仕事の合間をぬって、キャラメルボックスのクリスマス公演@神戸を観てきたところです。
伊坂幸太郎さん原作の『ゴールデンスランバー』!
映画も原作も知っているだけに、あれを2時間で?!無理でしょう!!と思ったのは当然ですが・・・この劇団、あの『鍵泥棒のメソッド』とか『ナミヤ雑貨店の奇跡』ほか原作モノの舞台化に関しては「不可能を可能にしてきた」実績があります。今回も当然こちらの期待を裏切らない、と踏んで参戦したのですが。
初日終演後の感想は、ただひとこと。
――― OH MY GOD!!
やっちまったよコイツら! ―――
言葉が荒いのはお許しください。
そのくらい、衝撃的だったのです。
以下は千秋楽レポも兼ねた、覚え書きです。
★
まずは、見事に作品を絞りきってきたな、という成井さんの技量に感服。削いで、削いで、削ぎ落とした中に、ちゃんと大事なエッセンスは残してる。そして、登場人物のキャラとシーンの多さを、舞台ならではの「具象物を排した」ステージで観客の想像力と役者の演技に委ねる勇気。
もっとも、キャラメル内部のキャスティングについては、秋のグリーティングシアターからの(重複しないメンバーを選ぶと言う意味でも)冬公演で使えるキャストはだいたい目星が付く。冬にだけ出現するあの丸っこい癒しの天使(笑)とか、最近ほぼ年1回しか見かけないのが残念すぎる芝居巧者のあの人とか。香川○之さんの悪い役を演じさせるには、CBとしては一択で当然、というあの方とか。
それでもやっぱり、キャラメルボックス製の『ゴールデンスランバー』、
ゲスト俳優の味わいが良い!すごく良い!
今回の舞台化を成功させたファクターVIPは、間違いなく森田森吾を演じる山崎彬さん。
実は千秋楽の開演を待つ間、何とか劇団員でこの役をこの存在感と実力でできる人はいないかとイメージしてみたが、やっぱり、いなかった。(いないからゲストを呼ぶんですwとは社長のお話)というか、物語の序盤で死んでしまう森田を、こういう風に「使う」イメージは、私にはなかった。ヤラレタ!この「森田」の存在あってこそ、青柳が直面する危機がイキイキと活写されるのだ。そして、山崎さんのお芝居で、原作では生者の記憶にしか存在しない森田が、時に青柳をしのぐほどに魅力的な「今そこで生きている人間」として立ち上がってくる。
それにしても。立ち姿、声、気配の使い方、どれもすごく自分好みのお芝居だと思った。特に眼で魅せるシーンが素晴らしい。言葉のない場面で青柳以上に青柳の真情を増幅して見せる存在感が際立つ(この人の一人芝居を観てみたい、とすら思った)。なによりも青柳を見守る佇まいと「声」!!!時に兄のように、時に相棒のように、青柳を導き、励ます。あるいは時空を超越したストーリーテラーとして私たち観客の目線から物語を読み解いてみせる。あの存在があるからこそ、一幕2時間が青柳一人の『孤独のランナウェイ』ではなく『友情と希望の物語』足りうるのだと思う。
もう一人のゲスト、一色洋平くんasキルオ。映像化するなら濱田岳さんでアテ書きした、と噂されるあの役を、どう見せるのか。しかもオーディションでCB前作『嵐になるまで待って』からの前代未聞の連続客演。あーりーえーなーいー、と普通は思うだろう。しかし。初日のカテコ挨拶に居合わせた人は感じたかも知れない。客席からエア「おかえりなさい~!」が飛んでいたことを。もちろんキャラメルサポの皆様はマナーが行き届いているのでwそんなハシタナイ真似はしないものの、声でなく気持ちから出る「おかえり!幸吉くん!」の声援が熱く感じられた。(何せ、舌を鳴らす「あの仕草」で一瞬客席が沸いたのだから!)
洋平くんのキルオ、のっけからナイフ遣いに「わぉ!」→例の決め台詞「ビックリした?」で完落ち。動きの切れ、表情の豊かさ、表現の熱さ、得体の知れなさを持ちつつも何故か可愛らしい連続殺人犯!ものすごく練習したんだろうな、と伝わるナイフアクションは、流石。ラストシーンまで目が離せず、成程これならオーディションで落とせないね、と納得がいった。役やお芝居の熟成と言う点では初日では求むべくもなかったものの、説得力があったのは、最強かと。
とはいえ・・・
初日は私の知っている方々も観に来ておられたらしく、
終演直後の某SNSのタイムラインは、
『絶賛!岡田達也様 黒スーツ祭り!』
ブラック岡田達也兄貴様の黒スーツは反則!反則!
何なんだあの色気ダダ漏れの佐々木は!
あんなの佐々木じゃないーー!(注:全力で褒めてます!)
佐々木一太郎、あんなにカッコ良かったか?(爆)
「岡田達也兄貴は黒スーツを着るだけで世界征服できる!と観る側が一瞬血迷うほど、色気が半端ないw」(私の公式発表)みんな今日観たの何の芝居だ!!!wwwと言うほどに、主役もゲストも吹っ飛ばした挙句、盛り上がり通り越して大騒ぎになっていた・・・(^^; まあ、そのあたりは東京公演が終わったころにでも落ち着いて振り返ってみたい。←必要ないw
他にも、2016新人さんデビューとか、1人何役できるんだ?的アベジョーさんの怪演とか、菅野さんの出落ち的愛され方とか、石森美咲ちゃんの「恐るべき子役っぷり」に、坂口さんの硬軟自在の圧倒的な演技、あんりちゃんのヒロイン力、小多田さんの愛すべきヘタレ感、そもそも畑中さんの青柳はドンピシャ!などなど、語るべきところはいっぱいあるものの、まずは神戸千秋楽の私的なメモを少し。
★
神戸千秋楽の挨拶は(それまで小多田さんが初挑戦して、案の定と言うか心優しき先輩方に散々なイジられ&ツッコミを受けていたのですが)やはりというか、安定のこの方!キャラメルボックスの“ブラック・プリンス”岡田達也さん♪
(実は今回の公演メンバーでは、個人的にカテコ挨拶で一番しゃべって欲しいのはアベジョーさんなのです・・・それはトークの上手さ軽妙さよりも、疲れきった宮仕えもといサラリーマンの心を揺さぶって仕方のない、あの真摯で深い言葉の選び方ゆえです。それはまた次の機会に・・・)
ゲスト紹介とアンケートのお願いをしつつ、客席がソワソワしている「キャラメル配り」を前に、皆様にお願いがあります、と、さっきまで思いきり悪い役だったくせに、今やすっかり営業用スマイル全開の兄貴様から注意事項!
「僕たちはプロレスラーじゃないので、近くに行った際にバンバン強く叩かれますと、相当痛いので(ここで隣に立つあんりちゃんをシバく辺りが、やはり兄貴様であるw)どうかご遠慮ください」(笑)
「座席の前を通りますので、恐れ入りますが、足元のお荷物などを上げていただけますと嬉しいです」(当然だが皆素直に従う)
「そして、これはすごく大事なんですが、この人から欲しい!というご要望にはこたえられません。もしかしてお目当ての役者からもらえなくても、あからさまにガッカリした顔はなさらないでください。そういうとこ、役 者 は 繊 細 な ん で す !!」(爆笑!!!)
もちろん私も爆笑!この3年、クリスマス公演の最終日には誰かの口から必ず「あからさまに期待外れな顔しないで!」と出ているのを知っておりますので。
しかし!やっぱり「今年はこの人から欲しい!」というのがファン心理。ここ2年、私は強運に恵まれて、意中の人(笑)からキャラメルをもらいましたが・・・。
もうこうなると、舞台のキャストの立ち位置しか目に入らない。
やった!上手だ!
おおおおお、こっち来そうだ!
あれ?何か今隣の三浦さんの耳元でささやいたぞ?なんだなんだ?
BGM始まった!
舞台降りて、どこに行くのかな?・・・っと。
うわ、信じられない!
黒いサンタさん、ホントに、
「キタ━━(゚∀゚)━━!!」
もう目の前の3列か4列に配っているのを見ながら「緊張と期待で死にそうw」と心臓バクバクだったのですが!
ちゃんと悪い子(えっw)にしていたら、色気ダダ漏れの黒スーツなブラックサンタさんが到着♪
「メリー・クリスマス☆」と甘~い声で囁いて、キャラメルをくれました!ついでに握手も!!!
※劇中写真拝借。
うわー!目の前!というか近過ぎ!
5月の『竜馬』でも目の前で見ているはずなのに!やっぱり黒スーツ姿最強!!!終演直後だというのに、仄かに漂う甘い香り(これがいつぞや、多田さんが言ってた「脱いだワイシャツからもいい香りがする」っていうアレですなw)と、ヒンヤリ冷たい掌の感触に、心拍数MAX、目は釘付け!
思わず「今!すぐ!ここで!悪魔に魂売り渡してもいい!」などと口走りそうになったのはナイミツニナ。←(遅い!)
ちなみにこの日の私の悪い子ぶりは、撮影OKタイムのこの辺の写真が物語っているw
しかも、私の席のすぐ近くには、モフモフ王子こと畑中さんのお母様が座っていらして、舞台上から(そうとは知らない)畑中さんが、舞台上からマイクでこんなアナウンスをしているという!
「キャラメル、まだもらってない方いませんか?手を挙げてお知らせください!あと、岡田達也さんからは絶対もらいたくないという方も、手を挙げてお知らせください!」(爆笑)
ああ、何て命知らずなことを!!!(爆)
久しぶりの冬公演だったせいでしょうか、ご自分の担当エリアをホントに一人ひとり、丁寧に語りかけながら(通路でお客様の足を踏んでしまって恐縮してらしたけど、踏まれた女性客さんはめちゃくちゃ嬉しそうだったのも見たw)&握手しながらキャラメルを配っていたブラックサンタさん、そこでクルっと振り向くなり!!!
「お前!そんなこと言ってていいのかーーー?!
見ろ!こっちには人質がいるんだぞ!!!」(爆)
なんと、畑中さんのお母様の肩を抱えて、勝ち誇った笑み!!!
「あ・・・それ、オカン!」
一気に青ざめる畑中さんwww(大爆笑&拍手)
もちろん、お客様には紳士な兄貴様なので、お母様に拳銃を突きつけたりはしないw
「どうもご無沙汰してます、今日は観てらしたんですね、いかがでした?・・・そうですか、泣けましたか!お~い、今『泣けました』って最高の感想いただいたから~!良かったな!!」(またまた爆笑&拍手)
私のすぐ後ろから舞台声で叫ぶ兄貴様と、それにアタフタする可愛らしい王子と、横でお腹を抱えて笑い転げてるあんりちゃん。
周囲の観客の笑顔&あったかい拍手と、劇場中が家族のようにひとつになった空気感が、とても幸せで、とてもかけがえのない一瞬のように思えて、笑いながら何故かじわっと胸と目頭が熱くなる私でした。
これって、キャラメルボックス以外にありえない瞬間だよね??
信じられないけど、ホントにここ劇場なんだよね?(笑)
★
そして!あれやこれやハプニングのあったキャラメル配りが終わり、締め職人には達也さんからご指名のこの方が!
アベジョーさん!!!!!(嬉)
「保土ヶ谷の役だったらいっそ何でもできたと思うんですけど(笑)、この格好(=青柳父)だと、役のイメージも大事にしないといけなくて・・・ところで皆さんの中に痴漢はいませんか?!いたら正直に名乗り出てください!(爆)」
ここで「痴漢は死ね」の書き初めがスクリーンに映し出され、観客は笑いで悶絶www
聞いてどうする!!と全員から激しいツッコミを受けるアベジョーさん。全く動じませんw
「いや、この三本締めは痴漢は追い出して、それからやろうと思うので!!」(再爆)
いるわけないだろ!と再度ツッコミの嵐をくらいながら、アベジョーさん、もう芝居なのか地なんだか分からないくらいの冷静な進行っぷり。
アベジョーさん「彬のとこ(劇団『悪い芝居』)は(千秋楽に)三本締めとかやる?」
山崎さん「いや・・・やらないですね」(やや引いてる感がたまらなかったw)
アベジョーさん「洋平は三本締め分かるか?元気すぎて三三七拍子とか間違えてやったりしない?」
一色くん「いやそれは知ってます!分かってますから!」(爆笑)
と言うわけで。三本締め!!!「完」の字もスクリーンに出て、見事に決まり・・・と思いきや。アベジョーさんが「暑いから」と脱いだセーターの下には、何と赤いブラジャー(一応シャツの上から装着、ついでに全然サイズが合ってないw)!!!
場内騒然&悲鳴に近い歓声。ここまでの痴漢ネタはこのためだったのか!?と、皆の視線は下手にいた青柳母こと坂口さんの恐ろしい形相へ・・・!!!
固唾を呑んで静まりかえる劇場。
一言も発しないまま、ツカ、ツカ、ツカ、とアベジョーさんに怖い顔で歩み寄る坂口さん。
その手には何かを持っていて・・・ぐいっとアベジョーさんの手をつかむなり。「ぺたっ」
「たいへんよくできました」(スタンプ)
アベジョーさん「やったー!」と、破顔一笑!!「やっぱり家族っていいよなあ!」坂口さんと抱き合い、さらに畑中さんも加わって、劇中でついに再会することがなかった青柳家3人の抱擁シーンに、全新神戸オリエンタル劇場が爆笑&涙したのは言うまでもないw
こんな千秋楽があって良いんですか??
こんな三本締めがあって良いんですか??(良いんです!)
そこからの客席退場で「(胸を)触らないで!」「あいつ付けてるなって目で見ないで!」と問題の下着をお腹までズリ落としてセーターで隠しているアベジョーさんと、それを見るMCの達也さんの「どこか敗北感すら滲ませたドン引き笑顔」に、最高に笑わせてもらいましたwww
やっぱりキャラメルボックスは最高です!
東京にも遠征するけれど、
今年の締めくくりは私にはこの日の神戸で十分です。
2016年もありがとうございました!
感謝!!!
★
なお、終演後にさるやんごとなきお方から「何という悪運、何という引きの強さ!」と最大級の褒め言葉を頂戴したものの、こんな会話が。
「どうやって調べたんですか、まさか劇団のPCハッキングしたとか!?」
「そうそう、それでココに来てねって...そんなわけないですよ!そんなの調べようがないじゃないですか!(笑)それにここ2年は私、大楽は2階席でしたし!統計まで取れませんよ💧」
「アレは開演前に決まっているそうですからね~」
なるほど。ちゃんと段取りしてないと時間内に配り終えられませんものね!
そして翌日。
ブラックサンタさんのブログで種明かしが。
あれは成井さん決定事項なんだそうです!
配るのも演出のうち?(笑)
だとしても、いろんな偶然が重なった幸運。
ひと足早いクリスマス気分を味わいました!\(^-^)/
伊坂幸太郎さん原作の『ゴールデンスランバー』!
映画も原作も知っているだけに、あれを2時間で?!無理でしょう!!と思ったのは当然ですが・・・この劇団、あの『鍵泥棒のメソッド』とか『ナミヤ雑貨店の奇跡』ほか原作モノの舞台化に関しては「不可能を可能にしてきた」実績があります。今回も当然こちらの期待を裏切らない、と踏んで参戦したのですが。
初日終演後の感想は、ただひとこと。
――― OH MY GOD!!
やっちまったよコイツら! ―――
言葉が荒いのはお許しください。
そのくらい、衝撃的だったのです。
以下は千秋楽レポも兼ねた、覚え書きです。
★
まずは、見事に作品を絞りきってきたな、という成井さんの技量に感服。削いで、削いで、削ぎ落とした中に、ちゃんと大事なエッセンスは残してる。そして、登場人物のキャラとシーンの多さを、舞台ならではの「具象物を排した」ステージで観客の想像力と役者の演技に委ねる勇気。
もっとも、キャラメル内部のキャスティングについては、秋のグリーティングシアターからの(重複しないメンバーを選ぶと言う意味でも)冬公演で使えるキャストはだいたい目星が付く。冬にだけ出現するあの丸っこい癒しの天使(笑)とか、最近ほぼ年1回しか見かけないのが残念すぎる芝居巧者のあの人とか。香川○之さんの悪い役を演じさせるには、CBとしては一択で当然、というあの方とか。
それでもやっぱり、キャラメルボックス製の『ゴールデンスランバー』、
ゲスト俳優の味わいが良い!すごく良い!
今回の舞台化を成功させたファクターVIPは、間違いなく森田森吾を演じる山崎彬さん。
実は千秋楽の開演を待つ間、何とか劇団員でこの役をこの存在感と実力でできる人はいないかとイメージしてみたが、やっぱり、いなかった。(いないからゲストを呼ぶんですwとは社長のお話)というか、物語の序盤で死んでしまう森田を、こういう風に「使う」イメージは、私にはなかった。ヤラレタ!この「森田」の存在あってこそ、青柳が直面する危機がイキイキと活写されるのだ。そして、山崎さんのお芝居で、原作では生者の記憶にしか存在しない森田が、時に青柳をしのぐほどに魅力的な「今そこで生きている人間」として立ち上がってくる。
それにしても。立ち姿、声、気配の使い方、どれもすごく自分好みのお芝居だと思った。特に眼で魅せるシーンが素晴らしい。言葉のない場面で青柳以上に青柳の真情を増幅して見せる存在感が際立つ(この人の一人芝居を観てみたい、とすら思った)。なによりも青柳を見守る佇まいと「声」!!!時に兄のように、時に相棒のように、青柳を導き、励ます。あるいは時空を超越したストーリーテラーとして私たち観客の目線から物語を読み解いてみせる。あの存在があるからこそ、一幕2時間が青柳一人の『孤独のランナウェイ』ではなく『友情と希望の物語』足りうるのだと思う。
もう一人のゲスト、一色洋平くんasキルオ。映像化するなら濱田岳さんでアテ書きした、と噂されるあの役を、どう見せるのか。しかもオーディションでCB前作『嵐になるまで待って』からの前代未聞の連続客演。あーりーえーなーいー、と普通は思うだろう。しかし。初日のカテコ挨拶に居合わせた人は感じたかも知れない。客席からエア「おかえりなさい~!」が飛んでいたことを。もちろんキャラメルサポの皆様はマナーが行き届いているのでwそんなハシタナイ真似はしないものの、声でなく気持ちから出る「おかえり!幸吉くん!」の声援が熱く感じられた。(何せ、舌を鳴らす「あの仕草」で一瞬客席が沸いたのだから!)
洋平くんのキルオ、のっけからナイフ遣いに「わぉ!」→例の決め台詞「ビックリした?」で完落ち。動きの切れ、表情の豊かさ、表現の熱さ、得体の知れなさを持ちつつも何故か可愛らしい連続殺人犯!ものすごく練習したんだろうな、と伝わるナイフアクションは、流石。ラストシーンまで目が離せず、成程これならオーディションで落とせないね、と納得がいった。役やお芝居の熟成と言う点では初日では求むべくもなかったものの、説得力があったのは、最強かと。
とはいえ・・・
初日は私の知っている方々も観に来ておられたらしく、
終演直後の某SNSのタイムラインは、
『絶賛!岡田達也様 黒スーツ祭り!』
ブラック岡田達也兄貴様の黒スーツは反則!反則!
何なんだあの色気ダダ漏れの佐々木は!
あんなの佐々木じゃないーー!(注:全力で褒めてます!)
佐々木一太郎、あんなにカッコ良かったか?(爆)
「岡田達也兄貴は黒スーツを着るだけで世界征服できる!と観る側が一瞬血迷うほど、色気が半端ないw」(私の公式発表)みんな今日観たの何の芝居だ!!!wwwと言うほどに、主役もゲストも吹っ飛ばした挙句、盛り上がり通り越して大騒ぎになっていた・・・(^^; まあ、そのあたりは東京公演が終わったころにでも落ち着いて振り返ってみたい。←必要ないw
他にも、2016新人さんデビューとか、1人何役できるんだ?的アベジョーさんの怪演とか、菅野さんの出落ち的愛され方とか、石森美咲ちゃんの「恐るべき子役っぷり」に、坂口さんの硬軟自在の圧倒的な演技、あんりちゃんのヒロイン力、小多田さんの愛すべきヘタレ感、そもそも畑中さんの青柳はドンピシャ!などなど、語るべきところはいっぱいあるものの、まずは神戸千秋楽の私的なメモを少し。
★
神戸千秋楽の挨拶は(それまで小多田さんが初挑戦して、案の定と言うか心優しき先輩方に散々なイジられ&ツッコミを受けていたのですが)やはりというか、安定のこの方!キャラメルボックスの“ブラック・プリンス”岡田達也さん♪
(実は今回の公演メンバーでは、個人的にカテコ挨拶で一番しゃべって欲しいのはアベジョーさんなのです・・・それはトークの上手さ軽妙さよりも、疲れきった宮仕えもといサラリーマンの心を揺さぶって仕方のない、あの真摯で深い言葉の選び方ゆえです。それはまた次の機会に・・・)
ゲスト紹介とアンケートのお願いをしつつ、客席がソワソワしている「キャラメル配り」を前に、皆様にお願いがあります、と、さっきまで思いきり悪い役だったくせに、今やすっかり営業用スマイル全開の兄貴様から注意事項!
「僕たちはプロレスラーじゃないので、近くに行った際にバンバン強く叩かれますと、相当痛いので(ここで隣に立つあんりちゃんをシバく辺りが、やはり兄貴様であるw)どうかご遠慮ください」(笑)
「座席の前を通りますので、恐れ入りますが、足元のお荷物などを上げていただけますと嬉しいです」(当然だが皆素直に従う)
「そして、これはすごく大事なんですが、この人から欲しい!というご要望にはこたえられません。もしかしてお目当ての役者からもらえなくても、あからさまにガッカリした顔はなさらないでください。そういうとこ、役 者 は 繊 細 な ん で す !!」(爆笑!!!)
もちろん私も爆笑!この3年、クリスマス公演の最終日には誰かの口から必ず「あからさまに期待外れな顔しないで!」と出ているのを知っておりますので。
しかし!やっぱり「今年はこの人から欲しい!」というのがファン心理。ここ2年、私は強運に恵まれて、意中の人(笑)からキャラメルをもらいましたが・・・。
もうこうなると、舞台のキャストの立ち位置しか目に入らない。
やった!上手だ!
おおおおお、こっち来そうだ!
あれ?何か今隣の三浦さんの耳元でささやいたぞ?なんだなんだ?
BGM始まった!
舞台降りて、どこに行くのかな?・・・っと。
うわ、信じられない!
黒いサンタさん、ホントに、
「キタ━━(゚∀゚)━━!!」
もう目の前の3列か4列に配っているのを見ながら「緊張と期待で死にそうw」と心臓バクバクだったのですが!
ちゃんと悪い子(えっw)にしていたら、色気ダダ漏れの黒スーツなブラックサンタさんが到着♪
「メリー・クリスマス☆」と甘~い声で囁いて、キャラメルをくれました!ついでに握手も!!!
※劇中写真拝借。
うわー!目の前!というか近過ぎ!
5月の『竜馬』でも目の前で見ているはずなのに!やっぱり黒スーツ姿最強!!!終演直後だというのに、仄かに漂う甘い香り(これがいつぞや、多田さんが言ってた「脱いだワイシャツからもいい香りがする」っていうアレですなw)と、ヒンヤリ冷たい掌の感触に、心拍数MAX、目は釘付け!
思わず「今!すぐ!ここで!悪魔に魂売り渡してもいい!」などと口走りそうになったのはナイミツニナ。←(遅い!)
ちなみにこの日の私の悪い子ぶりは、撮影OKタイムのこの辺の写真が物語っているw
しかも、私の席のすぐ近くには、モフモフ王子こと畑中さんのお母様が座っていらして、舞台上から(そうとは知らない)畑中さんが、舞台上からマイクでこんなアナウンスをしているという!
「キャラメル、まだもらってない方いませんか?手を挙げてお知らせください!あと、岡田達也さんからは絶対もらいたくないという方も、手を挙げてお知らせください!」(爆笑)
ああ、何て命知らずなことを!!!(爆)
久しぶりの冬公演だったせいでしょうか、ご自分の担当エリアをホントに一人ひとり、丁寧に語りかけながら(通路でお客様の足を踏んでしまって恐縮してらしたけど、踏まれた女性客さんはめちゃくちゃ嬉しそうだったのも見たw)&握手しながらキャラメルを配っていたブラックサンタさん、そこでクルっと振り向くなり!!!
「お前!そんなこと言ってていいのかーーー?!
見ろ!こっちには人質がいるんだぞ!!!」(爆)
なんと、畑中さんのお母様の肩を抱えて、勝ち誇った笑み!!!
「あ・・・それ、オカン!」
一気に青ざめる畑中さんwww(大爆笑&拍手)
もちろん、お客様には紳士な兄貴様なので、お母様に拳銃を突きつけたりはしないw
「どうもご無沙汰してます、今日は観てらしたんですね、いかがでした?・・・そうですか、泣けましたか!お~い、今『泣けました』って最高の感想いただいたから~!良かったな!!」(またまた爆笑&拍手)
私のすぐ後ろから舞台声で叫ぶ兄貴様と、それにアタフタする可愛らしい王子と、横でお腹を抱えて笑い転げてるあんりちゃん。
周囲の観客の笑顔&あったかい拍手と、劇場中が家族のようにひとつになった空気感が、とても幸せで、とてもかけがえのない一瞬のように思えて、笑いながら何故かじわっと胸と目頭が熱くなる私でした。
これって、キャラメルボックス以外にありえない瞬間だよね??
信じられないけど、ホントにここ劇場なんだよね?(笑)
★
そして!あれやこれやハプニングのあったキャラメル配りが終わり、締め職人には達也さんからご指名のこの方が!
アベジョーさん!!!!!(嬉)
「保土ヶ谷の役だったらいっそ何でもできたと思うんですけど(笑)、この格好(=青柳父)だと、役のイメージも大事にしないといけなくて・・・ところで皆さんの中に痴漢はいませんか?!いたら正直に名乗り出てください!(爆)」
ここで「痴漢は死ね」の書き初めがスクリーンに映し出され、観客は笑いで悶絶www
聞いてどうする!!と全員から激しいツッコミを受けるアベジョーさん。全く動じませんw
「いや、この三本締めは痴漢は追い出して、それからやろうと思うので!!」(再爆)
いるわけないだろ!と再度ツッコミの嵐をくらいながら、アベジョーさん、もう芝居なのか地なんだか分からないくらいの冷静な進行っぷり。
アベジョーさん「彬のとこ(劇団『悪い芝居』)は(千秋楽に)三本締めとかやる?」
山崎さん「いや・・・やらないですね」(やや引いてる感がたまらなかったw)
アベジョーさん「洋平は三本締め分かるか?元気すぎて三三七拍子とか間違えてやったりしない?」
一色くん「いやそれは知ってます!分かってますから!」(爆笑)
と言うわけで。三本締め!!!「完」の字もスクリーンに出て、見事に決まり・・・と思いきや。アベジョーさんが「暑いから」と脱いだセーターの下には、何と赤いブラジャー(一応シャツの上から装着、ついでに全然サイズが合ってないw)!!!
場内騒然&悲鳴に近い歓声。ここまでの痴漢ネタはこのためだったのか!?と、皆の視線は下手にいた青柳母こと坂口さんの恐ろしい形相へ・・・!!!
固唾を呑んで静まりかえる劇場。
一言も発しないまま、ツカ、ツカ、ツカ、とアベジョーさんに怖い顔で歩み寄る坂口さん。
その手には何かを持っていて・・・ぐいっとアベジョーさんの手をつかむなり。「ぺたっ」
「たいへんよくできました」(スタンプ)
アベジョーさん「やったー!」と、破顔一笑!!「やっぱり家族っていいよなあ!」坂口さんと抱き合い、さらに畑中さんも加わって、劇中でついに再会することがなかった青柳家3人の抱擁シーンに、全新神戸オリエンタル劇場が爆笑&涙したのは言うまでもないw
こんな千秋楽があって良いんですか??
こんな三本締めがあって良いんですか??(良いんです!)
そこからの客席退場で「(胸を)触らないで!」「あいつ付けてるなって目で見ないで!」と問題の下着をお腹までズリ落としてセーターで隠しているアベジョーさんと、それを見るMCの達也さんの「どこか敗北感すら滲ませたドン引き笑顔」に、最高に笑わせてもらいましたwww
やっぱりキャラメルボックスは最高です!
東京にも遠征するけれど、
今年の締めくくりは私にはこの日の神戸で十分です。
2016年もありがとうございました!
感謝!!!
★
なお、終演後にさるやんごとなきお方から「何という悪運、何という引きの強さ!」と最大級の褒め言葉を頂戴したものの、こんな会話が。
「どうやって調べたんですか、まさか劇団のPCハッキングしたとか!?」
「そうそう、それでココに来てねって...そんなわけないですよ!そんなの調べようがないじゃないですか!(笑)それにここ2年は私、大楽は2階席でしたし!統計まで取れませんよ💧」
「アレは開演前に決まっているそうですからね~」
なるほど。ちゃんと段取りしてないと時間内に配り終えられませんものね!
そして翌日。
ブラックサンタさんのブログで種明かしが。
あれは成井さん決定事項なんだそうです!
配るのも演出のうち?(笑)
だとしても、いろんな偶然が重なった幸運。
ひと足早いクリスマス気分を味わいました!\(^-^)/