COVID-19の病態におけるtype I interferon(IFN)の役割についてはいくつかcontroversialな結果が報告されており、この論文では重症なCOVID-19患者の血液細胞ではTNF/IL-1β-driven inflammationとともにtype I IFN反応も亢進していることをsingle cell RNA-seqによって示しています。このようなtype I IFN responseは重症インフルエンザ患者においても見られましたが、マイルドなCOVID-19患者では見られなかったという結果です。一方以前紹介したJérôme Hadjadjらの論文(Science 13 Jul 2020: eabc6027 DOI: 10.1126/science.abc6027)ではtype I IFN responseは低下しているとしています。この一見矛盾した結果の理由はわかりませんが、おそらく本当に重症化した患者の場合には、結果として様々なサイトカイン反応が亢進しているが、早期に抗ウイルス作用のあるtype I IFN responseが低下している患者では重症化する可能性が高いということではないかと推察します。
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