ずっと書かないといけないと思っていた。
当時は苦しくて色々調べた事があったから、今度は私が書かなければと思った。
死んでしまいたいとさえ思った、不眠症の事。
不眠の苦しさは経験した人にしか分からないと思う。
なった事のない人は「命にかかわる事でもないのに」と不審に感じると思うけど、
実際には死んでしまいたいと思う人が多いような辛い症状なのです。
8年程前、私は急に眠れなくなった。
原因は、いくつもの辛い事が重なったのと丁度更年期の時期に重なったせいだと今では思う。
現在の私は眠気を感じられるようになり、昼寝も出来るし
夜も睡眠剤無しで寝る事が出来るようになったという事を、今苦しんでいる人に伝えたい。
その当時は本当に寝付く事が出来なかった。
人は「寝てない訳がない」と言うがそれは違う。
眠るのではなく失神するように落ちて、嫌な夢を見て泣きながら目を覚ます。
寝たという満足感が全く無い。
辛くて辛くてマイスリーやレンドルミンを飲むけど、満足に眠れた試しがない。
夜中にひとり目がさえて辛くて助けてほしくてお祈りをしたり、南無阿弥陀仏を唱えたり、
亡父や、亡き友に祈ったり、壁やソファを蹴ったりしたけど、何も応えてくれなくて、
絶望的な気持ちになっていた。
そんな毎日が2年続いた。
2年間食べる事とトイレだけ、風呂も歯磨きもせずずっと寝たきりで、
気力がなく生きるのがあほらしい、というなげやりな気持ちになっていた。
家族が何度も病院に連れて行こうとしたが絶対に動こうとしなかった。
しかしある日、母と妹、長男、次男、ダンナの5人がかりで無理に心療内科に連れて行かれた。
出会ったのが今の主治医。
若々しくて優しい40代の女性医師。
睡眠剤や鬱の薬が処方され、私はゆっくりと快方に向かって行った。
睡眠剤を飲んで少しだけ眠ることを、奇跡のように思ったし、
一日一日を真剣勝負のように感じてた。
通院し始めて半年位の時にダンナの次姉が亡くなり、
遺族はダンナの姪にあたるひとり娘だけなので「行かなければ」という思いが強く、
初めて通院以外の外出をした。
久しぶりの街は、全てのものが大きく見えて違う世界のようだった。
それ以降、外出は出来るようになったけど、まだ睡眠は上手く取れなくて
眠気を感じる事は出来ないし、お店の品物の前で立ったまま一瞬寝てしまう事があった。
鬱からは抜けられたようで、気力は出てきたので、
構わず外出して体を疲れさせ、だんだんと眠れるようになっていった。
それでも眠れない日があったり、薬に頼ったりしたけれど、
発病してから8年位たった今、昨年の3月頃からすっかり治って、
普通の睡眠が取れるようになりました。
今も眠たくない夜はたまにあるけれど、そんな時は本を読んだり、何か書いたりして
平気で過ごせるようになりました。
絶対に治らない、苦しくて仕方ないと思い、真っ暗なトンネルの中にいた私ですが、
睡眠障害を克服出来ました。
睡眠障害は治療すれば治ります。
今苦しんでいる人も希望を捨てないでいてほしい。