「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

小説「傾国のラヴァーズ」その26・まだ慣れぬ彼

2023-04-01 21:17:00 | 傾国のラヴァーズその21~30
 俺は冗談めかして、
「担当が僕に決まって、すみません」
「あ、ああ、そんなことは…」
笑ってはくれず、それどころか彼は挙動不審ぽかった。
 それでも、
「気に入ってもらえるかわからないけど、いちおう最低限の家具は用意したから」
「すみません。わざわざありがとうございます」

 …部屋に着いて俺はびっくりした。
 俺の部屋は例の一番広い部屋だったからだ。

 そして家具はどれも新品。
 パソコン用の机と椅子は人間工学に基づいたもののようだし、あとは本棚とかサイドテーブルとか…落ち着いたデザインだがどれも高そうだ…

 しかし何より驚いたのは、ベッドがキングサイズの立派なものだったことだ。マホガニーのヘッドボードの、これまたシンプルなデザインだがこれも高そうで恐縮してしまう。

 何と言ったらいいか俺が困っていると、彼は、
「ごめんね。急だったから、これしか揃えられなくて。足りないものが出てきたら買い足すということで…」
「いえ、僕は短期間の居候ですからこれ以上は…特にこのベッド、一番最初に使うのが僕だなんてとんでもない…」





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