さて一番気になる副作用についてですが、先も述べたとおり、電子線は深部にほとんど達することがありませんので、深部への影響は無視できます。問題となるのは皮膚表面と皮下の筋肉です。
具体的には、照射した部位に一致した皮膚の色素沈着があげられます。これは、かなり主観的な問題が入ります。他者から見るとほとんどわからないような色調の変化も、当人にとっては重大な問題だったりします。一方で、ケロイドはもともとかなり見た目が悪いものですので、もしそれが根治するのであれば、少々の皮膚の色素沈着は気にしないという方もいらっしゃいます。一般的に20Gyを超えると、色素沈着が目立つようになるとされています。
副作用で一番の問題になるのは、二次癌が発現する可能性があるということだと思います(ここでいう二次癌とは、放射線治療が誘引となって発症した癌のことであり、照射範囲から出現したものに限ります)。癌に対する治療であれば、未来の癌を気にするより今の癌を治すことが優先されると説明できますが、良性疾患に対してはこの構図はなりたちません。
良性疾患への照射線量は、癌に対する照射線量に比し少ない量であるため、その分発癌性も低下します。また、電子線を用いてのケロイド治療で、二次癌が発現したという報告は現在のところありません。それでも、可能性はゼロとは言えません。良性疾患に対する放射線治療は、”発癌のリスクより放射線治療の有益性が上回ると、医療者/患者双方が判断した場合にのみ行う”、という共通認識が必要と考えます。
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具体的には、照射した部位に一致した皮膚の色素沈着があげられます。これは、かなり主観的な問題が入ります。他者から見るとほとんどわからないような色調の変化も、当人にとっては重大な問題だったりします。一方で、ケロイドはもともとかなり見た目が悪いものですので、もしそれが根治するのであれば、少々の皮膚の色素沈着は気にしないという方もいらっしゃいます。一般的に20Gyを超えると、色素沈着が目立つようになるとされています。
副作用で一番の問題になるのは、二次癌が発現する可能性があるということだと思います(ここでいう二次癌とは、放射線治療が誘引となって発症した癌のことであり、照射範囲から出現したものに限ります)。癌に対する治療であれば、未来の癌を気にするより今の癌を治すことが優先されると説明できますが、良性疾患に対してはこの構図はなりたちません。
良性疾患への照射線量は、癌に対する照射線量に比し少ない量であるため、その分発癌性も低下します。また、電子線を用いてのケロイド治療で、二次癌が発現したという報告は現在のところありません。それでも、可能性はゼロとは言えません。良性疾患に対する放射線治療は、”発癌のリスクより放射線治療の有益性が上回ると、医療者/患者双方が判断した場合にのみ行う”、という共通認識が必要と考えます。
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