「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

■小説「傾国のラヴァーズ」その47・聖名のタキさん?

2023-05-13 22:10:29 | 傾国のラヴァーズその41~50
 しかし、返事はない。
 仕方なく、俺はもう一回ノックをしたが、返事がない。
 やむなく、失礼します、と言ってドアを開けた。
 
 部屋に入ってみると、聖名はベッドにもぐりこんでいて、羽根布団を頭まですっぽりとかぶってもぞもぞしていた。

「聖名、 大丈夫? 具合悪いの?」

 すると 聖名は布団から顔だけ出して、

「うーん ゆうべ眠れなくて、湯冷めもしたのかな。なんか気分が悪い…」

「午後から出社とかできないの? あと 思い切って休むとか」

「そうだね…」
と、聖名は考えていたが、

「センパイ、スポーツドリンク持ってきてもらっていい? 水も飲めなくて…」

 それは大変だと、俺が冷蔵庫の奥からスポーツドリンクのボトルを持ってくると、聖名は眠っていた。
 しかし、なぜかはっきりと、
「…タキさん!…」
と寝言で叫んだのだ。

 たきさん? 悪いが俺は少し笑ってしまった。
 新規事業のために調査に行った畑で知り合ったおばあさんとか?
(なぜか俺はテレビでしか見たことのない、昭和の、もんぺ姿の地味な方を想像していた) 

 影響を受けてるのかなあ…
 そこで聖名は目をさました。






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