●月見(つきみ)●名月(めいげつ)
★月見(つきみ) [ 日本大百科全書(小学館) ] . ウィキペディア http://p.tl/VMLD
月を眺め賞することであるが、一般には八月十五夜、九月十三夜の月を祀(まつ)ることをいう。岩手県、熊本県では正月の十五夜を月見とする所もある。
月見には、月見団子と、その年収穫したいも(サトイモ、サツマイモ)やクリなどの畑作物を供え、ススキを飾る所が多い。八月十五夜を芋名月、九月十三夜を豆名月ともいい、8月の月見をすれば、9月の月見もかならずするものだという所がある。どちらか一方のみをすることを、片月見といって忌み、東京などでは片月見は災いがくるといって忌んでいた。福岡県の海岸地方では九月十三夜を女名月といい、この日は女が幅を利かす日だと伝えている。これは、中国で八月十五夜を中秋節といって、女の祭りとされているのと関連するのかもしれない。中国でも月餅(げっぺい)やスイカ、ナシ、カキなどの丸い果実を月に供えているが、日本の月見の供物も同様である。
長野県には、小麦の月見ということばがあり、八月十五夜の晩、天気がよければ小麦が豊作、あるいは稲の中手がよいとも伝えている。小麦の名月は、佐渡では6月15日の満月で、この夜、小麦の団子を供えるという。
月見の供物は、どこの家のものでもとってよいという地方は多い。東京近郊でも子供にとられると縁起がよいと伝えている。長野県では襷(たすき)一杯だけは、供物だけでなく、畑作物でもこの夜はとってよいという。襷一杯とは、襷で結ぶことのできる量ということである。大阪などでは前掛け一杯のものならよいと伝えている。これだけは公然と盗んでもよいというわけである。今日ではこの行為は、教育上よくないといって学校で禁じているが、本来は、盗みは、この夜訪れてくる神に盗まれること、すなわち神に受納されたと理解し、盗まれることを喜んでいたのである。
十五夜の月の光によって1年の運を占う風(ふう)もある。沖縄では、八月十五夜にフチャギという小豆(あずき)を表面につけた餅(もち)をつくり、集落全体が見渡せる小高い所に登り、月に照らし出された家々を眺める。栄える家は暗く沈み、厄(やく)のある家は、家の中まで明るく見えるという。岩手県、熊本県、岐阜県などでも、正月十五夜の晩、月の光に映し出された自分の影を見て、1年の運を卜(ぼく)する風があった。影に首のない者は、その年のうちに死ぬというのである。1年の占いをすることは、この夜が年の境であったことを示すもので、八月十五夜の月見も、年越しの一つの習俗だったのである。 [ 執筆者:鎌田久子 ]
月見(つきみ)とは、月、主に満月を眺めて楽しむこと。観月(かんげつ)とも称する。
形から、鶏卵の黄身を満月に例えた料理も月見という。
★十三夜(じゅうさんや) [ 日本大百科全書(小学館) ]
.陰暦9月13日夜のこと。この日に月見をする慣習があり、8月15日夜の芋(いも)名月に対して豆名月といい、後(あと)の月見ともいう。醍醐(だいご)天皇の延喜(えんぎ)19年(919)に、清涼殿で月見の宴を催されたのが九月十三夜の始めといわれている。『中右記(ちゅうゆうき)』保延(ほうえん)元年(1135)9月13日の条に、明月の宴が催されたことが記録されている。福岡県糟屋(かすや)郡では九月十三夜を女名月といって、この日女が幅をきかすという。長野県北安曇(きたあずみ)郡ではこの夜を小麦の月見といって、この日の天気がよければ小麦が豊作だという。『徒然草(つれづれぐさ)』には、8月15日と9月13日は、二十八宿のうち婁宿(ろうしゅく)という日で、この宿は清明なので月を翫味(がんみ)するのによい夜とある。八月十五夜と同じく、九月十三夜も果実類を無断でとってもよいという。 [ 執筆者:大藤時彦 ]
★月見に関連した作品 http://p.tl/qghi
★十五夜(じゅうごや) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
陰暦の毎月15日の満月の夜のことであるが、通例は陰暦8月15日の夜をいう。この夜、月見をしたり、綱引、相撲(すもう)などを行い、年占(としうら)的行事が多い。月の満ち欠けを基準とする太陰暦では、満月はもっともわかりやすい目印であり、生活の折り目のよりどころとなっていた。1月15日の小正月(こしょうがつ)、2月15日の祈念祭、3月15日の梅若ごと、4月15日ごろの神社の春の例大祭、6月15日ごろの祇園会(ぎおんえ)、7月15日の盆、8月15日の月見、11月15日の霜月(しもつき)祭など、1年を通じて月々の満月を目印として祭りを行う例は多い。東北地方には1月の十五夜に、月の光による自分の影を見て1年の吉凶を占う習俗があるが、同じようなことを南西諸島では8月の十五夜に行っている。十五夜がひと月ごとの境であったり、年の境として意識されたことは、祖霊を祀(まつ)ったり、年占をすることからもうかがえることである。 [ 執筆者:鎌田久子 ]
★十五夜(じゅうごや)の意味・語源・由来を解説。
【意味】 十五夜とは、陰暦15日の満月の夜。特に、陰暦8月15日の夜をいう。仲秋。芋名月。
【十五夜の語源・由来】
月の満ち欠けを基準とした太陰暦では、陰暦15日の夜は満月になるため特別の夜とされ、1月15日の小正月、2月15日の祈念祭など一年を通じて満月の日に祭りを行う例が見られる。
特に、陰暦8月15日の夜は「仲秋の名月」と呼び、月見に最適とされ、酒宴を催し、詩歌を詠む習わしがあった。
民間では、月見団子・里芋・豆・栗・柿などを供えたり、ススキや秋の草花を飾って月を祭られた。
十五夜を「芋名月」と呼ぶのは、この時期に収穫される里芋を供えるためで、月見団子はその芋の代わりといわれる。
★十六夜(いざよい)の意味・語源・由来を解説。
【意味】 十六夜とは、陰暦16日。また、その夜。陰暦8月16日の夜。また、その夜の月。じゅうろくや。
【十六夜の語源・由来】
いざよいは、「ためらう」「躊躇する」意味の動詞「いざよう」の連用形が名詞化した語。
陰暦16日の月の出は、15日の満月の月に比べてやや遅いところから、月がためらっていると見立てたものである。
「いざよう」は上代には「いさよう」と清音で、「十六夜」も上代には「いさよい」と清音であった。
★長月(ながつき)の意味・語源・由来を解説。
【意味】 長月とは、陰暦で九月のこと。
【長月の語源・由来】
語源は諸説あり、新暦の十月上旬から十一月の上旬にあたり、夜がだんだん長くなる「夜長月(よながつき)」の略とする説。
その他、雨が多く降る時季であるため、「長雨月(ながめつき)」からとする説。
「稲刈月(いなかりづき)」「稲熟月(いなあがりつき)」「穂長月(ほながづき)」の約や、稲を刈り収める時期のため、「長」は稲が毎年実ることを祝う意味からといった説。
「名残月(なこりのつき)」が転じたとする説などがある。
この中でも「夜長月」の略とする説とする説は、中古より広く信じられている説で最も有力とされている。
★
★【特集】月を見よう(2012年)http://p.tl/0zjF アストロアーツ
★中秋の名月 -つるちゃんのプラネタリウム http://p.tl/JgKz
★お月見のはなし http://p.tl/reAL
4.「中秋」か、「仲秋」か? 「中秋の名月」か「仲秋の名月」か?。この二つの書き方は よく混同されているようですが、「中秋」と「仲秋」それぞれにちゃんと意味があります。 ではどっちがいいのか?
★名月峠(めいげつとうげ) http://p.tl/oJUX
大阪府豊能郡能勢町にある峠。標高約270m。
★
★お月見(仲秋の名月) ご贈答マナー辞典
★MEMO
太陰暦(旧暦)では7月を初秋・8月を仲秋(又は中秋)・9月を晩秋といい、8月15日の満月を十五夜といって、1年中で一番美しく見える月であることから「中秋の名月」と呼んで、お供え物をして月を鑑賞(お月見)する習しがある。
お供え物には月見団子や秋の果物・野菜とともに秋の七草をお供えする。月見団子は里芋の形にするが、その理由は8月は芋名月といわれることから元々は団子ではなく里芋を供えていたことの名残である。
<秋の七草>
・萩(はぎ)
・尾花(すすき)
・葛(くず)
・撫子(なでしこ)
・女郎花(おみなえし)
・藤袴(ふじばかま)
・朝貌(ききょう)
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★名月・秋を楽しむ http://p.tl/zsL5
★名月や池をめぐりて夜もすがら http://p.tl/Igba
★月見(つきみ) [ 日本大百科全書(小学館) ] . ウィキペディア http://p.tl/VMLD
月を眺め賞することであるが、一般には八月十五夜、九月十三夜の月を祀(まつ)ることをいう。岩手県、熊本県では正月の十五夜を月見とする所もある。
月見には、月見団子と、その年収穫したいも(サトイモ、サツマイモ)やクリなどの畑作物を供え、ススキを飾る所が多い。八月十五夜を芋名月、九月十三夜を豆名月ともいい、8月の月見をすれば、9月の月見もかならずするものだという所がある。どちらか一方のみをすることを、片月見といって忌み、東京などでは片月見は災いがくるといって忌んでいた。福岡県の海岸地方では九月十三夜を女名月といい、この日は女が幅を利かす日だと伝えている。これは、中国で八月十五夜を中秋節といって、女の祭りとされているのと関連するのかもしれない。中国でも月餅(げっぺい)やスイカ、ナシ、カキなどの丸い果実を月に供えているが、日本の月見の供物も同様である。
長野県には、小麦の月見ということばがあり、八月十五夜の晩、天気がよければ小麦が豊作、あるいは稲の中手がよいとも伝えている。小麦の名月は、佐渡では6月15日の満月で、この夜、小麦の団子を供えるという。
月見の供物は、どこの家のものでもとってよいという地方は多い。東京近郊でも子供にとられると縁起がよいと伝えている。長野県では襷(たすき)一杯だけは、供物だけでなく、畑作物でもこの夜はとってよいという。襷一杯とは、襷で結ぶことのできる量ということである。大阪などでは前掛け一杯のものならよいと伝えている。これだけは公然と盗んでもよいというわけである。今日ではこの行為は、教育上よくないといって学校で禁じているが、本来は、盗みは、この夜訪れてくる神に盗まれること、すなわち神に受納されたと理解し、盗まれることを喜んでいたのである。
十五夜の月の光によって1年の運を占う風(ふう)もある。沖縄では、八月十五夜にフチャギという小豆(あずき)を表面につけた餅(もち)をつくり、集落全体が見渡せる小高い所に登り、月に照らし出された家々を眺める。栄える家は暗く沈み、厄(やく)のある家は、家の中まで明るく見えるという。岩手県、熊本県、岐阜県などでも、正月十五夜の晩、月の光に映し出された自分の影を見て、1年の運を卜(ぼく)する風があった。影に首のない者は、その年のうちに死ぬというのである。1年の占いをすることは、この夜が年の境であったことを示すもので、八月十五夜の月見も、年越しの一つの習俗だったのである。 [ 執筆者:鎌田久子 ]
月見(つきみ)とは、月、主に満月を眺めて楽しむこと。観月(かんげつ)とも称する。
形から、鶏卵の黄身を満月に例えた料理も月見という。
★十三夜(じゅうさんや) [ 日本大百科全書(小学館) ]
.陰暦9月13日夜のこと。この日に月見をする慣習があり、8月15日夜の芋(いも)名月に対して豆名月といい、後(あと)の月見ともいう。醍醐(だいご)天皇の延喜(えんぎ)19年(919)に、清涼殿で月見の宴を催されたのが九月十三夜の始めといわれている。『中右記(ちゅうゆうき)』保延(ほうえん)元年(1135)9月13日の条に、明月の宴が催されたことが記録されている。福岡県糟屋(かすや)郡では九月十三夜を女名月といって、この日女が幅をきかすという。長野県北安曇(きたあずみ)郡ではこの夜を小麦の月見といって、この日の天気がよければ小麦が豊作だという。『徒然草(つれづれぐさ)』には、8月15日と9月13日は、二十八宿のうち婁宿(ろうしゅく)という日で、この宿は清明なので月を翫味(がんみ)するのによい夜とある。八月十五夜と同じく、九月十三夜も果実類を無断でとってもよいという。 [ 執筆者:大藤時彦 ]
★月見に関連した作品 http://p.tl/qghi
★十五夜(じゅうごや) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
陰暦の毎月15日の満月の夜のことであるが、通例は陰暦8月15日の夜をいう。この夜、月見をしたり、綱引、相撲(すもう)などを行い、年占(としうら)的行事が多い。月の満ち欠けを基準とする太陰暦では、満月はもっともわかりやすい目印であり、生活の折り目のよりどころとなっていた。1月15日の小正月(こしょうがつ)、2月15日の祈念祭、3月15日の梅若ごと、4月15日ごろの神社の春の例大祭、6月15日ごろの祇園会(ぎおんえ)、7月15日の盆、8月15日の月見、11月15日の霜月(しもつき)祭など、1年を通じて月々の満月を目印として祭りを行う例は多い。東北地方には1月の十五夜に、月の光による自分の影を見て1年の吉凶を占う習俗があるが、同じようなことを南西諸島では8月の十五夜に行っている。十五夜がひと月ごとの境であったり、年の境として意識されたことは、祖霊を祀(まつ)ったり、年占をすることからもうかがえることである。 [ 執筆者:鎌田久子 ]
★十五夜(じゅうごや)の意味・語源・由来を解説。
【意味】 十五夜とは、陰暦15日の満月の夜。特に、陰暦8月15日の夜をいう。仲秋。芋名月。
【十五夜の語源・由来】
月の満ち欠けを基準とした太陰暦では、陰暦15日の夜は満月になるため特別の夜とされ、1月15日の小正月、2月15日の祈念祭など一年を通じて満月の日に祭りを行う例が見られる。
特に、陰暦8月15日の夜は「仲秋の名月」と呼び、月見に最適とされ、酒宴を催し、詩歌を詠む習わしがあった。
民間では、月見団子・里芋・豆・栗・柿などを供えたり、ススキや秋の草花を飾って月を祭られた。
十五夜を「芋名月」と呼ぶのは、この時期に収穫される里芋を供えるためで、月見団子はその芋の代わりといわれる。
★十六夜(いざよい)の意味・語源・由来を解説。
【意味】 十六夜とは、陰暦16日。また、その夜。陰暦8月16日の夜。また、その夜の月。じゅうろくや。
【十六夜の語源・由来】
いざよいは、「ためらう」「躊躇する」意味の動詞「いざよう」の連用形が名詞化した語。
陰暦16日の月の出は、15日の満月の月に比べてやや遅いところから、月がためらっていると見立てたものである。
「いざよう」は上代には「いさよう」と清音で、「十六夜」も上代には「いさよい」と清音であった。
★長月(ながつき)の意味・語源・由来を解説。
【意味】 長月とは、陰暦で九月のこと。
【長月の語源・由来】
語源は諸説あり、新暦の十月上旬から十一月の上旬にあたり、夜がだんだん長くなる「夜長月(よながつき)」の略とする説。
その他、雨が多く降る時季であるため、「長雨月(ながめつき)」からとする説。
「稲刈月(いなかりづき)」「稲熟月(いなあがりつき)」「穂長月(ほながづき)」の約や、稲を刈り収める時期のため、「長」は稲が毎年実ることを祝う意味からといった説。
「名残月(なこりのつき)」が転じたとする説などがある。
この中でも「夜長月」の略とする説とする説は、中古より広く信じられている説で最も有力とされている。
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★【特集】月を見よう(2012年)http://p.tl/0zjF アストロアーツ
★中秋の名月 -つるちゃんのプラネタリウム http://p.tl/JgKz
★お月見のはなし http://p.tl/reAL
4.「中秋」か、「仲秋」か? 「中秋の名月」か「仲秋の名月」か?。この二つの書き方は よく混同されているようですが、「中秋」と「仲秋」それぞれにちゃんと意味があります。 ではどっちがいいのか?
★名月峠(めいげつとうげ) http://p.tl/oJUX
大阪府豊能郡能勢町にある峠。標高約270m。
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★お月見(仲秋の名月) ご贈答マナー辞典
★MEMO
太陰暦(旧暦)では7月を初秋・8月を仲秋(又は中秋)・9月を晩秋といい、8月15日の満月を十五夜といって、1年中で一番美しく見える月であることから「中秋の名月」と呼んで、お供え物をして月を鑑賞(お月見)する習しがある。
お供え物には月見団子や秋の果物・野菜とともに秋の七草をお供えする。月見団子は里芋の形にするが、その理由は8月は芋名月といわれることから元々は団子ではなく里芋を供えていたことの名残である。
<秋の七草>
・萩(はぎ)
・尾花(すすき)
・葛(くず)
・撫子(なでしこ)
・女郎花(おみなえし)
・藤袴(ふじばかま)
・朝貌(ききょう)
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★名月・秋を楽しむ http://p.tl/zsL5
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