「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

◆小説「傾国のラヴァーズ」72・聖名の叫び

2023-10-16 22:42:00 | 傾国のラヴァーズその71~80
 恋愛経験のない俺は、どぎまぎするばかりだった。
「聖名、俺のことを好きになってくれてありがとう。俺、納得して仕事をやめられる気がする」

 すると聖名は不満げな表情になり、

「何も終わってないだろ! 仕事も、オレとのことも! 綺麗事ばっかり並べて! 何だよ、勝手にオレの前に現れて、仕事上とはいっても、凄く優しくしてくれて…」

■小説「傾国のラヴァーズ」71・聖名の告白

2023-10-15 22:39:00 | 傾国のラヴァーズその71~80
 そして、
「翔真、行かないでほしい…せめてあと2週間とちょっと、契約満了までここに住んでもらえないかなぁ。オレ、何もしないから」

「えっ? 」
 まず、名前で呼ばれたことに驚いたが…
「翔真にはオレ、ひとめ惚れだったんだ。ごめん、オレ、男の人も好きになるタイプだって隠してて」

 俺は固まってしまった。

 どうしよう…

 そう思いながらも、俺は聖名の背中に手をまわして抱き締めていた。
 気がつけば頬を寄せていた。

 聖名の気持ちに寄り添いたかった。

 聖名の体がびくっと揺れた。

「えっ? 」

 聖名はびっくりした表情で俺の顔を見た。