理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

息子が自閉症!?

2017-07-03 17:45:37 | 発達障害

息子が自閉症と診断されたのは3歳半のときでした。

 

いろんな意味で衝撃的で,すぐには認められませんでした。

それまで私が考えていた自閉症児は,他人に全く感心がなく,目が全く合わず,同じ言葉をただひたすら繰り返す,といったものだったからです。

これらは息子には当てはまりませんでした。

息子は人懐っこく,人をよく見る子だったので,なぜこの子が自閉症!?と専門家の診断を疑っていました。

 

保育園からは,絵本の読み聞かせを聞かない,集団遊びに参加しない,等,指摘されていましたが,それは本人がわかったうえで,やりたくないから参加しないだけのように見えました。

人の問いかけを無視することが多いのも,聞こえていないわけでも認識していないわけでもなく,わかったうえで興味がないことを切り捨てているようなところがありました。

だから,息子は自閉症ではなく,わがままで調子がよくて身勝手な子なのだと思っていました。癇癪をよく起こすのも,こだわりが強いのも個性だと思っていました。

 

でも言葉の遅れはいろいろ問題なので,言葉を伸ばすための療育を始めることにしました。

で,療育をやっていくうちに,息子の真にハードルに気付かされたのです。

 

・語彙が自然に増えない。

・言葉を覚えるのに,かなりの工夫がいる。

・発語は自分の要求ばかりで,こちらから始めた会話が続かない。

・過去の出来事について話ができない(だから保育園など,親のいないところで何があったかわからない)。

・育児でよく聞く「この子,どこでこんな言葉おぼえたのかしら?」がない。

・育児でよく聞く「子どもが話せるようになると,すっごく楽」がない。

 

一時期は,この子とは一生会話ができないかも……とまで絶望しましたが,療育が功を奏したのか,今は楽しく話ができるし,学校であったことも教えてくれます。

でも,日本語はたどたどしく不自然で,隠喩(たとえ)が理解できないなど,問題はまだまだあります。

 

息子が理解できなかった隠喩の例

 カップ麺の蓋に書いてあった川柳

「ふたをして ストップウォッチとにらめっこ」

息子:なんでストップウォッチとにらめっこをしなければならないの!?

 

最初はうちの子が自閉症!?って疑っていましたが,間違っていたのは診断ではなく私の認識で,今では息子はつくづくアスペルガーだな〜って思います。

 

 

 

 

 

 

 

 


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消えた”こだわり”

2017-07-03 15:13:45 | 発達障害

息子には特定の物や場所,やり方に対するこだわりが小さい頃からいろいろとありました。

 

例えば緑色(1歳6カ月〜)。

最初はカラーの積み木の中から緑のものだけを選んで遊ぶので,緑色が好きなのかな〜くらいにしか受け止めていませんでしたが,次第に保育園のおもちゃなどで緑色のものをほかのお友達に取られるとパニックになる,といったトラブルが出てきました。

 

ほかの例とそれが表れた年齢をあげると,

・飛行機のおもちゃを空港に駐機している飛行機のようにきっちり並べる。少しでもずれると激怒(3歳3カ月〜)

・保育園にて座面がすのこ状になった隙間のある椅子を嫌がる(4歳4カ月〜)

・保育園での水道の位置(4歳4カ月〜)

・冷蔵庫の卵入れに卵が10個全部そろってないと怒る(4歳8カ月〜)

・折り紙を折った時に端がきっちりそろわないと激怒(4歳8カ月〜)

・書いた線がはみ出るのを嫌う(4歳8カ月〜),

・母の作るレゴが見本と違うと怒る(4歳8カ月〜)

 

等々。

 

いろいろなこだわりが次々と表れ,そのときはいつまで続くんだろうと不安に思いましたが,結論から言うと,全部,自然と消えました。

特に無理やり矯正したり,禁止したりするようなことはなく,家では本人の気がすむようにさせていました。保育園では先生が配慮してくれて,ほかの子には適当にうまく説明してくれたようです。

なので,家としては特に何かするわけでもなく,じっと辛抱強く見守っていたら,いずれもなくなりました

 

ただ1点,工夫が必要だったのが飛行機のおもちゃならべ。

 

ほかの自閉症のお子さんだと,車のおもちゃを一直線に並べるといったこだわりがある子もいるみたいですが,我が子の場合は飛行機でした。

息子は生後間もない頃から私の仕事の都合で頻繁に飛行機に乗っていたのと,空港が家から近く,よく飛行機を見に空港に遊びに行っていたので,空港の様子をよく観察して再現しているのだと最初は感心していました。

し,か,し,テーブルでも部屋の出入り口でもどこでも空港に見立てて飛行機を並べ,少しでも動かそうものなら激怒してパニックになるので,生活に支障が出まくりです。

 

この異常なこだわりについては,保育園の先生や親から,飛行機を見せすぎたせいで,これ以上空港に行くな,飛行機グッズを与えるな,などと散々非難されました(いろんな相談所で相談しましたが,これらの意見は否定されています)。

 

私としては,空港の様子を忠実に再現したいという息子の気持ちも汲んであげたかったので,別の場所を用意して,そこで遊べるよう誘導してみました。

 

例えばgoogleの地図で空港の航空写真を印刷して段ボールに貼ったもの。邪魔な時は段ボールごと移動します。

 

 

空港のイラストを空き缶に貼ったもの。マグネット式の飛行機なら移動してもずれにくい。

 

これはスチレンボードで作った模型。そのまま戸棚にしまえます。父の力作。

 

 

こうやって定位置を用意してあげることで,テーブルや通路に飛行機を並べることはなくなりました。

でも,やがてはこの強いこだわりもなくなり,新居に引っ越した後(4歳5カ月)には手製の空港を出すことすらなくなりました。

 

こだわりが消えた理由はわかりません。満足あるいは納得したのか,ほかのことに興味が移ってどうでもよくなったのか。

 

いずれにせよ,小学校に入った頃には目立ったこだわりはすべてなくなりました。

8歳の今も緑色は好きですが,こだわりというほどではなく,洋服などを選ぶ際には緑以外の色も自分から選択します。


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