悠々雑感ーnext

日々の雑感や思いついた事、
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毎年ちゃんと、、

2011-10-21 10:02:11 | 雑感
 のこり少なくなった2011も日に日に秋が深まっていく。
 秋と云えば私はまず彼岸花を思い浮かべる。それは秋の始まりだからだ。
 多くの「今まで無かった事」があった2011年にも彼岸花は咲いた。それは見事に。

 最近読んだ宇江佐真理の文庫に「彼岸花」というのがある。
 この人は宮部みゆきなどの事務所や出版社などがpushして突出させるような作家ではなく、遠い北海道在住の作家でコツコツと佳作をものにしている人です。
 その殆どが江戸の市井もので、シリーズでは伊三次とお文のコンビが織りなす「髪結い伊三次捕物余話」があり、95年に髪結い伊三次の実質上の第一話である「幻の声」でオール読物新人賞を受賞した。その後「深川恋物語」吉川英治文学新人賞。「余寒の雪」中山義秀文学賞など、人情味あふれる時代小説を書き続けている。
 本所や深川と云った御府内の外の世界を書かせたらおそらくこの人の右に出る者はいないのでは無いかと思う。
 自分が読んだ中で「あやめ横町の人びと」「涙堂」「アラミスと呼ばれた女」「雷桜」等は印象に残っている。

 話を戻して、先の「彼岸花」に小梅村にすむ親子の物語が収録されている。その中の会話に
 「彼岸花の根には毒があって、ネズミなどの小動物が食べない、、」と云うくだりがあった。
 私はそういう事を知らずに彼岸花を毎年見ていたので、些細な事ながらもショックを受けた。
 宇江佐さんは生まれ年が私と殆ど違わないのだが、こう云うことが小説の題材に使える深さを具えた人だと改めて強い印象を持たされた。 

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