「迷い色」
声・喧嘩・闇・痛みの心のドアは重たかった。あがらう(崇める)事だけ信じてた。
事実・真実・現実、誰?俺?何故? 強い!こんなヤツはじめてだ。強い!こんなヤツはじめてだ。
でも・・・前しか見えない。でも、後ずさり。
これでもか、これでもか、これでもか、もう僕のからだはよく分からない。
服もからだもボロボロ、顔なんて、まるで別人。
何かに、流されそうになったんだ。
傷だらけのエンジェル。間もないエンジェル。心ないエンジェル。
ゆっくり瞬きをして、ゆっくり頭を上げて。
「でも、やったよ」青空が支えてくれてるね。
エンジェルの瞳に映る目の前の風景は、空色ではなく、まるでミルク色のような朝でした。
彼らも血だらけの体で立ち上がりました。木霊のように犬も吠えています。
まさに蜘蛛の子を散らすという感じで・・・彼らも必死に逃げ回っています。
でも、僕も彼らも、ミルク色の闇の中に、迷子になったのです。
あっちの道、こっちの道、逃げて、叫んで、悶えながら。
走れ、走れ、走れ、何もいらない、ただ走れ!
迷宮の先に何かがあると信じて、走れ、走れ、ただ走れ!
「出会い色」
緑が満ち溢れています。ゆったりと優しく、ほんのりと暖かく。見つけた。
心のスポンジにしみこんでゆく。ジュッと、ギュッと、ぬくもりに包まれていく。
ここは、みどり色の世界・・・。緑の色彩が、あたたかく体に触れる。
みどりの中に、わたしたち、あなたが見える。ふれあう笛の音が聞こえる。
少しずつ歩いていく。少しずつ、少しずつ、そっと静かな足音で。
メトロノーム、カチ、カチ、カチ。
静かなオルゴール、静かなリズムで、カノン、カノン、カノン。
そんなとき、鳩時計が鳴りました。もう時間だよ。
「だれ、だれなの?」まるで絹ずれ。手招きにゆれる。
色彩の中の風は、サラサラと通り過ぎ、ユラユラと絶え間なく。
近づく、近づく、近づく・・・近づきたい。やっと見つけたよ。
「ちっちゃいな」~「ちっちゃいね」
心のドアって ちっちゃいね。わたしたちの心って。
「ねぇ、まだあるよ」開いていない心のドア。心を開こう、ドアをあけて。
「別れ色」
いつもの森の中で、二人は肩を寄せ合いながら歩いていた。
「ねぇ、風の色、みたことある?」
「ないよ」
「ねぇ、光の声、聞いたことある?」
「ないよ」
「ねぇ・・・」
ミルク色の影が近づいてくる。ゆっくり、ゆっくり、溶け込んでくる。
「約束ね」
光透波(ことば)は空に浮かんだまま、白い闇に包まれていく。
ミルク色の雨は重たい。いったい何日ふりつづいているのだろう。どのくらい時がたっただろう。いつ頃、姿を見失ったのだろう。
分からない・・・思いたくない・・・知りたくない。もう忘れたい。
ドアのカギはかかっていません。でも、もう決して開くことはありません。
どんなに呼んでも・・・どんなに叫んでも・・・どんなに叩いても・・・。
心のドアは壊れてしまいました。冷たく閉ざされてしまいました。残ったのは 心のぬけがらとそして…。
「わかって。二人きりで、あの優しい色の世界で本当にわかりあいたかったの。だって…ごめんなさい、あなたを迷わせてしまって」
だんだんミルク色の雨が、重たい灰色に煙ってきました。
まるで人ごみの歩道にみたいだった・・・穴が開いた心に詰め込みたい。
忘れた色を思い出したい。でも、忘れたい。
そして塗るんだ。その色で塗るんだ。世界中を塗るんだ。
僕だけの見える色の世界に、染めてしまえ。
「素直な色」
太陽はサンサンと笑っています。ボクたちは両手を広げ、笑っている。
目の前に大きな雲が流れている。流されてはいけない。流されてはいけないのかもしれない。
雲はボクたちに語りかけてくる。 語り、語られ、語る。そして、心に伝える。
振り向きざまに光る道を見つけた。たくさんの色を持っている。
キミ達の色と似ているね。
いつも同じ道で、チラ、シュー、ドン、キャッチボールみたいにかえってくる。
暖かいな。緑色? 無色透明?一度消えてしまった色だけど。いつでも創れる色なんだ。
ここには、もっといろんな色が 重なって生まれていました。
「はじめまして」リズムに合わせて、さあ、ワルツを踊りましょう。
ステキなステップ、手と手をつなぎ、足をそろえて、踊って、踊って、踊りましょう。
笑い声は一つになって空のかなたに飛んでゆく。
その時、ドアがノックされました。あのミルク色に煙る雨、灰色の雨は、とても重く冷たかった。
どんなに、もがいても、何もつかめなかった。
でも、ボクの頭の上に透明な傘が、うっすらと虹が見えました。
そろそろ、新しい心のドアが、開こうとしています。
「永遠の色」
あのころのぬくもり。目の前で真っ白な光を放っている。
それは、決して交わることのない。やさしい色で・・・あたたかい色で。
その中で、わたしの色を見つけました。その中で わたしの心を見つけました。
そして今、七色の光がささやく、黄金色に輝く心のドアを見つけました。
その向こうには誰かがいる?君?君がノックしている。トントントン。
さぁ、思い切って開こう。今こそ、勇気をだして。はじめの一歩、踏み出して。
さぁ、今こそ、心のドアを開けるときです。
そして色は一つになる。色彩豊かな心の色は一つになる。君と僕の心の色が一つになる。
光、広い大地を照らして。心、狭い世界を照らして。
あなたの輝き、飛んでゆく、富んでゆく、からだいっぱい、いっぱいにして。
包まれて・・・ふたり、いつまでも、一緒にいて、そばにいて、寄りそおう。
そして「おめでとう」心(しあわせ)永遠であれ!
二人の心(しあわせ)、君たちの心、永遠であれ。
人の心ってわかりずらいと思います。でも心は単純で何かを感じている。でもそれが気づけないのが人間なのかもしれませんね。
でも、いつかきっと、気づく時があると信じています。
それは大切な人で出逢えるまで僕らの冒険はドラマ化して、きっと出逢えると信じたい。
きっと生きてさえいれば大切な人が見つかると信じて。
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