俺は冗談めかして、
「担当が僕に決まって、すみません」
「あ、ああ、そんなことは…」
笑ってはくれず、それどころか彼は挙動不審ぽかった。
それでも、
「気に入ってもらえるかわからないけど、いちおう最低限の家具は用意したから」
「すみません。わざわざありがとうございます」
…部屋に着いて俺はびっくりした。
俺の部屋は例の一番広い部屋だったからだ。
そして家具はどれも新品。
パソコン用の机と椅子は人間工学に基づいたもののようだし、あとは本棚とかサイドテーブルとか…落ち着いたデザインだがどれも高そうだ…
しかし何より驚いたのは、ベッドがキングサイズの立派なものだったことだ。マホガニーのヘッドボードの、これまたシンプルなデザインだがこれも高そうで恐縮してしまう。
何と言ったらいいか俺が困っていると、彼は、
「ごめんね。急だったから、これしか揃えられなくて。足りないものが出てきたら買い足すということで…」
「いえ、僕は短期間の居候ですからこれ以上は…特にこのベッド、一番最初に使うのが僕だなんてとんでもない…」