今日は藤原・フィガロの結婚で昭和音大テアトロジーリオ。
ぼくの2021初オペラは、非常事態宣言下だったけれど、とびきり上質の名作を心ゆくまで楽しんだ3時間半でした。
小野寺光さんと井出壮志朗さんを聴きたくて選んだこの2日目公演ですが、この2人は歌も演技も期待を大きく超えていて。
幕が開くや小野寺さんの溌剌とした動きと歌はまさにフィガロ。この人は昭和音大オペラでファルスタッフを観てから、若いのに実に雰囲気、存在感のある歌手だと注目してましたが、今日はあのときより歌も演技ももっと素晴らしく、成長してました。
井出さんは一幕で少し品が良すぎるような気もしたけど、すぐにそういう思いは消えていかにも公爵らしく。小野寺さんよりさらに美しいヴァリトンで魅了され。
この2人は藤原の看板歌手になるんじゃないでしょうか。
初めての方ばかりだった女声陣では、なんと言っても迫田さんのロジーナが美しく、気品に満ち、アリアも聴かせました。
横前さんのスザンナは最初少し色っぽさが足りないような気がしたのですが、次第にキュートな魅力が出てきて。
ケルビーノの丹後さんには少年ぽさと女性の美しさが両方感じられ。
終盤30分のコンゲームの場面は演出が面白く、4人の歌唱は観ごたえ、聴きごたえたっぷりで、素晴らしいフィナーレでした。
鈴木マエストロ率いる昭和オケは軽快で心地よく、歌手を引き立て。合唱の皆さんもさすがで。
モーツァルトのオペラってホントに素晴らしいなって思いながらホールを後にしました。