「てっちゃんは、青が好きなの?」
何度か、店で会っているうちに、店員さんに言われた事を思い出した。
哲也は、店員さんに言われたように声をかけてみた。
「いつも白のYシャツだけど、白が好きなの?」
哲也は、青色が好きな事を話したあとに、聞いてみた。
いつも白のYシャツにジーンズ、スニーカー姿だった。
「そうかもね、ほとんど白いYシャツしか持ってないかも」
彼女は哲也に返答してきた。
何でも、仕事でいつも派手な服を着ているから、
プライベートでは真っ白な部屋で、白い服を着てると言っていた。
まだ、店員とお客であったので、お互いのことを深く知る必要もなかった。
派手な服を着てるなら、ホステスかなんかだろうと思っていた。
顔を見合わせることは、ほとんどなくて、声ばかりであった。
ふと顔を見合わせると、綺麗な人で、笑顔で瞳が輝いていた。
「ねえ、私だけの物、作ってくれない?」
彼女は哲也に言った。
「いいですけど、僕でいいですか?」
「うん、君のデザインでいいよ」
頬笑みを浮かべながら、彼女は哲也に言った。