アジャイルでは要求の優先順位付けが不可欠です。
前提として、アジャイルでは要求を全量デリバリーしません。
限られた時間と予算の中で、求められる品質レベルの成果物をデリバリーする訳ですから、スコープが割を食うことになります。
スコープ調整するためには、要求の優先順位が明確でなくてはなりません。
判断力のあるプロダクト・オーナーの存在は欠かせませんが、的確な判断を促すプロダクト・バックログの洗練化も必須です。
要求は分解することで重要度が明確になります。
例えば、ボールペンで考えてみます。何かを記すために、ボールペンが必要としましょう。ボールペンがいるかいらないかのレベルの話では先に進みません。もっと詳細化します。ボールペンをインク芯、筒、キャップに分解してみます。記すためにインクは必要不可欠ですよね(Must have)。筒もインク芯を保護する役割、そして使い勝手を考えると必要でしょう(Should have)。キャップはどうでしょうか?キャップはあればよい(Could have)ではないでしゅうか。
もう一つ。
物を運ぶのに車両がいるとしましょう。車両がいるかいらないかのレベルでは必要としか言えません。分解します。エンジン、タイヤ、ハンドル、ドア、窓、ワイパー・・・・。もし工場の中だけで使う車両であればワイパーはいらないですよね(Won’t have)。ドアや窓もあればよいくらいでしょうか(Could have)。
要求も分解することで重要度に濃淡がでてきます。細分化することで優先順位付けが進みます。
バックログ項目の優先付けに迷うときは、更に細分化できないか検討してみてください。細分化することで、実装しやすいサイズになるだけでなく、優先順位付けも容易になります。
スコープで調整をするクセをつけるには、スコープよりも強力な基準が必要です。アジャイルでは時間です。
時間が基準です。時間軸で、あらゆる事を決めます。時間が王様です。
速やかにデリバリーして、不足があれば、後から補完できます。でも、時間をかけすぎて、後からスコープを盛りすぎた事に気がついても、失われた時間は戻ってきません。
あらかじめリリースタイミングを決めておき、届ける量は調整していく。
時間で予定を立てて、時間で実行していく。
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