歴タビ日記~風に吹かれて~

歴タビ、歴史をめぐる旅。旅先で知った、気になる歴史のエピソードを備忘録も兼ね、まとめています。

母の昔語り~桜木町のバー

2022-12-06 14:35:06 | 神奈川県
80代・母の昔語り。

母方の曾祖父は、たいした甲斐性は無かったものの
ハンサムで有名だったとか・・・
おかげで、祖母の姉妹は全員、美人揃い。
(女の子は父親に似るって言うものね♪)


姉妹も自覚していたらしく・・・

祖母が人生・最期の一ヶ月を切る頃のこと。

当時88歳の祖母は、入院先のベッドで、突然、飛び起き
「アタシ、美人コンテストに出るの!」と、叫び
病室にいた親戚一同を、唖然とさせています。

(いったい、どんな夢をみていたんでしょうね~w)



さて、その美形揃いの姉妹の一人は、
あの人気歌劇団のクラリネット奏者と結婚。
彼は、後に歌手・Kさんのバンドに所属していたこともあったとか。

高度成長期の入り口の頃には、夫婦(わたしには大伯母夫婦)で
桜木町あたりにバーを出したそうです。
(「ゆず」の名曲もある、桜木町、冒頭画像は現代の桜木町界隈)


ある日・・・

店のカウンターに大伯母がいると、常連客がやってきました。
大伯母は、大慌て。
なんとカウンターの下へ隠れてしまいます。

常連客の一人と顔を合わせたくなかったからです。

・・・というのも、
この常連客の中の若者が、姪の婚約者。
つい最近、顔合わせで紹介されたばかりだったのです!

この席で、大伯母は、
婚約者が、上司と来るバーの常連の若者だと気づいたものの、
若者の方は、全く気づきません。

バーの中は薄暗いし・・・
何より、若者は、婚約者の一族との顔合わせに、
おそらく緊張し、周りを見る余裕も無かったのでしょう。

「隠れる必要は無かったのだけれど、
とっさのことに、バツが悪くてね」と、
大伯母は、後に笑ったとか。

もちろん、その後、隠しきれず・・・
若者は、行きつけのバーのママが、婚約者の伯母とわかると、
なんとも複雑な表情を浮かべたとか。

誰でも、お酒を飲むときって、羽目を外しますもんねw
何かやらかしているのではと、不安に駆られる若者も、
飲んでいる姿を知っている大伯母も、そりゃ気まずいかも・・・。


若者は堅い職業に就いていたので・・・
その行きつけなら、それなりに品のあるバーだったことと思います。
わたしの頭の中では、クラリネットの生演奏が聴ける
ハマのお洒落なバーです♪

その洒落たバーのカウンターの下で、
美人ママが、ずっと息を潜めていたなんてねw



もう、おわかりでしょうが・・・

その若者は、私の父親。
姪は母です。

父にとって、母は大事な大事な恋女房。

おかげで、我が家では、母が絶対。

母と私が親子げんかをしても、父は常に母の味方なので
結局、母だけでなく、父からもお小言を喰らうことになるので
娘時代は、不満でなりませんでしたw


祖母も、祖母の姉妹も、父までも逝ってしまった今、
若かりし頃の話をする母は、楽しそうでした。

けれど、大伯父さんは、どこでクラリネットを身につけのか?
Kさんのバンドに、いつまでいたのか?などは、
全くわからないそうです。(忘れちゃったのかもね)



身内の話をエンエンと・・・
おつきあいいただき、どうもありがとうございました。

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