(写真)暴動のようす
正体不明の者達がカイロの防衛省の近くでエジプト与党の将軍に対して抗議運動をしていた少なくとも11人を殺したと政府筋が伝えました。
襲撃者は夜明けに石や棒や散弾銃や火炎瓶を使って攻撃しました。デモ隊は彼らの何人かを報復攻撃しました。
今、兵士や警察が衝突を止めに入っていますが、その介入は襲撃が始まった後約6時間後に行われました。
二人のイスラム教徒の大統領選の主要な候補者が、政府のデモの扱いに抗議して選挙運動を中止しました。
無所属のフォトゥフ氏とムスリム同胞自由と公平党(FJP)のムルシ氏は犠牲者を弔いたいと言いました。
更に議会で議席の70%を占めているFJPとサラフィスト・ノウル党は与党の軍最高評議会(Scaf)との会合をボイコットすることを決めました。
水曜日の衝突で100人近くが怪我をしてアッバシア地方の現場のクリニックで治療を受けています。
抗議者の多くは、大統領選に立候補することが禁じられたサラフィストの僧の支持者でした。
イスマイル氏は、母親がエジプトと米国の二重国籍を持っていることでムバラク大統領打倒後に承認された憲法に違反するとして立候補資格をはく奪されました。
イスマイル氏は、軍当局による策略の犠牲者だと訴えましたが、選挙委員会は証拠がないと言いました。
カイロの記者は、アッバシアのイスマイル氏の支持者達を攻撃した男達は土曜日に始まったデモ隊の座り込みを解除するために政府に雇われたという強い疑いがあると言っています。
襲撃者達は、今、現場にこれ以上のデモ隊が到着しないように検問所を設けていると記者は言います。
その場に先に配置された兵士や警官は衝突を止めるために介入せず、日曜日の午前中に同じような攻撃で1人が殺された時も何も介入しませんでした。
2011年2月に軍最高評議会(Scaf)がムバラク大統領の権限を引き継いで以来Scafに対する抵抗が強まっています。
評議会は、デモ参加者を殺したり、批判者を拘束したり、反政府運動を導いた若者や市民のグループの力を弱めようとしているとして非難されています。
軍指導者は、彼らの言うところの自由で公平な大統領選の後の6月末までに市民による政府に権力を移譲すると約束しています。
1回目の選挙は5月23日と24日に予定されています。トップ二人の決勝投票は6月16日と17日に予定されています。
アボゥル・フォトゥフ氏とムルシ氏とアラブ同盟の前指導者アムル・モウサ氏の間で僅差の選挙戦になるようです。
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エジプトはいまだに政情が安定していないようです。ムバラク独裁政権を倒した源だった若者達は政界で大きな力を発揮することができず、矛盾のエネルギーが爆発しているのかもしれません。もし、11人を殺した者たちが軍最高評議会の回し者だったとしたら再び暴動が起こるかもしれません。この国に真の民主主義政府ができるにはまだまだ道のりが長いようですね。