魔女っ子、きのうの寝る前、母に、
「辞めるから」
といってきた。
「なんで?」
と訊くと、
「なんでも」
そうか。
辞めるのか。
辛いけど、ホッとする母。
今日は、魔女っ子のスクール、二校合同の大会があって、朝は、ウォーミングアップの練習が1時間。
午後は本番。
2時前に送っていって、大会が始まる4時にまたスクールへ。
魔女っ子の出場種目は、バック(背泳ぎ)とブレ(平泳ぎ)。
スクールの壁。
プールの水しぶき。
友人の顔。
(辞めるんだ)
そう思うと、何もかもが愛おしく悲しい。
いよいよ、魔女っ子の出場。
50メートルバック。
1着でゴール。
タイムを訊いてびっくり。
35秒54
2秒40も縮めている。
「すごいやん!」
次は、50メートルブレ。
これも、1着でゴール。
早い。
タイムはなんと、38秒55
目標だった40秒を切って、2秒近く縮めた。
興奮した魔女っ子が、息を弾ませて、レッスンを、
「続ける!」
そういったときには、母、負けてしまった。
どこまでいけるのかわからない。
開き直って、自分をだましだまし、いけるところまでいくしかない。
これからは、
「試合も、ひとりで行けるよ」
母は、ついていかなくていいという魔女っ子。
午前中の送り迎えと本番は、パパが運転してくれた。
明日には、また、
「辞める」
といいだすかもしれないが、今は、母も、がんばろうと思っている。