Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2012年12月号 ルワンダ難民の配給カード失効

2013年04月28日 | 人権
難民は配給カードがあってこそ難民。しかし政府は「邪魔者は殺せ」と考えている。

国際社会やUNHCRは、政治的敵対勢力のリーダーを厳しく取り締まってきた現在のルワンダ政府からのメッセージに対し、真っ向から取り組むべきである。メッセージは冗長で、理にかなっていない文であり、自由を封じるいい加減な法である。1998年12月以前に祖国から逃れたルワンダ難民の保護を剥奪しようとするルワンダ政府の結論に警告を発しているアムネスティー・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human RIghts Watch)、 国境なき記者団( Reports Without Borders)などの報告も、考慮すべきである。

18年ほど前、ルワンダの大虐殺が起き、大勢が集団脱国した。多くの人がケニアに逃げ、1951年難民条約に従い、UNHCRによって難民と認定された。それが今になってUNHCRは、各国政府はこのグループの難民認定を取り消し、ルワンダに帰るよう促すべきだという勧告を出した。ケニアでは2013年6月30日に、難民のブランドとも言える「配給カード」が取り消されるという条項が有効となるはずで、今日まで生き延びてきた彼らにとって最悪の朝が迫っている。ソマリア人、ブルンジ人、スーダン人、エチオピア人、ジンバブエ人、タンザニア人、コンゴ人、ウガンダ人、イラク人や他の国々の難民に認められている、食料を貰うための「配給カード」が取り消されてしまう。

〈ルワンダ人から見た難民生活〉

カクマにいる多くのルワンダ人は、キャンプ生活を良しとせず、キャンプ滞在は祖国が念願の民主的で平和な国になるこまでの一時的な在ものと言ってきた。ところがUHHCRは弱腰で、難民のステータスを取り消せというルワンダの要求に屈服したようだ。

「我々は、ルワンダを混乱に貶めたひどい政冶から生き伸びてきたのだ。問題は、だれが権力を握っているかではなく、祖国に帰還するにしてもここに留まるにしても、我々が安全でいられるかどうかということなのだ。残念ながら我々は自分の運命を決めることができない。ルワンダ人に突きつけられた『難民の地位終了条項』は決定されてしまうだろう」と、ムツィンジ・エリアスは述べている。

彼らの発言を精査すると、彼らに対するUNHCRの保護が不充分だと指摘していることがわかる。過去に経験したような死、嘆き、危険などに再び遭わないように保護する姿勢が見られないというのだ。「UNHCRは、難民をボールのように弄ぶ国々と同調するのをやめるべきだ。我々に起きたことは数えきれない。我々を理解してほしい。女性達が白昼公然とレイプされ、両親や子供達が殺され、娘や息子が軍隊に入ることを強要され、彼らにはもう二度と会うことができない。我々は命を守るために全てを捨てて、やっとキャンプに辿り着いたのだ」と、50歳のルワンダ難民、シボマナ・アイマブルはKANEREのジャーリストに話した。

「人は死に至るし、その自然の摂理を変えることはできない。しかしルワンダでは人が人を殺す。自分の時代が来るまでに死を迎え、人々はただ傍観しているだけだ。我々の警告は受け入れられないが、死んでしまったら、穏やかにしかし強く警告した言葉ももう2度と口に出すことはできない。大量虐殺がルワンダで始まり、コンゴとの国境を渡った。おそらく指導者は最後の命令を下してその仕事を終えるのだろう”とJM・タールワンダは話している。

KANEREはカクマのルワン難民コミュニティーを訪れ、難民が難民認定を取り消される2013年6月30日を恐れ、トラウマになって暮らしていることを知った。「私は友人に頼んでいます。お願いだから、何もかもうまくいかないルワンダの政治家の陳謝など受け入れないでほしいと。ルワンダが難民の地位終了を行うまともな理由などありえません。動物は森が守ってくれます。しかし生きるために国を逃れてきたルワンダ人は、狩人に引き渡されるようなもnおです」と言うのは、ジーン・バラゴエだ。

「すべての難民は平等のはずだ。しかし、ある者は平等以上の扱いを受け、またある者は安全な第三国に逃れている。だが、このキャンプのルワンダ難民にとって、そういう話はタブーだ。この言葉を読んだ人は、ペンをとり、本に書いてくれ。次世代のために」と、 リー・ブジンゴは言っている。

ルワンダ難民の死亡が国内外で報告されている。これらの殺害の背後にルワンダ政府がいると、ルワンダ人達は言っている。国際機関は難民に、キガリ(ルワンダの首都)がイギリスでルワンダ難民に危害を与えようとしていると警告し、注意を呼びかけている。難民がこうしたレベルで安全でないのなら、祖国に戻されることはもっ危険なことは明白である。

〈ルワンダの国際的現状〉

IMFのレポートによると、ルワンダは8パーセントという素晴らしい経済成長をとげた。現在のキガリの象徴である清潔な高層ビルの中をドライブすることは外国人にとって魅力的だ。ルワンダを祖国としないほとんどの人が、この輝かしいガラスの壁面や新しく魅力的な道路を真に受けるだろう。

しかし、この国の人々は心の奥底に涙を隠している。外国人がしばしの滞在を楽しみ、分裂した種族を和解させ驚くほどの成長を成し遂げたリーダー達を称賛するとき、彼らはいつも心を痛めている。現在の政府は軍の力を使い、内部の自主的な知識人グループを抑圧し、大多数のルワンダ人は恐怖と自己否定により、慎ましい態度に甘んじている。リーダー達が自らの功績を讃えている時、一般市民は真実と敬意と自由に飢えているのだ。

現在、若い男性や女性、囚人や貧しい子供達は強制的に軍隊に入隊させられ、コンゴでM23軍をサポートするように強いられている。国際連合はこのことを明らかにしたが、ルワンダは、これまでと同様、関与を否定している。このキャンプでも既に、コンゴを揺るがし、物資金を略奪し、無実のコンゴ人を殺すための兵役から脱出してきた若者がいる。

〈国際社会へのアピール〉

ルワンダの苦闘を最初に世に知らしめたのは、何年も独裁政治に苦しんできたルワンダ人だ。難民はキャンプの生活がどんなにか苦しいものかをわきまえながらも、本国に帰還するのはいつが良いのか認識している。もしルワンダの政治的空気が根本的に変わっているなら、本国に強制的に戻す必要などない。ルワンダの問題を解決しようとするなら、外部がキガリに忠告し、教え、サポートして、政治的門戸を開かせ、人権を尊重しているか監視する方が良いのではないか。

人権活動家や反対派のリーダーに対するキガリの政治家の傲慢発言は、難民に恐怖を抱かせるだけでなく、この政府が難民にどんなことをしてきたかを思い起こさせる。それを癒すことをしてこなかった中での「難民の地位終了条項」は、1994年に大虐殺を止めるための軍隊を派遣しなかったのと同等の悪政である。



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