放射線治療は、傷跡に当てることによって、傷の修復機能が過剰に働くことを抑制して、ケロイドの再発を抑えることを目的に行われます。使われる放射線の種類は、一般的に電子線という種類のものです。電子線の特性として、表面に強く当てることができて、かつ深部にはほとんど到達しないので影響を考慮しなくてよいということがあげられます。ケロイドの治療は、皮膚の表面のみに放射線が当たることが望ましいので、電子線が用いられるわけです。放射線を当てる時期は、手術直後が望ましいとされていましたので、当院では午前中に外来手術を行ったあと、午後から一回目の照射を行っています。ただし、これについては、最近は術後2週間以内なら効果に差はないという説もでてきていますので、必ずしも直後にする必要はないのかもしれません。また、照射するときは、皮膚表面に必ずボーラスを呼ばれる5mm程度の厚みがあるシートをかぶせて照射します。実は表面に強い放射線を当てることができるとされる電子線も、本当のところは表面下5mm程度(4MeVの場合)のところに一番のピークがあります(ビルドアップと呼ばれる)。そこで、皮膚表面に最も強い放射線が当たるようにするために、5mmの厚みのシートをかぶせるというからくりです。
線量および分割法は施設により様々です。当施設では、部位によらず1回4Gyを隔日で4回行っています。施設によっては部位ごとに線量を増減させているところもあります。というのも、ケロイドは一般的に張力が強くかかる部位ほど再発しやすいからです。ピアスの痕に生じる耳垂部のケロイドは、張力がかかる部位ではなく再発率が低いため線量を減らす、一方で前胸部/肩/下腹部は張力が強くかかる部位で再発率が高いため線量を増やす、といった感じです。
続きはその3で
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線量および分割法は施設により様々です。当施設では、部位によらず1回4Gyを隔日で4回行っています。施設によっては部位ごとに線量を増減させているところもあります。というのも、ケロイドは一般的に張力が強くかかる部位ほど再発しやすいからです。ピアスの痕に生じる耳垂部のケロイドは、張力がかかる部位ではなく再発率が低いため線量を減らす、一方で前胸部/肩/下腹部は張力が強くかかる部位で再発率が高いため線量を増やす、といった感じです。
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