「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

★小説「傾国のラヴァーズ」69・立ち尽くす聖名

2023-10-13 22:45:00 | 傾国のラヴァーズその61~70
 意外な答えに俺は驚いたが、

「ありがとうございます。でも、その必要には及びません。もともとこちらでの仕事が終わったら退職して、違う仕事を探すつもりでした 」

「えっ、どうして…? 」

 俺は一瞬返事に困ったが、
「自分には向いてませんでした。疲れました。人の不幸に寄り添うことに。要人につくSPのように銃が持てるわけでもなく、権限があるわけでもない。もどかしいものを感じていて、それが今夜のことで抑えられなくなったのかなと思います」

 どうしてか、すらすらと出た。

 聖名はぼう然と立ち尽くしていた。




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