徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

聖ボニファティウスの町 フルダ

2020年06月03日 | 旅行
(2020年6月執筆)

6月1日は「聖霊降臨祭の月曜日」で祝日でした。

ロックダウンの緩和で人の移動はかなり自由になりましたが、不要不急ゆえに一応「州を超えての移動はまだ控えよう」と思い、今回のリハビリ日帰り旅はヘッセン州内の目的地になりました。フランクフルトから約100km(急行列車で80分)というとかなりの距離ですが、フルダからさらに約100km北に行ったカッセルもまだヘッセン州内。フランクフルトの位置が州内の南西端に近いからなのですね。







フルダの歴史は紀元前、発展は8世紀にさかのぼり、ドイツとイングランドの守護聖人ボニファティウスの眠る巡礼地であり、かつては大司教が治め大学や修道院を擁していた文化の中心でもあり、かのゲーテも利用していた旧い街道の宿場町です。







東西分断時代は東独国境まで30㎞余り、西側世界の最前線でもあり、軍事的には「フルダ・ギャップ」という用語すらあったことも、今に至る歴史の移り変わりを思わずにはいられません。
街並みはよく整備され、町のシンボルフルダ大聖堂、女子修道院、9世紀の質実簡素な前期ロマネスク様式の教会、環状城壁や門構え、木組みの家並みなど、歩いて回れる小さな町ながらもドイツらしい魅力にあふれています。









バロック様式の華麗な(大司教の居住した)城館では、地元のナッサウ公爵家にゆかりのある陶磁器コレクションや、豪奢な謁見の部屋を見て回ることができます。















この日はやや汗ばむほどの陽気で、中心街にあるレストランのテラス席で飲んだビールは本当においしかった…!ロックダウンからの開放感もあったかもしれませんが。(笑) 残念ながらオーダーした鱒のホイル焼きは、自分で作ったほうがましというクオリティでしたが。ドイツではよほどでなければ魚料理を食べるなんて、避けた方がいい…なぜやっちまったんだ自分。





街の北にある丘の上にはフラウエンベルク修道院があり、薬草園や庭園、フルダの街を見渡せるテラスなど、これもおすすめスポットです。













結局のんびりとアイスクリーム食べ歩いたりして、夕方のICEでフランクフルトまで帰りました。
日帰りとはいえ、十分リフレッシュ!





本当はもう少し遠出をしたかったのですが、それはまた別の機会に。

(おわり)