松ひとり言

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漢詩の大正天皇と和歌の乃木希典

2013年08月24日 09時46分21秒 | 日記
今月のはじめ、約2年振りにジュンク堂へ

吸い寄せられる様に行き、素晴らしい本に

出会いました、石川忠久著「漢詩人・大正天皇」

京都店の3階に漢詩関係のコーナーがありまして、

その棚の中で、私の来るのを待っていたかのような

熱い眼差しを感じました。そこにこの本があったのです

明治天皇と昭和天皇の間でひっそりと、在位もわずか15年

誠に申し訳ありませんが、印象に残っていなかった大正天皇

ところがこの本に接して、将に目からうろこが落ちました

なんと!48年の短い生涯の中、1367首の漢詩を残された

歴代の天皇さまの中では、群を抜いた数なのです

第二位が江戸初期の後光明天王で98首、

因みに三位は平安初期の嵯峨天皇で97首、

まして大正天皇は明治29年から大正6年までの

22年間で1367首、毎月5首から6首のペースなのです

その数ある中に、乃木希典の名前を見つけてびっくり

「乃木希典の花を惜しむ詞を読みて感有り」という題です

    草長び鶯啼いて日沈まんと欲す

    芳桜花下花を惜しむこと深し

    桜花再び発いて将軍死す

    詞裏長く留む千古の心


乃木希典の和歌「花を惜しむ」とは・・・・・

    色あせて梢にのこるそれならで

         散りし花こそ恋しかりけり   


大正天皇の皇后さま《貞明皇后》も天皇と同じ題の詩がある

因みに今私は、天皇、皇后の詩に乃木さんの和歌を入れた

構成吟を作譜中で完成すれば是非披露したいと思ってます