殺人:エチオピア人コミュニティーで、酔った難民二人が千鳥足で我が家に帰ってきた。近所の人が助けに入らなければ、そのうちの一人が友人の足を切り落とすところだった。このような話は他にもある。
2010年2月26日金曜日の夜、後にE.B.と判明した酔っぱらいが、ふざけて自分の親友を殺害しそうになった。いつものように、二人はいっしょに出かけ、すっかり酔っぱらったが、何とか家まで帰ってきた。二人はすぐ近くに住んでいた。その一人J.N.は帰るなり、地べたに寝てしまった。大工だと言っているE.B.は仕事場に行き、道具を持ち出してきた。友人J.N.は地元ビールを飲んで有毒物質が体内に入ったため意識を失ったのだと考え、殺そうと決心したようだ。
大工は得意げに仕事場から出てきて、酔っぱらって地べたに寝ているJ.N.の体を、まっぷたつに切ると大声で宣言した。「俺はりっぱな大工だ。みんな、聞け。俺を非難するな。俺は彼の体をちょうど真ん中で切るからな」と言いながら、酔っぱらった友人の足を切断しようとした。道具を傍らに置き、巻き尺を準備し、どこを切るかを測り、印をつけ、横引きのこぎりを選び出し、恭しくジョンの右足を切り始めた。
大工がジョンを切り刻むつもりだと気づいた近所の人たちが助けに入った。隣人たちから寄せられた情報によると、この二人は友達でよく大酒を飲んでいたが、その夜、生々しいドラマが繰り広げられているのを見て驚愕したという。KANEREのインタビユーに、隣人は次のように答えている。「最初に物音を聞いた時には、いつもの事だと思い、しばらく放っておいた。でも、叫び声がだんだん大きくなるので外に出てみたら、本当に殺そうとしていた」
ジョンはカクマ難民キャンプ病院に運ばれ入院したが、大工の方はカクマ警察に連行され、監房に3日間留置された。大工にインタビユーをしようとしたが、警察指揮官(OCS)に拒否された。
この二人は17年以上も難民キャンプで暮らしているので、心的外傷を受けているのではないかと思われる。殺されそうになった本人には悲劇だが、見ていた人や後に話を聞いた人にとってはまさに喜劇だった。
〈妻への暴力と殺人未遂〉
同様の出来事がカクマ1グループ58Dでも起きた。酔っぱらった夫婦が殺し合いの喧嘩をした。夫Aは妻Nの額と肋骨に斧を打ち込んだと見られ、側頭部に大けがを負わせた。
隣人が二人を引き離し、ただちに女性を救助して、近くの地元警備隊に通報した。Aは警察に緊急逮捕された。NはIRCの救急車でカクマ難民病院に運ばれて入院し、出血死を免れた。彼女はその後、カクマ・ミッション病院の集中治療室に搬送された。医者の診断によると、額の大怪我の他に、肋骨を数本骨折していたという。2ヶ月間入院して退院、回復にむかっている。Aと妻は4月27日に法廷に行き訴えを起こし、Aは妻に懇願し許しを乞う羽目になった。
Nはロドワーの下級判事の前で、夫の罪を許すという、長く語り継がれることになる陳述をした。4月28日にキャンプに戻り、残りの問題はコミュニティーが解決した。二人は夫婦として通常の生活に戻っている。
〈家庭内暴力〉
泥酔による暴力沙汰が起きると、本来ならわからなかった暴力行為が表面化し、多くの難民命の危険にさらされていることがわかる。家庭内暴力とみられる事件が頻発し、無秩序な時代に突入している。 たとえば2010年2月6日朝9時にE.Nは悲惨な大けがを負った。
彼女は夫のワラルと殴り合いのけんかになり、ワラルはパンガ刀で妻の顔を頬骨がむき出しになるほど斬りつけ、彼女は危うく出血死しそうになった。14歳の娘の話では、彼は妻の動脈近くを切り裂いたこともあるという。娘は父親の狂気の沙汰を激しい口調で非難している。「父のふるまいはいやだ。私はこのキャンプで育ったが、父が楽しそうなところを一度も見たことがない」
E.Nは、耳をつんざくような悲鳴を聞きつけた隣人に救出され、意識を失ったままエクアトリアルの地元警備の助けを借りてカクマ難民病院に運ばれた。後にカクマ・ミッション病院に搬送され、2ヶ月間寝たきりだった。
妻が瀕死の状態だと聞いたワラルはナイフで首を切ったが死にきれず、警察に逮捕され裁判にかけられ、ロドワーに拘留された。エクアトリアルの副代表は「夫が引き起こした大けがにショックを受けている。ワラルは犯した罪のために牢に入れられたが、こんな滅茶苦茶な事件がなぜ起きたのか、理由はよくわからない」と言っている。隣人たちによると、この夫婦はたびたび喧嘩をしていて、友人や親戚も、そのうち誰かが怪我をして死ぬのではないかと恐れていたという。
2ヶ月後、エリザベスは退院したが、肉体的外傷のため目はよく見えない。「我が家のいつものごたごたのせいで、本当に痛い目に遭った。退院はしたが、頭痛はひどいし、目はよく見えない」
ワラルは拘留され、エリザベスは退院したが、彼らの争いの裏にどんな秘密があったかは判事でさえも知らない。しかしコミュニティーの住人の何人かによると、女性は離婚したがっていたという。ただしこのコミュニティーでは、離婚は絶対に許されないタブーとなっている。
2010年2月26日金曜日の夜、後にE.B.と判明した酔っぱらいが、ふざけて自分の親友を殺害しそうになった。いつものように、二人はいっしょに出かけ、すっかり酔っぱらったが、何とか家まで帰ってきた。二人はすぐ近くに住んでいた。その一人J.N.は帰るなり、地べたに寝てしまった。大工だと言っているE.B.は仕事場に行き、道具を持ち出してきた。友人J.N.は地元ビールを飲んで有毒物質が体内に入ったため意識を失ったのだと考え、殺そうと決心したようだ。
大工は得意げに仕事場から出てきて、酔っぱらって地べたに寝ているJ.N.の体を、まっぷたつに切ると大声で宣言した。「俺はりっぱな大工だ。みんな、聞け。俺を非難するな。俺は彼の体をちょうど真ん中で切るからな」と言いながら、酔っぱらった友人の足を切断しようとした。道具を傍らに置き、巻き尺を準備し、どこを切るかを測り、印をつけ、横引きのこぎりを選び出し、恭しくジョンの右足を切り始めた。
大工がジョンを切り刻むつもりだと気づいた近所の人たちが助けに入った。隣人たちから寄せられた情報によると、この二人は友達でよく大酒を飲んでいたが、その夜、生々しいドラマが繰り広げられているのを見て驚愕したという。KANEREのインタビユーに、隣人は次のように答えている。「最初に物音を聞いた時には、いつもの事だと思い、しばらく放っておいた。でも、叫び声がだんだん大きくなるので外に出てみたら、本当に殺そうとしていた」
ジョンはカクマ難民キャンプ病院に運ばれ入院したが、大工の方はカクマ警察に連行され、監房に3日間留置された。大工にインタビユーをしようとしたが、警察指揮官(OCS)に拒否された。
この二人は17年以上も難民キャンプで暮らしているので、心的外傷を受けているのではないかと思われる。殺されそうになった本人には悲劇だが、見ていた人や後に話を聞いた人にとってはまさに喜劇だった。
〈妻への暴力と殺人未遂〉
同様の出来事がカクマ1グループ58Dでも起きた。酔っぱらった夫婦が殺し合いの喧嘩をした。夫Aは妻Nの額と肋骨に斧を打ち込んだと見られ、側頭部に大けがを負わせた。
隣人が二人を引き離し、ただちに女性を救助して、近くの地元警備隊に通報した。Aは警察に緊急逮捕された。NはIRCの救急車でカクマ難民病院に運ばれて入院し、出血死を免れた。彼女はその後、カクマ・ミッション病院の集中治療室に搬送された。医者の診断によると、額の大怪我の他に、肋骨を数本骨折していたという。2ヶ月間入院して退院、回復にむかっている。Aと妻は4月27日に法廷に行き訴えを起こし、Aは妻に懇願し許しを乞う羽目になった。
Nはロドワーの下級判事の前で、夫の罪を許すという、長く語り継がれることになる陳述をした。4月28日にキャンプに戻り、残りの問題はコミュニティーが解決した。二人は夫婦として通常の生活に戻っている。
〈家庭内暴力〉
泥酔による暴力沙汰が起きると、本来ならわからなかった暴力行為が表面化し、多くの難民命の危険にさらされていることがわかる。家庭内暴力とみられる事件が頻発し、無秩序な時代に突入している。 たとえば2010年2月6日朝9時にE.Nは悲惨な大けがを負った。
彼女は夫のワラルと殴り合いのけんかになり、ワラルはパンガ刀で妻の顔を頬骨がむき出しになるほど斬りつけ、彼女は危うく出血死しそうになった。14歳の娘の話では、彼は妻の動脈近くを切り裂いたこともあるという。娘は父親の狂気の沙汰を激しい口調で非難している。「父のふるまいはいやだ。私はこのキャンプで育ったが、父が楽しそうなところを一度も見たことがない」
E.Nは、耳をつんざくような悲鳴を聞きつけた隣人に救出され、意識を失ったままエクアトリアルの地元警備の助けを借りてカクマ難民病院に運ばれた。後にカクマ・ミッション病院に搬送され、2ヶ月間寝たきりだった。
妻が瀕死の状態だと聞いたワラルはナイフで首を切ったが死にきれず、警察に逮捕され裁判にかけられ、ロドワーに拘留された。エクアトリアルの副代表は「夫が引き起こした大けがにショックを受けている。ワラルは犯した罪のために牢に入れられたが、こんな滅茶苦茶な事件がなぜ起きたのか、理由はよくわからない」と言っている。隣人たちによると、この夫婦はたびたび喧嘩をしていて、友人や親戚も、そのうち誰かが怪我をして死ぬのではないかと恐れていたという。
2ヶ月後、エリザベスは退院したが、肉体的外傷のため目はよく見えない。「我が家のいつものごたごたのせいで、本当に痛い目に遭った。退院はしたが、頭痛はひどいし、目はよく見えない」
ワラルは拘留され、エリザベスは退院したが、彼らの争いの裏にどんな秘密があったかは判事でさえも知らない。しかしコミュニティーの住人の何人かによると、女性は離婚したがっていたという。ただしこのコミュニティーでは、離婚は絶対に許されないタブーとなっている。
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