縁とは不思議なものだ。佐渡出身の高野さんと東京下町出の私が、双方にとって縁もゆかりも無い茂原で若いころ出会い、私が暮らす鎌ヶ谷市のホールで、(ヴァーチャルだが) 再会できるとは。しかも、このホールで二度目だ。
1回目の出会いは「鎌ヶ谷混声合唱団」によるものだ。以下の(1)にある。
今回は「鎌ヶ谷チルチルグリークラブ」の男性合唱団によるもの。我が家から歩いて
行ける場所で2度も高野さんに遇えた。それほど、この曲は、合唱の世界では知られていることになる。
※(1)→ 鎌ヶ谷混声合唱団のコンサートに行ってきた。(2015-04-13)
だが、高野さんの功績は、それだけではない。現代詩の旗手の一人としてアメリカで話題になり翻訳され、それがきっかけでイタリアに呼ばれ、彼の地での功績で「ベルトリッチ国際詩人賞」を受賞。はたまた、円周率π(パイ)の「高野の法則」を打ち立てた数学者でもある。下記(2)で、それら、ほんの一部を紹介している。
※(2)→ 高野喜久雄の郷里から便りをいただいた。(2015-07-03)
島崎藤村の「椰子の実」を歌う
古関吉雄の「思い出」を歌う
高野喜久雄の合唱組曲『水のいのち』、初めの「雨」を歌う。
他の歌もそうだが、特に高野喜久雄の歌は、その歌詞を予め熟読しておく必要がある。作曲者・高田三郎はそれを知っていたから「読む詩を歌う詩に替えてほしい」と
高野さんに依頼したのだ。それでも、「水のいのち」の詩を知らずに、初めてこの
歌を聴く者は、その「いのち」の半分も分からないだろう。聴いていて何気なく、格調の高い荘厳な歌だという程度ではないか。
その点、主催者が『水のいのち』の「雨・水たまり・川・海・海よ」の歌詞全部を
パンフに刷り込んでくれたのは良かった。