最近「笑っていいとも」にゲスト出演する
彼の夢を見た。
実際はすでに番組は終わっており、あり得ないことだが
彼は30歳近い容貌で白いシャツを着て、少しの階段から
笑顔で降りてきた。
タモリさんの姿は無く見たのは彼の姿だけ。
何の屈託も無い、何の悩みも未練もない、
清々しい笑顔だった。
出来れば、この後は夢を見たくないと思えるような素晴らしい笑顔。
あの笑顔だけ心に焼き付けておきたい。
実際に至近距離で見た最後になったのは、19年のキンキー・ブーツ
大楽のお見送りの時。
恒例となっていた、勝矢さんのバックにファンを入れた自撮りの後、
ずいぶん経ってから降っていた雨が止んだ瞬間に車が発車。
彼は窓から顔を出していたが後ろを見ていて、一瞬のこと。
目が合うことなど無かったけれど。(当たり前!)
雨上がりの初夏の光の中、長髪の彼は見たことがない美しさを放っていた。
キンキー・ブーツ再公演を成し遂げた余韻を味わうほどに、
まだ時間は経っていなかったが、あの時の外側からの美しさは、
偉業を成し遂げた満足感に満ちていたと信じたい。
「天外者」を撮り終えた時の
「監督、僕、頑張ったんですよ」という言葉といい、
楽曲「YOU」のスタジオセッションを見ても、
自分の歌声に酔いしれている姿といい、彼は思い描いた、
ある到達点を極めたのだと信じたい。
子どもの時から、一所懸命ではなく一生懸命に全身全霊を
投げ打って、素晴らしい作品を遺してくれた。
これから自分が迎えるであろう、試練の勇気をもらったと思うと、
いくら感謝してもし足りない。
三回忌とか命日とか関係なく、感謝の気持ちを忘れずに
生きて行こうと思う。
駄文を読んでくださった方に深くお礼申しあげます。
辛いですが、あの夏を振り返り、
20年7月末、ファンの切なる要望に応えて
某歌番組のラストに「Night Diver」の
MVが放映された。
初めて目にする、彼が遺した強烈な
リズムとステップと水飛沫の乱舞。
圧倒されるばかりで今も理解出来ていない。
エネルギッシュなMVが終わっても
誰ひとり拍手もしない歓声も無い、
呼吸さえ憚られる、かつてない沈黙。
異様すぎる静けさだけが空洞のように
広がり、大きな虚無感へとなっていった。
彼は黄泉の世界へ旅立った。
あれから、僅か二年しか経っていないのに
実に様々なことが起きた。
彼本人はその後の世界など知りはしない。
知ることも歌うこともきっぱりやめたのだ。
だからこそ、だからこそ、安らかに……と
願わずにはいられないのだ。
想い出に恋しながら。
2,に続く。
監督と三浦春馬氏の術中にハマってしまった!
「東京公園」と「真夜中の五分前」は、自分の理解力の無さから、
とても分かりにくい作品だった。
「東京公園」をご覧になった行定勲監督が「真夜中の五分前」の
主人公に三浦春馬氏を抜擢された。
**************
何回見ても、
「何が言いたいか分からない」映画だったのだが、
某春友様によると、正解を考えさせるのが監督の狙いだったらしい。
何気ない日常を描きつつ、観客に問題提起や小さなナゾを散りばめて
翻弄させ、森の中に隠された(こちらの思いこみの)真実の欠片に
突き当たるかもしれないし、欠片は、まるきり思い違いの偽物かもしれない。
また、永遠に発見できないかもしれない。
―――正解が無いのだとしたら。
(青山真治監督と三浦春馬氏)
「東京公園」では、都内のいくつもの公園へ出かける人妻を夫から
依頼された大学生が撮影し続ける意味のナゾ。
人妻が回っていく公園の順番が、アンモナイトの形でヒントが示されるが、
もやもやが残る。
また何故、幽霊の親友が主人公の押入れに住んでいるのか、
義姉は海辺で何故、あんなに号泣したのかなどのナゾは明かされない。
観客に考えてほしいということなら、全て納得が行く。
******************
「真夜中の五分前」では、海難事故から生き残った双子の片方は
どっちだったか?に、教会の祭壇に置かれた時計は?に、
かなり翻弄されてしまうが、それらを追求して当てるのが
作品の目的ではないらしく、主人公の住む時計店の主の愛読書が
カギを握っているとか憶測が飛んだが、正解不明のままだった。
正解が無いのなら、それもまた、監督と春馬氏の演技の術中に
ハマったことになる。
(行定勲監督と三浦春馬氏)
両作品とも、共演者諸氏さまはもちろん、
三浦春馬氏は、青山監督と行定勲監督の要望を
完璧な演技で叶えているではないか。
*************
それとも、もしかすると上記のことはは皆、全て不正解かもしれない。
こうやって永遠に悩んでいられるということは、静寂でありながら
恐るべき力を秘めた作品であるということだ。
「東京公園」は、その辺りを「ロカルノ国際映画祭」で評価されたのだろう。
審査員特別賞の金豹賞を受賞、第85回キネマ旬報ベストテン第7位に選出。
この二作に関しては、作品の中の三浦春馬氏を永遠に追求する理由が生まれた。
(……かなり精神的に疲れることだが)
映像作品での春馬氏の底力を見た気がする。
三浦春馬氏の能力をここまで引き出して下さった
両監督様にお礼を申し上げると共に、
3月21日に57歳のお若さで亡くなられた青山真治監督様に、
改めて心よりご冥福をお祈り申し上げます。