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『太らない最強の食べ方』

2021-09-07 08:30:00 | 日記

下記は日経グッディオンラインからの借用(コピー)です   記事はテキストに変換していますから画像は出ません

体内時計を整えるカギは「朝食の炭水化物」「12時間以内に夕ご飯」
2021/6/24 澤原 昇
最近はやりの糖質オフダイエットは確かにやせる効果があるが、カロリーや糖質量を常に気にした食生活を続けるのは大変。実は近年、「何を食べるか」よりも「いつ食べるか」の方が健康の維持・改善への影響が大きいことが分かってきた。ホルモンの分泌や栄養素の代謝などに重要な「体内時計」のリズムを整える、理想の食事のとり方とは。
『太らない最強の食べ方』 特集の内容
    * 第1回
体内時計を整えるカギは「朝食の炭水化物」「12時間以内に夕ご飯」←今回
    * 第2回
コンビニですぐ買える! 「時間栄養学」がはかどる最強の朝食
    * 第3回
「食事管理アプリ」を利用する最適解
朝食、昼食、夕食の適当なタイミングと内容を時間栄養学の観点から解説(イラスト:タイマタカシ)
 コロナ禍による外出自粛の影響で運動量が減り、体重が増える「コロナ太り」が顕在化している。ダイエットするなら、ここ数年で定番となった「糖質オフ」を試す人も多いだろう。今では、コンビニにはサラダチキンなどの低糖質商品があふれている時代だ。
 確かに糖質を抜くとやせる効果が大きい。しかしながら、挫折した人も少なくないのではないか。カロリーや糖質量を計算しつつ、「何を食べるか」を常にコントロールし続けるのはストレスが大きく、習慣化することが困難なのだ。
 実は、健康的な食事法のトレンドは潮目が変わりつつある。食事のタイミングや内容が人間の体に与える影響を調べている時間栄養学者の大池秀明氏は、「実は何を食べるかよりも、いつ食べるかによる健康効果の方が影響が大きいことが分かってきた」と指摘する。
 カギを握るのは「体内時計」だ。人間の体は約25時間周期でホルモンの分泌や栄養素の代謝などを調整しており、これをつかさどる「時計遺伝子」に働き掛ければ体内時計のリズムをコントロールできることが分かり始めた。
 体内時計には2種類あり、脳の主時計と内臓などにそれぞれ存在する副時計に分かれる。脳は日の光を浴びることで動き始めることが知られているが、問題なのは副時計だ。副時計は朝食を食べるとスイッチが入るのだが、現代人は朝食を抜く場合もあり、内臓側の体内時計がしっかりと動き出さないまま生活しているケースも多い。「すると、体内の代謝が正常に行われないうえに、日中の活動レベルが低下しエネルギーを消費しきれず、肥満につながってしまう。その他にも、免疫力の低下や老化など様々な不調を体にもたらすことが知られている」(大池氏)
 そこで、昼に活動し夜に休息する生体のリズムを重視して栄養摂取する時間栄養学の考え方を食生活に取り入れることで、体内時計を正常に動かしたい。時間栄養学は2017年に時計遺伝子を発見した研究がノーベル賞を受賞して注目度が急上昇。既に糖尿病患者の食事療法に取り入れられるほど注目が高まっている分野だ。
 体内時計を正常に動かす方法は非常にシンプルだ。守るルールは2つ。「朝しっかり食べる」ことと、「朝食後12時間以内に夕食を食べ終える」ことだ。
体内時計を整えるカギは「朝食の炭水化物」「12時間以内に夕ご飯」
2021/6/24 澤原 昇
 しかも驚くべきことに、朝食では「炭水化物とたんぱく質を積極的に摂取すべき」(大池氏)だという。両方を同時に摂取することで、体内時計の時刻合わせに使われている「ピリオド」という時計遺伝子が活性化され、1日の代謝リズムの起点を作る。「少量でも体内時計は動き出すが、理想は300〜400キロカロリーを目安にしっかりと栄養を取るのが鉄則だ」(大池氏)。糖質は何でも悪だという思い込みは捨てた方がいい。
RULE1 7:00
朝食 は 炭水化物 と たんぱく質 で体内時計を動かすのが鉄則
●食べる量は300〜400キロカロリー
 さらにうれしいことに、時間栄養学の観点からすると、「昼食には何を食べてもいい」(大池氏)。日中は、脂肪細胞の分化を促進して新たな脂肪細胞を作り出す働きを持つ時計遺伝子の一つ、「BMAL1(ビーマルワン)」の量が少ない。「ラーメンやピザなどの高脂質食を食べるなら、ランチに集中すると体重増につながりづらい」(大池氏)
RULE2 12:00
昼 は何を食べてもOK! 特に 脂質 はランチに全集中
●脂質を取っても大丈夫
■昼時は「BMAL1」が少ない
脂肪細胞を合成する役割の時計遺伝子であるBMAL1は深夜に活発化する。グラフはBMAL1量が一番多いときを100%とした場合の、時間ごとの変化を示したもの。脂質の多い食事をするなら、夜遅くは避けてランチにするのがいい
※「太らない時間に食べる!体内時計」(榛葉繁紀、2010)を基に編集部でグラフ作成
夕食はいつ食べる? ポイントは朝食をとってからの経過時間
 では、夕食はどうすべきか。「最も重要なのが、朝食を食べてから夕食までの間隔」(大池氏)だ。夕食と次の日の朝食との時間をなるべく空けることが望ましく、空腹時間が長ければ翌日の朝食を取った際に、体内時計がしっかりと動き出す助けにもなる。
 空腹時間を長く取ることで、肥満を抑制できることも明らかになっている。マウスに一定量の高脂肪食を4カ月間与えた実験によれば、自由な時刻に食べられるように餌を与えた群と、活動期の8時間のみに制限して与えた群とでは、同じカロリーを摂取したにもかかわらず前者は典型的なメタボになり、後者はほとんどならなかったという。「1日の朝食と夕食の間隔を意図的に設計したヒト試験でも、10時間、12時間以内などに食事時間を絞った群は、自由に食生活を送る群よりも肥満が抑えられた。日常生活では朝食から12時間を目安に夕食を食べ終わりたい」(大池氏)
 体内時計のことを考えるなら、理想は夕食を極力少なめにすることだ。だが、「中高年の場合、血中のたんぱく質が不足すると筋肉の分解が始まり、基礎代謝を担う筋肉量の低下が起こってしまう」(大池氏)。最低限のたんぱく質を摂取するために、例えば鶏むね肉を使ったスープなどが最適だ。
RULE3 17:00
夕食 は 朝食から12時間以内! たんぱく質を補給するあっさり飯
●たんぱく質を中心に取る
■食事時間を絞るとやせる
肥満の男女(46人)について、食事時間を1日8時間に制限して、それ以外の時間をカロリーが無い飲み物だけで過ごす群(時間制限群)と、普段通りに過ごす群(対照群)とに分けて体重の増減を追ったところ、前者に明らかな体重の減少が確認された
※「Nutr Healthy Aging;4,345-353,2018」を基に編集部でグラフ作成
 食事の時間を絞って空腹時間を長く取るダイエットは「16時間ダイエット」ともいい、やはり最近はやっているものの、一部に誤解がある。空腹時間を長く取るといっても、夜遅めに食べて昼まで食べないのは間違っている。朝食抜きや、深夜食は体内時計を大きく狂わせる可能性があるため避けるべきだ。
 健康法は続けられることが最も重要だ。ビジネスパーソンにとって、テレワーク比率が高まっている現在は、食事の内容やタイミングを自由にコントロールできるチャンスだ。「今、ちゃんとしたごはんを作る時間が無い……」と後回しにするより、「コンビニ食でもいいから、狙った時間に食べる方がメリットが大きい。どうしても夕食を食べるのが遅くなりそうであれば、就寝前の栄養摂取を抑えるために、夕方前に分食する手もある」(大池氏)



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