Une petite esquisse

日々の雑事の中で考えたこと、感じたことを徒然に書き綴ります。

あなたの知らない台湾(11)

2020年12月20日 | 旅の情報
頭城・蘭陽博物館(宜蘭県)






蘭陽博物館外観

 台湾はモダン建築でも最先端を行っている国だ。斬新で奇抜な建築物がところどころ目に付く。
蘭陽博物館は建物の片方が傾斜し、海面に沈み込んでいるようで、その三角形の外観が印象的である。
建築物そのものが芸術品のようである。


博物館エントランス


ロビー風景


館内風景

 展示内容は考古学、民俗学、伝統的文化遺産にわたり、宜蘭地方の文化と生態に焦点を当て、その地理
環境を「山、平原、海」をテーマに構成している。
 原住民の暮らし、宜蘭県の自然、文化、歴史などを豊富な資料で視覚的に分かり易く展示している。
建築学、博物館学を学ぶ人は必見である。


材木の運搬風景のジオラマ


石炭の運搬人形模型


リアルな「物乞い」人形模型


原住民生活風景




漁船の展示

頭城駅を降り、博物館までタクシーに乗ったが春節だからと割増料金を取られた。
3分ばかりの乗車で170TWD(約640円)だったが、何かボラれた感じで、帰りは駅まで歩い
た。十分歩ける距離である。

データ:蘭陽博物館への行き方
    台鐡、台北駅から北回りで頭城駅下車(約1時間50分)
    頭城駅からバス「蘭陽博物館」下車、歩いて20分

    台北MRT圓山駅から國光客運バス1877で「蘭陽博物館」下車
  
    宜蘭バスターミナルより紅1、1766バスで約40分「蘭陽博物館」下車

    開館時間
    09:00~15:00 水 休み  入館料 大人100TWD

                              (要・現地確認)

あなたの知らない台湾(10)

2020年12月10日 | 旅の情報
沙鹿・美仁里彩繪村 (台中)



 台湾には住宅の壁面に絵が描かれた集落みたいな所が結構あり、台中の「彩虹眷村」は良く
知られているが、沙鹿にある「美仁里彩繪村」は「彩虹眷村」とは又、違った面白さがある。
 以前は寂れた住宅地であったが、町興しの一環として、当時の首長の発案で住宅地全体を絵
画で彩ると言った壁美化工事を行った。
 1950年代の古き良き時代の台湾を再現しており、当時の駄菓子屋、肉屋、公衆電話やチ
ャイナドレスの仕立屋など、レトロでノスタルジックな風情を楽しめる。
写真を見る限り、漫画的と思われるかも知れないが、現場にいると、かなりリアリティがあり、
つい昔の台湾にタイムスリップしたような錯覚を起こす。
楽しいひと時を過ごすことができる。















 沙鹿駅から美仁里彩繪村へ行く途中にある沙鹿商店街は食料や衣類、日用品が販売されており、
雰囲気が日本のアメ横に似ていて、店員の掛け声が台湾語なのにアメ横のお兄さんにそっくりである。





データ:美仁里彩繪村への行き方
    台鐡台中駅から成追線沙鹿駅(さーるん)下車。
    正面道路(中正街)を直進、大通り(沙田路)を渡り、しばらく歩くと
    右側に「福利宮」が見える。その手前の路地を右に曲がり、
    美秀巷の表示を直進したところが美仁里彩繪村である。


あなたの知らない台湾(9)

2020年12月09日 | 旅の情報
水里蛇窯 台湾の窯業地を訪ねる

 台鐡、二水駅からの集集線のローカルな旅は車窓の左側に八掛山脈、右側に濁水渓を見渡せ、
バナナ畑や水田などの田園風景が広がり美しい風景を楽しむことができる。
 水里駅あたりは「水里蛇窯文化園區」と呼ばれ窯業地として知られている。
このあたり一帯は陶芸に適した良質な粘土が産出される。


バス停を降りたら目に付く「蛇窯」の目印看板

 水里蛇窯は現存する台湾最古の蛇窯で、大陸の福州から伝わり1927年に築窯された。
傾斜地にレンガを細長く並べた登窯で蛇の形に見えるところから蛇窯と名付けられている。
長さは30メートル余りある。


水里蛇窯入り口


瓶を使った園内表示


園内風景 雙口大瓶は高さ6,68mでギネス記録


趣があるカフェ




長さ30メートルの蛇窯


窯内部

 ある時期、経営不振に陥り、窯場の継続を考え、観光事業とタイアップ、より多くの人に陶芸
文化を楽しんでもらおうと陶芸のテーマパークとして施設を開放した。
伝統文化の紹介や文物の展示、窯場の見学、観光客向けに陶器の制作や絵付けを行うことができる。
台湾窯業史を知る上でも、陶芸に興味のある人は必見の窯場である。




分かり易いトイレの表示

データ:水里蛇窯への行き方
    台鐡、二水駅で集集線に乗り換え、水里駅下車。
    水里バスターミナルより南投客運、豊榮客運、員林客運バスの
    埔里、東埔行バスで「蛇窯」バス亭下車。

    日月潭水社バスターミナルから南投客運、豊榮客運、員林客運バスに
    乗り「蛇窯」バス停下車。徒歩約3分。



あなたの知らない台湾(8)

2020年12月04日 | 旅の情報
内湾(ネイワン) 客家文化が色濃く残る街

 台湾は九州ほどの「小さな国」だけど文化は多様性に富み、地方色が豊かである。
大陸の中国とは政治体制が違うだけでなく、民族の構成も言語も国民性も全く異なってい
る。何より自由な雰囲気がよい、それに飯がうまい。
 台湾を旅していると、「私は客家だ」と誇らしげに語る人によく出会う。
「客家(ハッカー)て何?」とつい思ってしまう。客家とは中国大陸の黄河流域、福建省
や広東省に住んでいて、18世紀に台湾に入植し、山地に近い桃園、苗栗、美濃などに定住
した人々をさす。独自の客家語を話し、質素勤勉を美徳とする自分たちの習慣を守り通している。


台鐡新竹駅・日本植民地時代に建てられた台湾に現存する最古の駅舎


内湾線車両


車内アトラクション(車掌さんでなく役者さんです)

 台鐡新竹駅からローカル線の旅、終点の内湾は伝統的な客家文化が色濃く残っている。
山麓を走る内湾線は周囲を山々に囲まれ、素朴な田舎の風情が楽しめる。
もともとはコンクリートやガラス、木材を運搬する貨物専用路線として敷設されたが、林業
や鉱業の衰退とともに寂れ、過疎の村であったが、近年は週末には多くの人々が訪れ目抜き
通りは多くの人であふれる観光スポットとなっている。 


人でごった返す駅前の目抜き通り


きしめんに似た、客家粄條 湯  (レストラン湯屋)


 内湾駅の階段を降りると、そこが内湾老街の目抜き通りで屋台や客家料理店が密集し、小
さい街ながら、そぞろ歩きが楽しい。


内湾戯院(人文客家茶館)


レストラン内部

 老街の中心に昔の映画館「内湾戯院」がある。この地に暮らす作業員たちの娯楽として作
られたが、街の衰退とともに映画館は閉鎖され放置されてきたが、現在は人文客家茶館とし
て映画を見ながら食事がとれるレストランとなっている。


データ:内湾への行き方
    台鐡新竹駅あるいは高鐵新竹駅から六家線で竹中駅まで、竹中駅から内湾線に乗
    り換え終点内湾駅下車。
    竹中駅から各時間52分発、内湾駅から各時間47分発(1時間に1本)

    台北駅から自強号で新竹駅まで1時間10分、區間車(普通車)で1時間50分。
    バスで1時間15分。
    台鐡區間車で行くよりバスで行くほうが早くて、交通費も安い。