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カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年1月号 KANERE、UNHCRによる“権利とコミュニティに基づくアプローチ”一周年を祝う

2009年05月29日 | 人道支援
【写真】KANEREは難民の実情を見る「めがね」になる
我々難民には、難民生活に影響する意思決定に参加する権利があるだろうか? 答えはイエスだ! UNHCRによる権利とコミュニティに基づくアプローチは、我々が意思決定に参加し、我々の資格を要求する権利を保証している。昨年、UNHCRは新たなアプローチを実行するスタッフを支援するため、マニュアル本出版した。この1月、KANEREは、このマニュアル出版一周年を祝っている。
このマニュアル本『UNHCRのオペレーションにおけるコミュニティ・ベースのアプローチ』は、2008年1月に出版された。UNHCRのコミュニティサービス機能に関する2002年の評価をふまえて開発されたものだ。この中では、「有効なコミュニティ運営への多くの組織的障害」(P6)が強調されている。
権利とコミュニティに基づく難民キャンプへのアプローチ(R&CB)は、人道的な政策とプログラムを国際的な人権規範や原則に合わせるためのものである。マニュアルには、UNHCRは当事者と共に、また当事者のために働く際の姿勢を見直したとある。もはや難民は援助の受益者としてではなく、法的資格をもつ権利保有者とみなされる。
我々難民はまた、人道主義にもとづく組織から情報を得る権利を持つ。権利とコミュニティに基づくアプローチでは、当事者は彼らの生活に影響を及ぼす決定に参加する権利のみならず、「UNHCRとパートナースタッフからの情報提供や情報開示に対する権利を持つ」と、マニュアルは書いている(2008年版P5、イタリック体追加)。
政策の主たる考えは、UNHCRに関わる当事者(難民と庇護希望者)にUNHCRのあらゆる活動の中心となる権限を与えることにある。難民や庇護希望者として、我々は自分達の生活に影響を及ぼすあらゆる意思決定プロセスにかかわることになる。UNHCRマニュアル(2008年版、P16、イタリック体追加)から直接引用:
「組織において最も重要な役割の一つは、権利保有者が権利を主張できるように権利保有者をサポートすることである。これにより多くの関係機関は現在の方法を大きく変えなければならない。つまりサービスを提供し、貧しくて恵まれない人々のための政策提言的な仕事をするのではなく、『権利に基づくアプローチは、難民が本来の権利を要求できるよう、組織のサポートを求めるものである』……権利に基づくアプローチは、各機関が社会変化の幅広いプロセスをサポートすべく、共に働くことを求める」
R&CBアプローチは、UNHCR当局が難民に対して透明性と責任をもって仕事をしなければならないことを強調している。これは、「利害関係者へのタイムリーな情報提供と、利害関係者の評価を得るための手順、編成、プロセスの開始」を含む(2008年版P23)。
UNHCRは今や当事者を、受益者としてではなく、キャンプ活動全般で活発な役割を持つ平等のパートナーと考えるようになった。我々は当事者として、支援のニーズ評価からプログラム評価まで、プログラムサイクルのあらゆるステージで重要な役割を与えられている。
コミュニティに基づくアプローチは、UNHCRとNGOのプログラムサイクルのすべてのステージを通じて、当事者と協力して働く方法である。それは難民の回復力、能力、技術、資質を発揮させる。その政策は、難民が現に持っている力を土台に、保護と難民自身の目標が達成されるよう、努めるものである。
権利に基づくアプローチでは、変革の促進に難民もしっかり参加することと権利の拡大が保証される。同時に我々の基本的な権利の行使が可能になる。もちろん、「権利拡大」には二つの道がある――UNHCRが難民の参画に協力することはもちろんだが、難民もUNHCRやNGOがキャンプの現実をより深く理解し、我々の人権によりよく対応できるように協力することだ。
ところで、我々の中でどれほどの者が、権利を行使する準備ができているだろうか?
引用された資料
国連難民高等弁務官事務所著(2008年1月)『UNHCRのオペレーションにおけるコミュニティベースのアプローチ』(著者による出版)


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