はさておき「俺とお前って知り合って数十年だよな」って、なんだここまで前フリかよいきなりブッ込んできたな、ループとか? 人間じゃないとか? 死人とか? 暦が違うとか? 違う星の話だから一年の長さが違うとか?
…………と、そこから続く何気ない会話にも警戒しつつ読んでいた、告白回数とかも伏線かなと思っていた、ワケ、でーすーがー……
読み終わってから「????」と首を捻って最初に戻り、もう一度読んで、クエスチョンマークを倍に増やして読み返し、さらにクエスチョンマークを増やしていたワケでーーーーすーーーーがーーーー…………
普通に「十数年」の誤字かーーーーーーーーーーーい! ここでも、大事なとこでやらかすのかよ! バカバカ!!
マジかよこいつ……えぇ…………うっそォ…………三点リーダも増えるわそら…………えぇぇぇ…………
「3」が全角で「2」が半角だし、縦書きだから「2」のほう横になってるやんけアホやな、とか序盤で考えてたの吹っ飛ぶレベルでうっそだろこいつ…………
実は裏設定で幽霊オチとか、別の星とか、クソ未来で暦違うとか、そういうの言いだしても「そういうのいいから素直になれよ」と言いたいレベルで、いやまあ素でやらかしたならいじるのもよくないんだろうけど、うっそぉ…………
12:さかな釣り――康一君
自作。
改めて読むと、やっぱりおもしろい! あんま書かない一人称もピンズドで来てるぜ!
ああ^~たその好みのヒロイン書いちゃったよぉ^~。
それにしても、ごでのんから純愛幼馴染の流れ来てるね……
13:世界はあなたを追い詰めるためにある――3g
まず、「3g」が半角なもんだから横になっているのがおもしろい。半角が正規表記なんですね。でも僕は全角で書く。
「残された時間」、そうですよ、これですよ、ほら、こういうワード出てきたら、ここから意識をして読むじゃないですか、そういう期待で読んでそれに応えるなり肩すかしなりあるじゃないですか、ああ~~~ごでカスマジでよォ~~~~~!
「どうにもならないことは構わないが、どうにかなる範囲で上を行かれるのは気に食わない」ってのいいですね、すき。
ていうか、よかった。うん、よかった。雨七くんのとこれ、くらいよかった。「残された時間」の処理もいい。ところどころの春の細かいとこもいいんだよな。
継続している幼馴染の流れがヤツ(名前を言ってはいけない例の)からなのが許せんくらいよかった。
春「あいどんわなだい」――というSSだ。
どちらかというと、、I DON'T WANNA DIE FOREVERかな。うむ。
恋の呪文唱えないでよ。
ラブラブシール張らないでくれよ。
I DON'T WANNA DIE FOREVER――だからこそ、だからこそなのだ。
14:さかな先生手動ボット説――つんドラ
さかな先生を『狩(ハント)』せよ的SS。
ある種、さかなウィルスで被っている気がするけど、ジャンルが違う感じ。
さかなバグ、さかなウィルス、という感じで、なんだか楽しい。しかし自分で書いてなんだけど、「さかなバグ」ってもはや魚なのか虫なのか。
しかしさかなウィルスは100被ると思ってた割りに、ここまであまり出てこない。
15:プッシュ&プッシュ――ユーリン
「なにか大きく人生が変わる」という、具体的でないざっくりさが都市伝説っぽくていい。
最終的に言うほどさかなのおかげか? なところも、こっから大きく変えていくのかなってところも好み。
それにしても本筋となんも関係ないんすけど、「いまもむかしも変わらずキラキラしている彼女」がさかな先生っていうワード出すの軽くマジかよ感ありますね……
16:さかな先生の憂鬱――パイナポゥ
「――って知ってる?」に対して、こういう切り返しで始まるの珍しい気がするなと思ったけど、これ読んだことあんぞwwwwwwwwwwwww
と思いきや、そこからそのまま行かないで、すっごいさかな先生に貪欲な一人称がおもしろい。ここまでさかな欲あるのは斬新だ。
と思いきや、やっぱり戻る。楽しい。振り回される感覚。楽しい話だった。
さかな先生ワードのなかでも、これブッ込むんだってのをクライマックスに入れてるのもズルいね。
17:アンドロイドはさかな先生の夢を見るか――えすえぬわい
)): )): )): )): ←これすき。
あれ、なんで「数年後」のときは、この記号使わねえの? って疑問を抱くときちんと答え合わせもあって掌の上だ。
さかなアンドロイド、さかなアームズ、っていう感じ。予想外路線の連荘で、これはさかな合同の楽しみ方の一つなんだろうな。
18:まさかなストーカー先生――ももてん
おもしろい。
雨七さんとたっそが同率一位で、それに続くくらい。
予期せぬ路線の流れが続いて、これなのもあっておもしろい。
一人称SSって、他人の細かい描写どれくらい入れていいのかなと思ったりもするけど、しかし今作はなんとストーカー視点であるので問題ないのだ。なるほど。
いや単に視点混ざっているのかもわかんないんですけど、でも視点混ざってるなとか言えないんですよ。なぜならストーカーの一人称であるから。すごい。これはすごい。
「あなたもさかな先生のストーカーだったのね」の切り返しもいいんだけど、それ以降がもっといい。
「さかな先生のストーカーである彼女のいうことだから正しいのだろう」という推測を、ストーカーの一人称でするんですよ。そりゃあ君はストーカーだから彼女のこと知ってるしな。うん、おもしろい。
ジャンル:ストーカー一人称、だ。
19:流行り魚――くぬ
さかな都市伝説シリーズ。縛り的に当然だけど、都市伝説ものだと同じ感じの冒頭になってしまうんだなぁ。
全体的に、オーソドックスさかな都市伝説って感じ。最後のがきっと本物のさかな先生である、っていうとこいいね。こわない?
あと、「もう二道はなかったが」はきっと「もう逃げ道はなかったが」の誤字だけど、誰かと違ってわかりやすい誤字なのでせふせふ。はーーあの誰かはなーーー(ry
さておき、西岡の走塁ミスで憤死するなら、憤死する場面はそれまでの観戦歴においてもっとたくさんあったはずだと思う(クソどうでもいい)。
20:さかな先生りれえよんこま――レモンド、白揚羽
キャラクター紹介を最後に持ってくる仕様が、さかな先生らしさを演出していた。
いやしかし私がこの作品を読んで、一番言いたいことというのはそんなことではない。
ただ、それはツイッターという140文字しか一度に投下できない場所では連投するしかないほど長いもので、だがやはりせっかくの機会なのでタイムラインを汚させていただくと 「きえな」 ターン おわり
21:さかな英雄伝説――ででどん
なんだこれは。またなんかすごいな。ここにきて、さらに別のさかなって感じだ。
最初のほうの「おおなんだこれは」感覚が楽しくて、途中から無理矢理ジャンル全開に持って行って〆てる。
あとまあ、「ぬ」オチはまあ被るよね。
さておき、いま調べたら5月13日から浮上してないんすね。
22:さかな先生の報告書――豪襲
さかな先生→カブトムシ男爵→いちご先輩と、流れるように生物+役職ワードを出してくる掴みがいい。素直にあっさり掴まれた。
既存のさかなワードを使わず、しかしジャンルさかな先生を展開するスタイルにはグッとくるものがある。おもしろい。
さかな先生とコンタクトを取ろうとして発狂って、バッファローマンの過去を調べた結果的なアレやろ、と思ってた僕もおおーとなった。
それは置いておいて、捌かれる前後でサンマの顔はそんなに違うものなのでしょうか。
23:世にも奇妙なさかな先生――音珠たかの
まさしく、世にも奇妙なさかな先生だった。
ちょうどいまジョジョアニメはDIOの世界をやっていますが、さかなの世界ですねこれは。
最初に世界がおかしくなって、少し前にさかのぼる――から少しずつ現在に戻っていくパターン好きなんです。
それにしても、ぬぬぬぬぬぬぬぬぬ、ぬぬぬぬぬぬ! ぬぬ? ぬぬぬぬぬぬ!
24:釣り人――チャンネル
江戸。いきなりの江戸。最初の二行で「江戸府内の行商人」。
僕がマガジン連載なら、右下に「!?」と出ていた。
ゴンズイが出てきた時点でもしやと思った通りだったけど、でもおもしろかった。いい雰囲気だ。ジャンルさかな先生にはこういう面もあったなんて。
関係ないんすけど、ゴンズイがぶぁーーーってなってる画像怖いよね。
25:『さかな先生怪文書事件』或いは『なにゆえ私が提出締め切りを破ることになったのか』――すかい「さかな先生はワシが育てたわけじゃなかった」ミッカイナイ
うっわ、クッソ長い人やんけ、後に回そ。
というワケで、あとがきまで読んで戻ってきた。
うわぁ、30ページくらい書いてんのかよ。なんなんだよぉ。という気持ちを封印して、そういう企画の合同誌のラスト一作のつもりで読もうと思う。
その後、本当に読み始めるまで軽く30分かけてから読んだんだけど、いや、まぁ、うむ、おもしろかったよ。
たしかに30ページをさくさく読めたし、いざ読み始めたら止まらなかった。
よりによって「岩手」と「エタ川さん」を選ぶところとか、細かいところも好きだ。
最後の最後で、わざわざ横に点まで振って強調した一文に対する「いやまあわかる、わかるよ、まあ、うん、さておきうるせーバーーーカ!」感も好きだし。
しかしさんざん文句垂れながらなに30ページも書いてんだこいつ! は、振り払えるものではないんだなぁ……
26:ねぇ、さかな先生って知ってる? 解答編――坂中せいな
名作。
時が過ぎても色褪せることはなく、遠い将来においても語り継がれるべき文章。
お母さんお父さんの読者は、ぜひとも寝る前にお子さまに読み聞かせてあげてほしい。
あとがき――平山ひろてる
プロジェクトXさかな合同編と言える。
カッスサンも草葉の陰で、あるいは星になった上でにっこりと微笑んでいることでしょう。
【僕的さかなランキング】
番外1:自作――僕は自作が大好きだが、しかし自作であるので抜きで考えることにした。
番外2:坂中せいなさんの――問答無用の最強は、強さランキングから外されてしまうのだ。
僕的さかなランキング3位!:豪襲さんの――SF系さかなナンバーワン! 生物名+役職連発での掴みと、オリジナルさかなワードでの空気作りがいいぜ!
僕的さかなランキング2位!:3gたその――そういう話でもそういう空気でもないのに、でも俺はこれからミネタカズノブを感じるんだ。ラブラブシール張らないでくれよ、であるのだ。
僕的さかなランキング1位!:雨七さんの――僕たちがよく知っているはずの世界が、とても鮮やかなものに思えるだけのパワーを持ったクライマックス!
ファック! こいつ後回しにしたれ! ランキング1位!:すかいなんとかさん――「残りページ結構あるのにほとんどかよぉ~(げんなり」は、電子書籍では味わえぬ感覚。
ファック! こいつやらかしやがったクソッタレ! 1位!:ごでカス――君はむかしから大事なところで誤字やらかすなほんと!!!
この一冊を棺桶に入れてあげたいランキング1位!:カッスサン――さかな合同が一冊の本になったことで、ようやくカッスサンがもういないってことを実感できた。そんな気がしたんだ。
最後に。
サンキュー・フォー・流星ハートビートの面々、カッスサン、アンドさかな先生!