小6の現在,息子の得意科目は算数です。
特別支援級に在籍しながら普通級の授業を受け始めた科目も,体育についで算数でした(2年生〜)。
アスペルガータイプは算数が得意な子が多いので,息子も最初から算数が得意だったと思われる方もいるかもしれません。
ですが,そうではありませんでした。今回は,まったく数に関心を示さなかった息子が,算数が得意になるまでの経過について紹介したいと思います。
数の概念は普通,何歳くらいからできてくるのでしょう? はっきりはわかりませんが,遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表には「数の概念がわかる(3まで)」が3歳6カ月に位置付けられています。
一緒に(というか母が一方的に)数を数えたり,というようなことは物心ついたころからずっとしていたのですが,ほぼ無反応でした。数についてちゃんと教え始めたのは4歳2カ月ごろ,自閉症の診断を受けてから(3歳9カ月)しばらくたってからのことです。
ここで整理をしておきますと,ただ数といっても,数量としての数の概念と文字としての数字の認識は別物なので,まずは数量としての概念を覚えてもらうことを目標にしました。
このころはコミュニケーションもままならなかったので,こちらから授業形式で数について教えるというのは困難でした。
しかし,そんな息子でも,こっちにまっすぐと向き合ってくることがありました。
それは,自分の要求を通したい──自分の食べたいものを食べたいと訴えてくるときです。
卵を焼いてほしい,袋に入ったお菓子を食べたい,そんなときこそチャンスです。訴えられたら「何個ほしいの? 1個ね」,と数をはっきりと強調して伝えるようにしました。
ここで気をつけたのは,最初に1という数量をしっかり定着させることです。
たくさんほしがられても,渡すのは1個だけ。さらに欲しがったらまた1個を渡すというのを繰り返しました。
また,息子が関心のあることがらについては,こちらからも「1個とって」などと,1単位で指示を出したりしてみました。
1という数量を理解するのにどれくらいかかったか,正確な記録がなく,すみません。ただ何週間とはかからなかったと記憶しています。
1がしっかりと定着した時点で2を教えました。「何個ほしいの? 1個,2個ね」といった感じで,ほしがるものを数えながら渡しました。こうして2が定着したら3を,といった具合に,各数量の概念が定着したら1つ大きい数に移行していきました。
数を数えることになれてきたらしめたもの。
ipadのアプリには数量を数える知育アプリがたくさんあるので,いろいろ与えてみました。「みんなで数をかぞえよう 123 - 数えることを学ぶ」や,「Counting with the Very Hungry Caterpillar」(はらぺこあおむしの数えるアプリ,今は利用できないようです),「かぞえる〜る」(こちらも残念ながら今はないようです)を喜んでやっていました。
また,数量理解と並行して,数字を覚えるのにもやはりipadアプリを使いました。息子が一番気に入っていたのは,数字の形の道に沿って列車など乗り物を走らせる「モジルート」ですが,それ以外にも点つなぎ系のアプリも気に入っていました。また,写真に隠れた数字を探す「数さがし」も親子で楽しめてよかったです。
こうして数を教え始めてから4カ月後には,10までの数が数えられるようになっていました。
数をおぼえてから算数が得意になるまでにつづく