強烈な日射による干ばつは今年の初めから続いている。いつもなら2月から3月にかけて短い雨季となるが、今年は晴れ渡った空のもと、一滴の雨も降ることなく過ぎていった。気温は驚くほど高く、この地域に住む住民や家畜には見るからに負担だった。トゥルカナの遊牧民の暮らしは、主として家畜に頼っている。また、難民と同じように、人道支援の食料配給にも依存している。遊牧民は、山羊の生肉を引きずりながら長い道のりを移動して、難民コミュニティの配給食料と交換したり、食料として売ってお金を得たりしている。この生肉が、砂漠地帯で唯一得られる肉なので、山羊の肉は2500から4000Ksh($31-50)で売られている。トゥルカナの女性たちは炭を作って、WFPの配給食糧と交換している。
難民キャンプのある砂漠地帯の特徴と言えば、強い太陽光だ。雨の予報が出ることはまず無い。雨が降る時は、埃の嵐で始まり、その後、日射が強烈になる。雨はいつも突然降りだして、遊牧民の仕事の邪魔をする。タラク川は、カクマの近くで雨が降らなくても、防波堤を超えてくる。洪水も、干ばつと組み合わさって、カクマの地元住民に、家財の喪失や飢饉による死亡率の増加など、多くの困難をもたらす。
今年は4月28日になって初めて雨が降った。この日の激しい雨で、グレイトリフトバレーは洪水に見舞われた。カクマ川がロドワーで、また他の川がロキチョギオの手前で氾濫したために、幾つかの航空便が欠航し、ロドワ――ロキチョギオ間の交通手段が遮断された。山羊や羊の世話をしていたトゥルカナの少女が、カクマから約1kmのロティモ川の堤防から滑り落ちた。この雨で、数百の難民キャンプの仮の土塀が崩れた。「我々の壁は泥でできているので、最悪の状態だ。雨があと2日降り続いたら、すべての土塀と土でできた屋根は大きな被害を受けるだろう」 ゾーン2カクマ1のコミュニティリーダーのモハメド・ジュマはこう言った。UNHCRの住居担当者は、被害の評価をしているが、キャンプの住居で被災したものは修理が必要だと述べた。 「キャンプに新たな自主避難民が殺到してくるので、修理を出来るだけ早く終わらせるつもりだ」と 担当スタッフは言う。
一方、子供たちにとって、洪水は普段着のままで水の中で遊べる格好の機会になっている。しかし子供たちは汚れたごみの穴にすぐ落ち、健康を損ねる。キャンプのあちこちに、汚染水の水たまりがある。こういう水たまりは、長いこと澱んでいて、マラリアを媒介する蚊の格好の繁殖場となっている。レンガ作りに必要な土の採取によって、これらの水たまりが集まって大きな穴になっているところもある。薪の採集や炭焼き用の木の伐採を禁止されたキャンプの難民たちは、レンガ作りで生計を立てている。レンガ作りが配給以外の食べ物を買うための唯一の手段、という難民もいる。
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