遠(かなた)の世界

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華流ドラマ「鶴唳華亭かくれいかてい〜Legend of Love〜」 外伝「別雲間」感想(ネタバレあり)

2023-09-04 15:32:34 | ドラマ感想

 

<その1>

 宮廷の陰謀に巻き込まれ、なかなか結ばれない男女の話だが、ロミオとジュリエットでもなし、

後宮の女同士のドロドロの戦いでもなし、運命のすれ違いの連続、

皇太子(三男)と父皇帝との確執、父皇帝の長男への偏愛とでもいいましょうか。

 主人公は皇太子・蕭定権(ショウテイケン)と、お妃候補だった陸文昔(リクブンセキ)なのだが、

ふたりはなかなか結ばれない。

➀惹かれあってるのだが、皇太子の師範が推薦していた縁談だったというだけで

屏風越しにしか会ったことがないので、互いの顔が分からない。(もどかしい〜〜)

➁父皇帝は皇太子が15年も師事した師範を慕っているのが面白くない。

③父皇帝の信用を得ようとして、毎回【涙目で頑張る皇太子の蕭定権】なのだが、

苦労は全て裏目に出て父皇帝から褒めてもらえない。

(褒めてもらえないことによるファザコンそれとも、もはや、父VS息子?)

④陸文昔の父と兄は、謀反を企んだ李伯舟の三族?と間違われて投獄、と思われたが、

死刑囚の陸英と息子を憎む朝臣の張の目論見だったことが後に判明。

 皇太子は婚礼の恩赦によって彼らを救おうと張念之(チョウネンシ)を妃にしてしまう。

 しかし恩赦にならず、父と兄を救うため宮廷に別人として潜入した陸文昔は、皮肉にも

皇太子の婚儀の席で酒を注ぐ役目になったり、辛い思いをしたというのに、

 次第に妃の張念之に気に入られる。

  心優しい張念之は皇太子の子を懐妊するが、

 悪事を企む者の手によって趙貴妃きひの誕生祝いの席で毒殺されてしまう。

 陸文昔は犯人の疑いをかけられて窮地に追い込まれる。

➄父皇帝が長男とその母親(趙貴妃)を偏愛している→皇太子妃の張念之を亡き者にしたと思われている

貴妃の罪をもみ消すために女性最高位の皇后に昇格させる。

 それは、皇太子蕭定権にとって亡き母親の地位を奪われるという一番つらいことだった。

監禁された寺から皇后即位祝いの花火を見て、文昔の膝の上で涙にむせぶ皇太子。

★ああ、イライラ〜★

 一体なんなの、父皇帝は一体、皇太子が何をしたっていうの!

 どうして皇太子にばかり辛くあたるの!?

 ただいま37話。全60話+外伝10話。

 外伝では、本当の黒幕が明らかになるのか?

 ……と思っていたら38話、「このおなごは私のもの」発言で、意外な方向へ好転。

 さて、この後どうなるか

********************************

<その2>

 文昔は父と兄を救うため、宮廷に潜入するが二人は処刑され、誤解されたり嫉妬されたりで

何度、杖罰(杖で打つ)や首締められそうになったことか。

「お前は何者だ」と、皇太子から詰め寄られても、絶対に口を割らない強情ヒロイン文昔。

 正体が分からないけれど、文昔に惹かれていく皇太子の態度はバラバラ。

監禁先の寺でヒマつぶしに雀捕りごっこしたり。

 やっとキスできたのは毛虫のおかげ(笑)

 後半、文昔に甘えるようになった皇太子を、筆者は「冬彦さん皇太子」と呼ぶことにした。

 ←だって、文昔にミカンの皮むいてもらうんだもん。(冬彦さんはブドウ)

 ようやく文昔の正体を分かった? 冬彦皇太子を待つものはパパ皇帝の、文

昔の父と兄の処刑問題の審議だ。どうなるのかな?

**************************************************

<その3>

「鶴唳華亭かくれいかてい 〜Legend of Love〜」外伝「別雲間」感想

 最初からショッキングな皇太子任命式だったんですが、やっぱり難しかった 

 内容もセリフも。仏教用語と考えが混じっていた。

 演出が凝っていて回想シーン多数。

(実はあの時、続きがあって、こうだったというパターン)

 主人公の皇太子(絵に描いたようなルオ・ジン)が母親を亡くして危うげな感じだったので、

リーちゃんと無事に結ばれるのかな?と見ていた。

  次々と事件が起こる度に朝臣が黒幕と判り、処刑されていく。

 パパ皇帝と皇太子の確執+兄の陰謀が半端でなく、どうやら親の代まで遡った確執がある様子。

 前の代の皇太子妃が、流産した経緯がいまひとつよく理解できていない。

(おそらく自害した夫を発見?)(許昌平の回想にある)

 BS放送分しか見ていないのでカットされた可能性あり。

 本編60話は長々として、ようやくパパ皇帝と皇太子が打ち解け、兄を追放できて、

リーちゃんと結ばれたと思ったら、外伝として後10話が続いて放映された。

(本編だけなら父息子が打ち解け、リーちゃんとも結ばれて、HappyEndで終われたのに……。)

 外伝の方が長い本編より高く評価されただけあって内容が濃すぎる10話。見応えありすぎました。

本編から三年という月日が過ぎ、後宮の隅の屋敷に放っておかれた文昔。

 ある夕暮れ、突然、皇太子が来て、ようやく結ばれる夕陽の中のシーンは美しい。

 ところが、皇后が急死。

 急に態度を変えて牙をむき出した(不満、爆発?)今までリーちゃんに陰ながら味方をしていた

 五番目の趙王、蕭定楷(しょうていかい)。

 文昔にはっきり振られたせいか、真っ白な顔になり、企みに失敗して刑罰を言い渡されてからの顔が

不気味にさえ思えた。結局、彼も皇帝家に生まれたが故の苦しみに喘いでいたのだろう。

 母親(趙皇后)まで殺したのは「無間地獄」【無限ではない】という絶対に生まれ変われない運命から

解脱させるためだと言い切る。(つまり助けてやったと)

  長州で亡くなった伯父の顧思林の遺体を引き取るため、当地へ旅立つ皇太子の馬上の姿は颯爽としていた。

  なのに、最終回の一歩手前で顧報恩の謀反発覚でショック大きすぎて……。

  油断していたわぁ~

 この手の華流ドラマが平穏にHappy Endになるわけなかったんだ。

 せっかく爽やかにお別れした「許昌平」が生きていたとは!

 そして、幼なじみの顧報恩が父を亡くしたショックで謀反を起こすとは!!

 筆者は「戦う男好き」っていう看板を下ろさなきゃならない。

【終わってから感じた疑問】

 どうして皇太子は自ら死を選んだか?

<推測>

 蕭(しょう)家と顧(こ)家の確執に挟まれて、戦になってしまい無辜の民を死なせ、

報恩まで亡くし、皇族としての人生に疲れた。……でしょうか?

 切ないですが、こういう終わり方の方が作品としては印象に残ります。

(オマケ)

 前半に出演していた朝臣役の李伯舟(りはくしゅう)さんが、

「九州縹渺録」の「雷碧城さん」と分かり、「アラッ」!

★漢字、その他に間違いあればすみません。

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「上陽賦〜運命の王妃〜」BS NHKプレミアム最終回近し

2023-06-18 10:53:32 | ドラマ感想
「上陽賦〜運命の王妃〜」
日曜9時、nhk,BSプレミアム最終回近し。
 
 
 
 
 何不自由ない皇族(上流階級)に生まれ、
政略により貧しい出自の夫に嫁いだことにより、民の苦しみ、
誠の思いやりを知っていく主人公の王ケン。
**************
 また肉親たちが欲望をむき出しにした政略抗争の中で、
次々に命を失う場を目の当たりにし、自らも命の危機にさらされるが……。
 夫の豫章王は、寒門(貧民)の出自で幼く
して肉親を失った経験から戦死した部下を弔い、遺族の面倒までみる。
それに同意して従う王ケン。
 遺された者の面倒をみる主人公の姿は、
嫁ぐ以前より気高く見える。
***************
 流された血は少なくないが、夫婦と祖国愛と博愛を高らかに
歌い上げたドラマ。
 
 
 
ロングバージョンの主題曲。
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華流ドラマ「大明皇妃」あらすじと感想

2022-03-12 11:47:00 | ドラマ感想

鑑賞するには、明の初期の歴史を少し学んだ方が
よく分かると思われる。
私はかつてチャン・ツィイーのファンで大作映画は
よく鑑賞したが、ドラマは初めてだ。

韓流ドラマもちゃんと全話鑑賞したのは
かなり以前の「チャングムの誓い」だけ。
韓流と華龍では、また異なる。
同じ華流でも、あまあまラブストーリーは敬遠。
「戦い」のあるドラマが好きなので。
(戦争賛成派では、決してない)

★「大明皇妃」は、明王朝で随一の猛将と言われた
 第三代永楽帝が、実の甥である建文帝(けんぶんてい)の
 正当な皇帝位を簒奪したことから始まる。
 建文帝もまた、複数の伯父や叔父を取りつぶしていたのだから
 身内の皇帝位争いから、ことは始まるのだ。

 攻められた建文帝は僧侶に化けて逃げ延びた説があるのだから
 物語は作られやすい。

 



★主人公の孫若微(そんじゃくび)と、妹の(萬いん=後の胡善祥)は、
 政府高官だった父を持ち、両親を目の前で殺され生き別れになる。

 姉の若微は父の部下に連れられて逃げ延び、十年間、
 武術や学問を仲間と学ぶ。
 妹のまんいんは、宮廷の高位の女官の元で体罰を受けながら育つ。
 宮廷内の生活しか知らない。
 この対比は、後の悲劇を生む。

★靖難の変の十年後、永楽帝の暗殺をしようとした若微たち。
 しかし、失敗。捜索にやってきた
 錦衣衛(きんいえい=政府の憲兵のような存在)の長に就いていた
 永楽帝の孫、朱せんき(ジュ―・ヤーウェイ)と鉢合わせして知り合う。

 若微に惚れた皇太孫の朱せんきにたびたび会ううち、
 後に、復讐するという意志はなく、仇である皇帝家に嫁ぐことになる。

 



 生き延びていた永楽帝の甥の、元、建文帝と永楽帝の再会時に
 手紙のやり取りを取り持つ役目まで担うことになるのだが。。。

 仇である永楽帝の家に嫁ぐまで心の変化が、少し描き切れていないと
 感じるのは少し残念ではあるが、簒奪者の一族として、世間から
 後ろ指さされていた孫の朱せんきと、暗殺者としての
 後ろめたさを同じく感じていたという描写は、ワンシーン存在する。

★宮廷の宴会で仲間をかばうために、永楽帝を守って
 胸に矢キズを負った惹微は、奇しくも妹のまんいんと
 再会を果たすが、彼女は
 皇帝家の財産を半分、奪うという復讐を考えていた。


★胡善祥(まんいん)について

 孫若微そんじゃくびの実妹、胡善祥(こぜんしょう)。
 皇太孫の朱せんきの妃に己が身を皇帝の次男に捧げてまでも
 強く志願し、実現させる。
 美しくとも魂は鬼畜そのもの。
 姉との育ちの違いが招いた不幸なら哀れとしか
 言いようがない。
 人間のもろさ、弱さを描いている。

 



 親友さえ野望のためなら殺害し、その報いに
 腹の子を失うも、懲りずに宮廷であるまじき所業を繰り返し、
 ついには愛おしい孫まで不幸のどん底に追いやることに!!
 それがまた新しい不幸を招く。

 しかし、彼女の強烈な悪女ぶりが際立つほどに、
 主人公の孫若微(そんじゃくび)の正当な
 皇太后(後に太皇太后)ぶりが輝いて見える。
 残忍な妹を完璧に演じたドン・ジェジェさんにも惹かれる。

★中盤に多く描かれた草原の騎馬の戦闘シーンは、おおいに
 見ごたえがあった。
 何百万、何十万という兵力のぶつかり合い。
 通信手段が伝令の馬しかないとはいえ、
 草原の民の扮装もまじえて当時の様子を鑑賞することができた。

 




★ラスト感想

 昨年12月半ばから観続けていた中国ドラマ
「大明皇妃」が最終回を迎えた。
 全62話 ものすごく集中して視聴。
 自然に惹き込まれる作品だった。
 最初は字幕でさえ難しい漢語調のセリフだったのと、
 登場人物の男性が、ほとんどヒゲを生やしていて
 見分けが付かなかったせいで苦戦したが、
 何より明王朝に興味があったのが惹かれた所以で、
 主演のタン・ウェイさんの
 艶やかさと武術と心の逞しさが大好きなせいもある。

★三浦春馬氏の審美眼は流石だ!!
 <三浦春馬氏は13年の読売新聞のインタビュー記事で、
 タン・ウェイさん出世作になった
 「ラスト・コーション」をおすすめのDVDとして紹介している>

 🐎この作品をぜひ、観てほしかった。

 さて「大明皇妃」は、ドラマティックすぎて
 圧倒されまくりの全話だった。
 主要登場人物の殆どが亡くなるという悲しい結末だった。

★主人公の若微が、老いてようやく知る意味。
 中国の歴史はひとつの家がひとつの地方を平定しただけ。
 (皇帝は龍でも神でもありはしない)
 ただ勝利して土地を手中にしただけ。

 これは大正解だと思う。
 当時の皇帝には理解できなかったのだろうか?

★しかし、主人公が寝床で目を閉じ字幕で
 「🟠🟠、🟢🟢何年逝去。波乱の人生であった」で
 終わるのではなく、明るい終わり方で慰められた。

 史実との創作であれ、主人公はどんな地位に昇りつめようと、
 やはり最初の設定(立場)であったと言いたげなラストに
 満足している。

 ★★孫若微と胡善祥は実在した人物であるが、

 姉妹というのは創作である。

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