Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年3-4月号 コミュニティーの話題:「ミックスミー」

2009年08月16日 | コミュニティーとカルチャー
【写真】箱入りの『ミックスミー』

KANEREは、最新の話題についてコミュニティーの人々から話を聞いた。今回の議題は「新しい栄養サプリメント『ミックスミー(Mixme)』についての意見」。地元の人々や難民、各国の出身者がさまざまな意見を交わした。

〈コンゴ人コミュニティー出身の難民(匿名)〉
「私たち難民は『ミックスミー』について、はっきりとは分からない何らかの秘密が隠されているらしいと考えていますが、それはいずれ明らかになるでしょう。ケニアではビタミンやミネラルを含む食物が生産されています。国連世界食糧計画(WFP)は、外国産の化学薬品を持ちこんで難民に害を及ぼすかわりに――難民は、どこかの大学での研究のための実験動物として利用されているのです――『ミックスミー』 を、地元で入手できる、または地元で生産されている食品と代えてくれないでしょうか?」

〈スーダン人コミュニティー出身の難民、マーク〉
「美味しいし、気に入っています。毎回配給すべき食品ですが、そのことを一部の人に分からせる必要があります。誤解している人もいますから。」

〈ソマリア人コミュニティー出身の難民、アナ〉
「味はまあまあですが、ビタミンは肉や野菜などにも含まれています。WFPはなぜ、ビタミンやミネラルを含む地元の食品を支給してくれないのでしょうか?」

〈ジェベル・マラ小学校に通うスーダン人の生徒〉
「UNHCRとWFPはなぜ、『ミックスミー』についてはキャンペーンを行ったのに、ほかの食料品については何も行わなかったのでしょうか? 『ミックスミー』に対する難民の考え方はさまざまで、誰も『ミックスミー』を食べたいとは思っていません。女性たちは、『ミックスミー』は一種の家族計画用の薬で、生殖能力に影響を及ぼすのではないかと恐れています。原産地の表示もないし、賞味期限も明記されていません。人が食べるのに適しているのなら、ケニア人も店で入手できるはずですが、店には置いていません。これはどういうわけなのでしょう?」

〈スーダン人の難民と結婚しているトゥルカナ人の女性、サラ〉
「食べ物やお粥に『ミックスミー』を混ぜたら、子どもたちはひどい下痢になってしまいました。配給センターからもらっても使わないで家に溜めているので、我が家にはたくさん『ミックスミー』があります」

〈匿名の難民〉
「『ミックスミー』にはビタミンやミネラルが含まれていますが、外箱の表記にはビタミン源が特定されていません。生産者は、『ミックスミー』のビタミン源が動物なのか植物なのかフルーツなのか、また、たとえば動物ならヤギ、ラクダ、牛、豚など具体的に明記してくれないのでしょうか?これは非常に重要なことです。自分の宗教や文化的な信念に反する食べ物を食べることになってしまうかもしれないからです。たとえば、イスラム教徒は豚を食しませんが、禁止されているのに豚を食べているといった事態にもなりかねません」

〈ジェベル・マラ小学校に通う生徒〉
「最初に『ミックスミー』を食べたときにはお腹の具合が悪くなり、体力が全くなくなってしまいました。皆、『ミックスミー』の小袋に描かれている絵について不安を感じています。動物の絵だと思っているので、『ミックスミー』は人の食べ物ではなく動物の食べ物だと考えているのです」

〈ソマリア人コミュニティー出身の難民の女性、ザラ〉
「本当に最悪でした。もう使っていません。私も子どもも、酔ったようになっていまいました。いつも捨ててしまうか、ほしい人にあげてしまいます。[KANEREのジャーナリストにも何袋かほしいかと聞いてきた。] 食べると下痢になりますが、ここはとても暑いので急いで治療を受けないと脱水ですぐに死んでしまいます。UNHCRはなぜ、『ミックスミー』を廃止して、代わりに人々に十分な水を配給してくれないのでしょうか?」

〈トゥルカナ人コミュニティーの地元民、ドーカス・エウォイ〉
「地元の人は『ミックスミー』をもらったこともないし、その恩恵を受けたこともありません」

〈コンゴ人コミュニティー出身の難民、ビセンゴ〉
「『ミックスミー』を食べると食欲が増すので、皆、食べ過ぎの状態になります。WFPはわずか15日分に相当する少量の食糧しか配給してくれないのに、その前に――15日目まで4日も残っているのに――食料の備蓄がなくなってしまいます」


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