今日は第3土曜日、定例のご近所映画会でした。
観たのは、森下典子さんの自伝エッセイをもとにした映画『日日是好日』を。
劇場公開の2018年に映画館で、その後DVDでも観ていましたが、ご近所さん方の希望で鑑賞した。
日日是好日は禅問答の書『碧巌録』にある逸話がもととなっており、「こだわり、とらわれをさっぱり捨て切って、好い日だ悪い日だと比べることなく、今日のその日一日、一瞬一瞬をただありのままに生き抜く清々しい境地を指すと言います。
映画の中の武田のおばちゃんを演ずる樹木希林が素敵です。所作を教える際のたどたどしさや、質問されて口ごもる場面など、その態度がとても奥ゆかしく微笑ましい。
「頭で考えないの。手が知っているから手に聞いてごらんなさい」とか、掛け軸を見るのも「文字を頭で読まないで、絵のように眺めればいい」とか、自分は「教えることで教えられる」等など、そうかと思うことも多々。
お茶の世界を通しながら、茶室から見える庭の風景が季節と共に変化していく、何気なく四季二十四節気の移り変わりを見せてくれます。
長年メールのやりとりをしている友人は、いつの頃からか文章の末尾に、必ず「日日是好日」と結んでいます。この映画を観てからだったのかもしれない。
私は茶道の経験はないのだが、妻は結婚する前に多少の心得はあったようだ。当時としてはいわゆる花嫁修業の一つだったのでしょう、
嫁入りに道具を持ってきたので、車で旅行するときは簡単な茶道具を持ち、宿に着くとまずは部屋に用意してあるご当地銘菓を抹茶を点てていただくのが習わしでした。
宿へ安全に着いた事への慰労の意味もあったのでしょう、必ず続けていました。