Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2020年11月号 強盗に襲われ1人が死亡、もう1人が重傷

2021年01月23日 | 特集記事
【写真】身元不明の武装した男たちが、カクマキャンプ1ゾーン1ブロック4の自宅の前にいた若い難民の前に立ちはだかり、怒り狂って彼を撃った現場 撮影:KANEREカバタ・ボル

KANERE調査ライター カバタ・ボル

2020年8月25日夜、身元不明の武装した男たちが、カクマキャンプ1ゾーン1ブロック4の自宅の前にいた若い難民の前に立ちはだかった。襲撃は早朝3時30分ごろに起き、1名が死亡、1名が重症という結果に終わった。

襲撃の動機はすぐには明らかにならなかった。ブロックリーダーによると、ブロック4は2019年以来何度も武装強盗の標的にされているという。

近隣住民は被害者の家族に同情した。「彼の母親のことが心配です。彼は母親に食事を与え面倒を見ていました。一人息子だったんですよ」と、コミュニティの議長である女性がKANEREに語った。難民コミュニティのリーダーの1人は、犠牲者のコミュニティが受けた心理的動揺を憂慮している。「この事件は家族とコミュニティにとって悲し過ぎます。私たちは動揺している遺族とコミュニティメンバーを落ち着かせようと努めていますが、政府とUNHCRにも協力を要請しています」

事件の半日後、カクマキャンプ1の中央市場の店は、保護の強化を求めて休業した。


【写真】1人が死亡、もう1人が重傷を負った2020年8月25日以降、キャンプ当局に保護の強化を求め、地元企業と店が休業している。撮影:KANEREカバタ・ボル

カクマでの一連の武装強盗の直近とみられる事件が発生した。8月に、身元不明の武装強盗がカクマキャンプ1ゾーン2ブロック10で二度目の侵入事件を起こした。難民の住居に押し入り、配給の食料品の他に、TVセット、携帯電話、バッグや洋服などを盗んだのだ。

一方KANEREには、8月26日の現地時間午後11時に別の強盗も報告されている。カクマキャンプ1ゾーン1ブロック12に何者かが侵入し難民の家々で略奪を働いた。「銃撃の間、強盗は撃ちまくり、住民たちを恐怖に陥れました」と、ブロック12の住人グリはKANEREに語った。ケニア警察が通報を受け、現場に急行した。

毎夜地元住民を恐怖に陥れ続けている暴力的な強盗を警察が捜索している一方、難民コミュニティのリーダーがキャンプの管理者に呼ばれ、暴力を平和的に解決しコミュニティを落ち着かせる方法について話し合われた。

8月25日の殺害のあと、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は次のように哀悼の意を表明した。「この困難な時期にあたり、キャンプの安全を強化するため、法執行機関と緊密に協力している」

しかし、2020年10月17日、同じブロックが身元不明の武装集団によって再び襲撃された。この事件では怪我人は出なかった。しかし、地元の人々は、武装強盗がキャンプの安全と安心を脅かし続けることに恐れをなしている。「このブロックでは昨年から暴力的な強盗が立て続けに起きているので、UNHCRによる緊急の保護が必要です」とキャンプ1ブロック4に6年間住んでいる37歳のデンディールは言う。

家族や地域社会をトラウマに陥れた8月25日の強盗について、3か月たっても逮捕者は確認されていない。

インタビューの中で、被害者の家族は、ケニアの法廷に問題を提出できないことを含む法的保護の欠如について話し、カクマ警察は、難民が身元不明の加害者によって略奪されたり殺されたりした状況にあるにもかかわらず、被害者の訴訟を裁判所に提出することを拒否していると述べた 。

「私たちには保護も選択肢もありません。警察は、誰が息子を殺したかわからないという私たちの陳述を記録することさえ拒否してるんです」と 犠牲者の近親者がKANEREに話した。

カクマ警察に連絡しようと何度も電話をかけたが応答がなく、この記事を公開する時点で連絡はついていない


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