どこまで行っても、どこを彷徨っても、
彼の姿はない……
銀河じゅうどこにも、彼はいないのだ。
よく分かっている。
でも、いちばん身近なところに。
いえ、自らの心の中にちゃんと
居ることを知っている。
内側から彼の鼓動や視線を感じ、
彼の声を聞くことができる。
もう彼はどこにも行かない。
愛するひとりひとりの内側に
しっかりと存在している。
だから、長い道のりを歩いて
行けるのだ……
心がわき踊る作品、じんわりくる作品、
ハラハラする作品などは、たっぷり思い出が
残っています。
でも、突然消えるようにいなくなった
別れ故に、彼は充分、頑張り尽くしたのだ、
苦しみから解放されて楽になったのだ、
いや、もっと活躍が観たかったとかの
千千に乱れる思い。
これが多分、
「喪失感も楽しい思い出も
大切に抱えて生きていくことだ」
と解釈します。
今日から東京オリンピックが始まります。
生きていれば初めてであったオリンピックを
どう思って観るのか、
尚も続くパンデミックをどう思ったか、なども
心が馳せてしまいます。
自分の心の持ちようにばかり言及して失礼を
お許し下さい。