監督と三浦春馬氏の術中にハマってしまった!
「東京公園」と「真夜中の五分前」は、自分の理解力の無さから、
とても分かりにくい作品だった。
「東京公園」をご覧になった行定勲監督が「真夜中の五分前」の
主人公に三浦春馬氏を抜擢された。
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何回見ても、
「何が言いたいか分からない」映画だったのだが、
某春友様によると、正解を考えさせるのが監督の狙いだったらしい。
何気ない日常を描きつつ、観客に問題提起や小さなナゾを散りばめて
翻弄させ、森の中に隠された(こちらの思いこみの)真実の欠片に
突き当たるかもしれないし、欠片は、まるきり思い違いの偽物かもしれない。
また、永遠に発見できないかもしれない。
―――正解が無いのだとしたら。
(青山真治監督と三浦春馬氏)
「東京公園」では、都内のいくつもの公園へ出かける人妻を夫から
依頼された大学生が撮影し続ける意味のナゾ。
人妻が回っていく公園の順番が、アンモナイトの形でヒントが示されるが、
もやもやが残る。
また何故、幽霊の親友が主人公の押入れに住んでいるのか、
義姉は海辺で何故、あんなに号泣したのかなどのナゾは明かされない。
観客に考えてほしいということなら、全て納得が行く。
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「真夜中の五分前」では、海難事故から生き残った双子の片方は
どっちだったか?に、教会の祭壇に置かれた時計は?に、
かなり翻弄されてしまうが、それらを追求して当てるのが
作品の目的ではないらしく、主人公の住む時計店の主の愛読書が
カギを握っているとか憶測が飛んだが、正解不明のままだった。
正解が無いのなら、それもまた、監督と春馬氏の演技の術中に
ハマったことになる。
(行定勲監督と三浦春馬氏)
両作品とも、共演者諸氏さまはもちろん、
三浦春馬氏は、青山監督と行定勲監督の要望を
完璧な演技で叶えているではないか。
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それとも、もしかすると上記のことはは皆、全て不正解かもしれない。
こうやって永遠に悩んでいられるということは、静寂でありながら
恐るべき力を秘めた作品であるということだ。
「東京公園」は、その辺りを「ロカルノ国際映画祭」で評価されたのだろう。
審査員特別賞の金豹賞を受賞、第85回キネマ旬報ベストテン第7位に選出。
この二作に関しては、作品の中の三浦春馬氏を永遠に追求する理由が生まれた。
(……かなり精神的に疲れることだが)
映像作品での春馬氏の底力を見た気がする。
三浦春馬氏の能力をここまで引き出して下さった
両監督様にお礼を申し上げると共に、
3月21日に57歳のお若さで亡くなられた青山真治監督様に、
改めて心よりご冥福をお祈り申し上げます。