●じう【慈雨】●じう 【時雨】(しぐれ)
★じう 1 【慈雨】
めぐみの雨。ほどよい時にほどよく降って、草木や作物をうるおしそだてる雨。
「旱天(かんてん)の―」
・・・・・・・・・・
・じう 1 【時雨】
(1)ちょうどよい時に降る雨。
(2)しぐれ。
» (成句)時雨の化
「慈雨」に似た言葉» 雨 潤い 絶好 水 恵まれる
万物を潤し育てる雨。また、日照り続きの時に降る雨。恵みの雨。「干天(かんてん)の―」《季 夏》
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★時雨の化(か)
〔孟子(尽心上)〕草木が時雨を得て芽生えるように、君主・師の恩沢が広く及ぶこと。
» 時雨
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★じう 1 【時雨】
(1)ちょうどよい時に降る雨。
(2)しぐれ。
» (成句)時雨の化
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・しぐれ 0 【《時雨》】
(1)初冬の頃、一時、風が強まり、急にぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨。冬の季節風が吹き始めたときの、寒冷前線がもたらす驟雨(しゆうう)。村時雨・小夜(さよ)時雨・夕時雨・涙の時雨などの言い方がある。
「―が通り過ぎる」「―する稲葉の山のもみぢばは/沙石 5」
[季]冬。《いそがしや沖の―の真帆片帆/去来》
(2)「時雨煮」の略。
(3)涙を落として泣くさまにたとえていう。
「野山の気色、まして、袖の―をもよほしがちに/源氏(椎本)」
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★時雨(しぐれ)『ウィキペディア』 http://p.tl/M2zD
主に秋から冬にかけて起こる、一時的に降ったり止んだりする雨や雪のこと
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★時雨(しぐれ) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
晩秋から初冬にかけて降る雨で、降ったりやんだりするにわか雨をいう。『和名抄(わみょうしょう)』では、「雨」を「之久礼」と訓(よ)んでいる。『万葉集』には40例近くみえ、巻8や巻10では秋雑歌(ぞうか)に位置づけされており、「九月(ながつき)のしぐれの雨に濡(ぬ)れ通り春日(かすが)の山は色づきにけり」(巻10)など、秋に重点を置きながら、紅葉(万葉では黄葉)を染めたり散らしたりするものと考えられていた。「時雨」という用字はまだなく、平安時代に入ってからのものらしい。『古今集』の用例は12例、季節意識としては『万葉集』と同様だが、「我が袖(そで)にまだき時雨の降りぬるは君が心にあきや来(き)ぬらむ」(恋5)のように涙の比喩(ひゆ)として詠まれたりするようになり、物語や日記などにもわびしさや悲しみを暗示する景物として用いられている。平安中期になると季節意識に変化があり、『後撰集(ごせんしゅう)』の「神無月(かみなづき)降りみ降らずみ定めなき時雨ぞ冬のはじめなりける」(冬)などにみられるように冬の景物として固定し、時雨の多い京都の風土とも相まって王朝文学に頻出し、以後も継承された。俳諧(はいかい)の季題も冬。 [ 執筆者:小町谷照彦 ]
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★時雨西行(しぐれさいぎょう)
長唄(ながうた)の曲名。河竹黙阿弥(もくあみ)作詞、2世杵屋(きねや)勝三郎作曲。1864年(元治1)9月初演。西行法師が江口(えぐち)(大阪市東淀川(ひがしよどがわ)区)の遊女と歌を詠み交わすが、遊女は普賢菩薩(ふげんぼさつ)の化身であったという話を題材にした能『江口』の長唄化である。本来は舞踊を伴わない長唄だけの曲。全体の構成は、西行の道行、遊女との出会いと西行の身の上話、遊女の身の上話、普賢菩薩の現出と4部分に分かれ、それぞれ、謡曲風で荘重な曲調、くせのないさらりと運んだ曲調、詠嘆的な華やかな二上り、大薩摩(おおざつま)とそれに続く三味線の技巧を尽くした神秘的かつ荘重な本調子と、趣(おもむき)に変化をもたせている。 [ 執筆者:茂手木潔子 ]
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★時雨亭(しぐれてい) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
京都・高台寺(こうだいじ)境内の高台に建つ2階建ての茶室。土間廊下で傘(からかさ)亭とつながれている。傘亭が比較的閉鎖的であるのに対し、時雨亭の階上は開放的に構成され、「くど」構えを備えている。 [ 執筆者:中村昌生 ]
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★時雨煮(しぐれに) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
ハマグリの香りを残す佃煮(つくだに)風の煮方をいうのであるが、いまはハマグリ以外の材料を用いても時雨煮といっている。三重県桑名は江戸時代からハマグリが名物であり、「その手は桑名の焼きはまぐり」という俗語が古くから使われている。いまでも、桑名、四日市のハマグリの時雨煮はこの地方の名物になっているが、往年のようにはこの近くの海でハマグリがとれなくなった。しかし独特の調理技術で優秀品がつくられている。 [ 執筆者:多田鉄之助 ]
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★時雨の炬燵(しぐれのこたつ) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)、歌舞伎(かぶき)劇。本名題(ほんなだい)『天網島(てんのあみじま)時雨炬燵』。近松門左衛門作の『心中天網島』を1778年(安永7)に近松半二(はんじ)が改作した『心中紙屋治兵衛』を、後世さらに改めたもの。近松原作の中巻にあたる「紙屋内」の場面で、治兵衛の舅(しゅうと)五左衛門が娘おさんを連れ去るのを、治兵衛の恋人小春に添わせる好意のためとするほか、いくつかの改変がある。近年、近松の原作が尊重されるまでは、もっぱらこの改作が上演されてきた。 [ 執筆者:松井俊諭 ]
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★時雨(しぐれ)の方言 http://p.tl/gsMx
時雨を意味する方言には次のような例がある。
・しまけ - 兵庫県加古郡
・そばえ(戯) - 島根県石見地方
・はこびあめ(運び雨) - 宮城県仙台市ほか
逆に一部の地域では、別の気象現象を時雨と呼ぶ例がある。
・雷 - 常陸地方
・霙 - しぶれ。大分県速見郡
・夕立 - 上総地方
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★蝉時雨(せみしぐれ)http://p.tl/5027
多くの蝉が一斉に鳴きたてる声を時雨の降る音に見立てた語。夏の季語。
藤沢周平の時代小説。⇒蝉しぐれ http://p.tl/j-s8
グレープの楽曲。
五木ひろしのシングル。⇒蝉時雨 (五木ひろしの曲)
日本のロックバンド。⇒蝉時雨 (ロックバンド)
NOAのアダルトゲーム⇒蝉時雨 (ゲーム)
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★季語(きご)http://p.tl/48kC
連歌、俳諧、俳句において用いられる特定の季節を表す言葉を言う。
「雪」(冬)、「月」(秋)、「花」(春)などのもの。
流派、結社によっては、題詠の題としたり、一句の主題となっている言葉を「季題」(きだい)と言い、単に季節を表すだけの「季語」と区別することもあるが、両者の境は曖昧であり互いを同義に用いることも多い+(詳細は後述)。
「季語」「季題」いずれも近代以降に成立した言い方であり、古くは「季の詞(きのことば)」「季の題」「四季の詞」あるいは単に「季(き)」「季節」などと呼ばれた。
以下では特に説明のない限り「季語」で統一して解説する。
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★季語一覧(きご いちらん) http://p.tl/J3sm
★じう 1 【慈雨】
めぐみの雨。ほどよい時にほどよく降って、草木や作物をうるおしそだてる雨。
「旱天(かんてん)の―」
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・じう 1 【時雨】
(1)ちょうどよい時に降る雨。
(2)しぐれ。
» (成句)時雨の化
「慈雨」に似た言葉» 雨 潤い 絶好 水 恵まれる
万物を潤し育てる雨。また、日照り続きの時に降る雨。恵みの雨。「干天(かんてん)の―」《季 夏》
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★時雨の化(か)
〔孟子(尽心上)〕草木が時雨を得て芽生えるように、君主・師の恩沢が広く及ぶこと。
» 時雨
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★じう 1 【時雨】
(1)ちょうどよい時に降る雨。
(2)しぐれ。
» (成句)時雨の化
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・しぐれ 0 【《時雨》】
(1)初冬の頃、一時、風が強まり、急にぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨。冬の季節風が吹き始めたときの、寒冷前線がもたらす驟雨(しゆうう)。村時雨・小夜(さよ)時雨・夕時雨・涙の時雨などの言い方がある。
「―が通り過ぎる」「―する稲葉の山のもみぢばは/沙石 5」
[季]冬。《いそがしや沖の―の真帆片帆/去来》
(2)「時雨煮」の略。
(3)涙を落として泣くさまにたとえていう。
「野山の気色、まして、袖の―をもよほしがちに/源氏(椎本)」
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★時雨(しぐれ)『ウィキペディア』 http://p.tl/M2zD
主に秋から冬にかけて起こる、一時的に降ったり止んだりする雨や雪のこと
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★時雨(しぐれ) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
晩秋から初冬にかけて降る雨で、降ったりやんだりするにわか雨をいう。『和名抄(わみょうしょう)』では、「雨」を「之久礼」と訓(よ)んでいる。『万葉集』には40例近くみえ、巻8や巻10では秋雑歌(ぞうか)に位置づけされており、「九月(ながつき)のしぐれの雨に濡(ぬ)れ通り春日(かすが)の山は色づきにけり」(巻10)など、秋に重点を置きながら、紅葉(万葉では黄葉)を染めたり散らしたりするものと考えられていた。「時雨」という用字はまだなく、平安時代に入ってからのものらしい。『古今集』の用例は12例、季節意識としては『万葉集』と同様だが、「我が袖(そで)にまだき時雨の降りぬるは君が心にあきや来(き)ぬらむ」(恋5)のように涙の比喩(ひゆ)として詠まれたりするようになり、物語や日記などにもわびしさや悲しみを暗示する景物として用いられている。平安中期になると季節意識に変化があり、『後撰集(ごせんしゅう)』の「神無月(かみなづき)降りみ降らずみ定めなき時雨ぞ冬のはじめなりける」(冬)などにみられるように冬の景物として固定し、時雨の多い京都の風土とも相まって王朝文学に頻出し、以後も継承された。俳諧(はいかい)の季題も冬。 [ 執筆者:小町谷照彦 ]
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★時雨西行(しぐれさいぎょう)
長唄(ながうた)の曲名。河竹黙阿弥(もくあみ)作詞、2世杵屋(きねや)勝三郎作曲。1864年(元治1)9月初演。西行法師が江口(えぐち)(大阪市東淀川(ひがしよどがわ)区)の遊女と歌を詠み交わすが、遊女は普賢菩薩(ふげんぼさつ)の化身であったという話を題材にした能『江口』の長唄化である。本来は舞踊を伴わない長唄だけの曲。全体の構成は、西行の道行、遊女との出会いと西行の身の上話、遊女の身の上話、普賢菩薩の現出と4部分に分かれ、それぞれ、謡曲風で荘重な曲調、くせのないさらりと運んだ曲調、詠嘆的な華やかな二上り、大薩摩(おおざつま)とそれに続く三味線の技巧を尽くした神秘的かつ荘重な本調子と、趣(おもむき)に変化をもたせている。 [ 執筆者:茂手木潔子 ]
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★時雨亭(しぐれてい) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
京都・高台寺(こうだいじ)境内の高台に建つ2階建ての茶室。土間廊下で傘(からかさ)亭とつながれている。傘亭が比較的閉鎖的であるのに対し、時雨亭の階上は開放的に構成され、「くど」構えを備えている。 [ 執筆者:中村昌生 ]
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★時雨煮(しぐれに) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
ハマグリの香りを残す佃煮(つくだに)風の煮方をいうのであるが、いまはハマグリ以外の材料を用いても時雨煮といっている。三重県桑名は江戸時代からハマグリが名物であり、「その手は桑名の焼きはまぐり」という俗語が古くから使われている。いまでも、桑名、四日市のハマグリの時雨煮はこの地方の名物になっているが、往年のようにはこの近くの海でハマグリがとれなくなった。しかし独特の調理技術で優秀品がつくられている。 [ 執筆者:多田鉄之助 ]
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★時雨の炬燵(しぐれのこたつ) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)、歌舞伎(かぶき)劇。本名題(ほんなだい)『天網島(てんのあみじま)時雨炬燵』。近松門左衛門作の『心中天網島』を1778年(安永7)に近松半二(はんじ)が改作した『心中紙屋治兵衛』を、後世さらに改めたもの。近松原作の中巻にあたる「紙屋内」の場面で、治兵衛の舅(しゅうと)五左衛門が娘おさんを連れ去るのを、治兵衛の恋人小春に添わせる好意のためとするほか、いくつかの改変がある。近年、近松の原作が尊重されるまでは、もっぱらこの改作が上演されてきた。 [ 執筆者:松井俊諭 ]
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★時雨(しぐれ)の方言 http://p.tl/gsMx
時雨を意味する方言には次のような例がある。
・しまけ - 兵庫県加古郡
・そばえ(戯) - 島根県石見地方
・はこびあめ(運び雨) - 宮城県仙台市ほか
逆に一部の地域では、別の気象現象を時雨と呼ぶ例がある。
・雷 - 常陸地方
・霙 - しぶれ。大分県速見郡
・夕立 - 上総地方
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★蝉時雨(せみしぐれ)http://p.tl/5027
多くの蝉が一斉に鳴きたてる声を時雨の降る音に見立てた語。夏の季語。
藤沢周平の時代小説。⇒蝉しぐれ http://p.tl/j-s8
グレープの楽曲。
五木ひろしのシングル。⇒蝉時雨 (五木ひろしの曲)
日本のロックバンド。⇒蝉時雨 (ロックバンド)
NOAのアダルトゲーム⇒蝉時雨 (ゲーム)
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★季語(きご)http://p.tl/48kC
連歌、俳諧、俳句において用いられる特定の季節を表す言葉を言う。
「雪」(冬)、「月」(秋)、「花」(春)などのもの。
流派、結社によっては、題詠の題としたり、一句の主題となっている言葉を「季題」(きだい)と言い、単に季節を表すだけの「季語」と区別することもあるが、両者の境は曖昧であり互いを同義に用いることも多い+(詳細は後述)。
「季語」「季題」いずれも近代以降に成立した言い方であり、古くは「季の詞(きのことば)」「季の題」「四季の詞」あるいは単に「季(き)」「季節」などと呼ばれた。
以下では特に説明のない限り「季語」で統一して解説する。
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★季語一覧(きご いちらん) http://p.tl/J3sm