Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2020年4月号 大火災、安全な避難所が地獄に

2020年07月29日 | 人道支援
KANEREスタッフ

2020年1月2日午後5時半頃、イエズス会難民サービス(JRS)の安全な避難所で大きな火災が発生し、カクマ1ゾーン1 ブロック8にある建物が深刻な被害を受けた。

JRSは1994年から、カクマの難民に主に教育と心理社会面の支援をしている。JRSのプロジェクトは、やむを得ない理由で避難してきて長期間難民キャンプで暮らし、大きな試練に直面している人たちを対象にしている。

現在JRSは、教育、メンタルヘルス、カウンセリングおよび保護を目的とするプログラムを提供している。また、カクマ内の様々な施設でマッサージやリフレクソロジーなどの癒し系サービスも展開している。

2000年以降は、性とジェンダーに基づく暴力(SGBV)の被害に遭っている女性や子供たちに保護シェルターとして避難所を提供し運営している。この施設では、食事と安全安心な宿泊場所を提供し、基本的なメンタルサポートとともに心理カウンセリングや幼稚園教師の教育など能力を強化するような活動も行っている。

当センターの周辺に住む人々によると、この安全な避難所で火災が発生したのはこれが初めてではないという。KANEREはこの火災について地元住民から話を聞くため、センター近くに住む人々にインタビューした。


【写真】大きな火事になったJRS安全避難所 撮影:KANERE

「電気関係に問題が起きたのが原因だと聞いた。ブロック8,9,10の住人が消火に駆けつけたのを見た。なぜ毎年こういう火事が起きるのだろう」
――ブロック9の住人

「わからないけど、これには厳しい調査が必要だ。年度末になるといつも火事が起きるような気がする」
――ブロック10の住人

「本当の原因は知らない。大きな火事で怖かったということだけしかわからない」
――ブロック10の住人

「なんだか陰謀のような気がする。いつも同じ時期に起きるから意図的なものではないか」――ブロック9の住人

火事が安全な避難所の周囲にまで燃え広がるのではないかと怖かったという人たちもいた。
「今は風の強い時期なので、火事がブロック9, 10と8にまで広がる可能性もあった。こんなにすごい火事はカクマ1全体に損害を与える可能性がある」
-ブロック8の住人

「2018年11月にも火事があったのを覚えている。このときの原因もまだ調査中だというのに」
――センターのスタッフの一人


【写真】JRSは教育、カウンセリング、保護サービスのプログラムを提供している 撮影:KANERE

「ここは保護区域だから、事件について何か言われり書かれたりするいわれはない」
――記者に情報開示をしたがらないセンターのスタッフ

「こういう火事がしょっちゅう起きるなら、センターは消火器などの機材を備えてほしい。そうすれば怖がらずにすむから」
――センターの近くに住んでいる人

「私たちには子供も老人も病人もいる。火事が手の付けられないほどになることを想像してほしい。こういうときは風が止んでくれればいいけれど!」
――センター付近の住人


【写真】JRSの火事を消そうと集まった付近の難民コミュニティの人たち 撮影:KANERE

JRSは他にも、メンタルヘルス・スキルトレーニングの提供、非公式な教育を提供するデイケアセンターの運営、特別支援を要する子供および発達障害や精神障害をもつ大人にレジャーの機会を提供するなど、多くの活動をしている。また、特別な支援を必要とする人々の家庭訪問や、子供たちへの奨学金支給など障害をもつ人たちへの関心を高める活動を行っている。




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