都立小岩高校の設立当時の正門は、太陽に向う位置にあった。その前に広大な水が、小学校の先まで広がり、岸辺には葦が一面に群がっていて、ヨシキリが囀っていた。私が子供の頃は、この池でよく釣をしたし、入水自殺した者もいる。
開校から数年後でも、大雨でも降ろうものなら、校庭まで池の水が溢れてきて、校庭はエビガ二が這ったり白鷺が舞うことになる。現在の生徒や父兄は信じられないだろうが、事実だったのだ。今は埋め立てられ、民家が密集してその面影すら無いが、校歌にだけ、辛うじてその事実が歌い継がれることになる。
校歌 1. 白鷺の群れ 乗せて吹く
風に潮(うしお)の香(か)をかげば
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当然、地下鉄東西線なんか無く、その位置は当時は海の中で、「新川」のすぐ近くまで東京湾が迫っていた。広大な干潟が残っていて、葦の中を夕日を浴びて手漕ぎの漁舟が一日の漁から帰ってくる姿をよく眺めたものだ。
だから、当時の小岩高校には、海からの風が届いて来て、「風に潮(うしお)の香(か)をかげば」になる。風の強い日に屋上に上れば、鉄の柵に海からの塩がびっしりとこびり付いていた。
校歌で私が最も気に入っているのが二つある。茂原農高のと、この小岩高校のだ。歌詞もそうだが、曲も良い。他のは作詞は有名人なのだが---。
さて、2番をとばして三番に言及する。
3. なつかしき名に 河は逝(ゆ)き
富士も筑波も もやごもる
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「河」は勿論、江戸川だが、次の「逝き」という字は気に入らない。用法に誤りはないのだが、イメージとして、青年には別の字を使って欲しかった。
屋上に上れば目の前に筑波山が霞んでいるし、左を見れば勿論富士山、ということで、「富士も筑波も もやごもる」→筑波山(その3) ことになる。
先ほど述べたように、この校歌はメロディーも優れていて、私なんか、生徒を送り出す卒業式の日の校歌斉唱で、「富士も筑波も--」辺りから、どういう訳か涙が出てきてしまう。
※少し長くなったので、小岩湖について、明日もう少し述べたい。
ふと岩高が懐かしくて、検索したところ、こちらのブログを探しあてました。
さらに検索してみたら、懐かしい校歌が…
私は10期生で卒業の時は、O先生に担任を持っていただいておりました。
もしかしたら、私も教えていただいた一人かと思い、コメントさせていただきました。
2007-07-11, 08-11, 10-21, 11-08, 2008-02-03, 02-04, 02-12, 02-13, 02-14, 02-15, 03-09
17期生で今は横浜に住んでいます。
また訪問します。
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