おひさしぶりです。ご無沙汰をしております。
気が付けば8月も残り10日、ようやく暑い東京に戻ってまいりました庵主です。
少し間が空いてしまいましたが、キャラメルボックス『TRUTH』東京公演ひとまず総括(その2)です。
明日から大阪公演が始まるので、こちらも大楽までに書き上げたいと思います。
※写真は東京公演前半に観たすべてのチケットw せっかくなので記念撮影しました。
≪各登場人物への感想 その2≫
★吉川ふじ
前回の「その1」でも書いた通り、私の中の虎太郎のイメージが大きく変わったので、当然彼の妻であるふじに対しても全く新しいインパクトがありました!そしてやっぱり岡内さんが演じたのが大きいなあ…とも。2014年は3作連続で出演されていた『ヒトミ』の佐久間先生→『鍵メソ』の香苗→『TRUTH』のふじ、と生で観てきましたが、どの役でも「なんて繊細で緻密なお芝居なんだろう」と、思わず見入ってしまう、私の大好きなCBの女優さんのおひとりです。感性やヒラメキ系ではなく、良い意味で計算され尽くした、指先ひとつ/視線ひとつ/首の傾げ方ひとつに、必ず「意味がある」演技…とでも言いましょうか。
そんな新しい「ふじ」の存在感!前に書いた虎太郎の「優しさ」が分かりやすいイマドキ感だとすれば、こちらも「ダンナを尻に敷く」というよりは、遠慮せずに正しいと思ったことはハッキリものを言う対等な関係性、とても現代的な匂いのする女性像です。そして彼女の「優しさ」「思いやり」もまた、虎太郎のお芝居の持つ空気感とも相まって、大きく増幅されているように思えます。←もちろんふじというキャラクターの持つ「器の大きさ、度胸」は、初演・再演からも感じていましたが、今回は生で観たので尚更!!元々の役柄の持っている「武士の妻」としての控えめな強さが、しなやかさと明るさ(たくましさも?w)を増して訴えかけてくるようにも見えました。
とにかく、相手が弦次郎であれ鏡吾であれ隼助であれ、ピシリと一本筋の通ったブレない言動が爽やか!そして、一方で醸し出す「可愛らしさ」…たとえば「残念でした~♪鏡吾さんは留守ですよ」の、柱の影から半分だけちょこんと顔をのぞかせる仕草なんかは文句なしに「可愛過ぎるにもほどがある!w」(←この場面大好き!ちなみに虎太郎の「可愛いから許す!」も大好きですw)一方で隼助に「自分を責めるのはお止しなさい!」と一喝する姿は凛々しく頼もしい「6人組を見守り育てる母親役」のようでもあり(ということは…男どもは何だかんだでふじさんの掌の上で踊っていることになるのか?!w)武田さん演じる帆平先生とのやりとりは息の合った漫才コンビ?!「ぷはぁ~」と茶碗酒を一気飲みする姿は(とっても美人なのに)お茶目で豪快ですらあり…コメディエンヌとしても素敵!流石だ、ダテに年季は入ってない!!(爆) ←またもスライディング土下座確定?!
ひとつひとつ挙げるまでもなく、その感情表現や所作は数えきれないほど多彩で、一体どれだけ多くのお芝居的抽斗があるんだろう!と毎回・毎登場場面/台詞ごとにものすごくワクワクさせられました。岡内さん、『鍵メソ』の香苗役も素敵でしたが、ひとりの役者さんが持つ演技のバリエーションを存分に味わう、という点では今回の『TRUTH』のふじ役はまさしく「ごちそうさまでしたッ!!」と頭を下げたくなるほどに大・満・足でした♪
★池波初音
2014年版の実川さん演じる「初音さん」については、初日感想(その2)でも書きましたが…圧倒的な「ヒロイン力(りょく)」これに尽きる!と思います。正直に言うと、これまでの2回の公演では映像で見たせいもあり、どうしても「男ドラマ」のほうに目が行ってしまって、女性登場人物たちのインパクトが感情移入できるレベルでは無かったり、特に初音に関しては弦次郎と英之助双方から想いを寄せられるという設定でありながら「う~ん???」と首を傾げてしまう部分も、無きにしも非ず、だったのです。(すみません)
ですがっ!!!
今回はその印象をズバッと斬り捨てられるような、たおやかな中にも凛とした華やかさ…ただただ、ビックリ!
弦次郎を追いかけるシーンで「今の声が聞こえたのですか?」と、小首を傾げてちょっと手を耳に当てる仕草の可憐さに思わず「キュン」とするほどで、もちろん扮装の似合いっぷりは言うまでもなく…品の良いかつら(あれは島田髷?)も、淡いクリーム色とオレンジの着物も、回想シーンでのピンクの着物も、剣道の稽古着ですらも何とも美しくしっくりなじんで、溜息が出るような、まさしくヒロイン♪ さすがは「あの」ヒトミ様だ…! ←違w
自分がちょっと変わり者だからかもしれませんが、どうも「絵に描いたようなヒロインキャラ」って、見ていて「イラアアアッ!!!」とさせられる時があるんですよね(爆笑w)。昔から少女漫画がすごく苦手でしたし…なのに、実川さんの初音には一切それがない、どこまでも透明で嫌みがない。何故だろう、上手く表現できませんが、ヤマユリのような気品としなやかな力強さとでも言うか。
前の方でなくとも十分すぎるほどに訴えかけてくる、あの大きな瞳の放つエネルギー。そしてあの(抑えた演技の時ですら)良く響く声!!今回の初音は何て感情が豊かなんだろう!!と毎回心を揺さぶられました。
手紙を読むシーン、弦次郎との対話シーンでは、心の揺れがそのまま声色に滲んでいるような、深い情感が伝わってきて「今まで私が全然気づいてなかった初音自身の感情の揺れ動きが、ようやく分かってきた…!」と思わず涙ぐむことも多々ありました(弦次郎への別れの挨拶シーンは何度かボロボロ泣いてしまった…)。彼女が純粋に弦次郎に寄せる信頼や愛情が強烈に伝わってきたからこそ、私が観る舞台上の弦次郎へのシンパシーも強く深く増幅されたのだと思っています。
毎回ゾクゾクした場面のひとつが、ラスト海音寺での斬り合い。弦次郎を庇い、女ながらひるむ様子も見せず「あのダークサイドまっしぐら状態な鏡吾」に相対するシーン!もちろん実力では鏡吾に敵うわけもないのですが、大切な存在を守る時に人はこれほど強くなれるのか、と彼女の決死の眼差しに胸を突かれました。(そして向けられた剣先を払うと躊躇なく彼女を斬ろうとした鏡吾がこれまた怖すぎて…っ!身に纏うオーラの何という禍々しさ!毎回ゾワリといたしました…)
今回の女優さんのキャスティングを聞いた時に「おおっ!!!」と思った私の期待は見事に叶えられたわけですが(皆さんハマり過ぎ!)、特に実川さんの初音に関しては何もかも納得。やはりこの物語のヒロインは貴女しかいません!と断言できます!!!
★池波美緒
『TRUTH』に出てくる女性キャラは三者三様で、それぞれ異なる感情表現(愛や信頼に限らず、喜怒哀楽の感情全般)をしている…というのはこれまでにも感じていたことです。ただナマ舞台の良さは「DVDなどで画面に映らない部分も含めて、観る側の五感に訴えてくる情報量が圧倒的に多い!」それもあってか、これまで影の薄いキャラナンバーワン(ゴメンナサイ…というか他が強烈過ぎるんですよ…!)だった美緒ちゃん、ここにきて存在感が大幅UP!
ふじ>初音>美緒、と年齢が下がってくるごとに「自己抑制」よりも「素直な思い」が前面に出てくるなあ、と。ふじや初音が「大人の女性」としての輝きなら、いつもなら「一本調子だな」と思うくらいのお芝居や「直球ドストライク」なひたむきさが、逆に重苦しいドラマの中での「清涼剤」のようにも思える光り方、これは意外~!?
美緒を演じた林貴子さん、まひろ@『あなたがここにいればよかったのに』よりも断然!イキイキ&のびのびしていると思いました。妹キャラという点では『涙』の樹雨とも存在がクロスオーバーする部分がありますが、こっちの方がパワーというか…馬力がすごいw 美緒の年齢設定がどのくらいか…多分「嫁に行け」と言われるくらいだから十代の後半でしょう。しかし、あの無邪気なまでのエネルギーは年齢を飛び越えて観る側に訴えかける純粋さがありました。恋する乙女ってこんなに強かったっけ?!と目を見張るほどに、折々のシーンで見せる彼女の突破力は凄い!!と素直に羨ましく感じました。
そう…羨ましいというか、一体全体、この「真っ直ぐすぎるほど真っ直ぐな気持ち」を、(例えば中学生の時にでもw)自分は持ったことがあっただろうか?なんて自問自答したり(笑)―― 昨今の世相を見ていると、感情をあらわにしないことや素直にならないことがカッコイイと勘違いしている向きも少なくないだろうに、言葉には出さないまでも弦次郎に向ける憧れや恋心を素直に全身全霊で表現する彼女が、ちょっと眩しかったのは事実です(意図的にではないだろうけど、結果として弦次郎も罪な男だなあ…なんて、一方で苦笑いw)。
もっと言えば、美緒はその最たる例ですが、初音にしてもふじにしても、女性キャラそれぞれの感情表現や行動が、21世紀の今では残念ながら?失われてしまった「古き良き時代」を伝えているようにも思ったのです。初音と弦次郎の関係も一言で言えば「相思相愛」でありながら、身分の違いでお互いへの好意を言い出せない「制約」や、弦次郎への国許帰還命令で別離を余儀なくされる際にも「お別れするのが寂しい」とだけ…決して胸の奥に秘めた想いは口にしない(それを「手紙」が効果的に補っているあの脚本の作りが好きでもあります)、このどうしようもないもどかしさ!!! 今ならメールの一本で済んでしまうこと、簡単に口にしてしまえることが、この時代の彼ら彼女らにとっては何と迂遠で、何と難しいことなのかと。もどかしいけれども、一方で矜持や奥ゆかしさを身に纏う登場人物たちに、私は「秘すれば花」とでも言うような美しさを見出していたように思います。
おっと。またも話がズレました。美緒ちゃんと言えば、帆平先生との兄妹漫才がまたまた毎回可笑しくて!兄上の大人げなさが美緒ちゃんのストレートさとぶつかってさらに加速して爆発、「しょうがないわね~w」と初音ならずとも微笑ましく見守ってしまいます。…というか、池波家の面々は其々個性的ですが、武闘派から恋する乙女まで程度の差こそあれ「直球勝負!」がDNAのようですねw
★池波帆平
ご存知、登場人物たちの剣の師匠。初演ではCB西川さん、再演では劇団ショーマの川原和久さんが演じた、この舞台で一番大切な言葉「TRUTH」を口癖にする人でもあります!!!すばらしい劇中アクセントとなる存在感と、軽妙さ重厚さを併せ持った素敵なキャラ造形で、どっちも甲乙付けがたく私の大好きなキャラです。
今回そんな愛すべき帆平師匠を演じたのは、アクションクラブの武田浩二さん。出てきた瞬間から「わ。この人ホントに腕が立つ…!」と直感したほどに、達人オーラがバリバリです。そりゃそうでしょう、ホントにこの舞台の殺陣の師匠でもいらっしゃるのですから。醸し出す雰囲気が『蒼の乱』に出ていた川原正嗣さんとそっくりだ!って、同じアクションクラブだし、そもそもあの舞台に武田さんも出てたじゃん!とひとり二重三重にツッコミ入れて自爆していたことを白状いたします…。
要は「マジで斬られる感」たっぷりな貫禄が、決して大柄ではないその全身からどっしり重く発せられているのです。実は再演のときに川原帆平先生がちょっと残念な刀の持ち方をされているシーンを見つけてしまって「あ~あ…orz」なんてツッコミしていたのですが、今回はどこから見ても隙がない。唯一の不覚は、とある8月初めの土曜日夜公演で酔剣の披露時に「まさかの」カツラ飛ばしをやらかしてしまわれたくらいでしょうかwww ←シリアスなシーンじゃなくてホントによかった!
ところで。再再演にあたって元々の戯曲からたくさんの台詞が削られているのに気づきました。初日から「あっ」と思ったのが、実は帆平先生にかかわる事でした。
その1。
2005弦次郎「池波家は代々藩の剣術指南役だ…」
→2014弦次郎「池波家は代々組頭をつとめる家柄だ…」
その2。
2005鏡吾「(山岡に向かって)しかし、池波先生は藩を出たお方です…」
→2014鏡吾:この台詞を含む一節がまるっとカットされている!!!
鏡吾の台詞は他にもかなり大胆に削られているのですが、ここは帆平先生の素性にも関わるところだったので「えええ!そこ削っちゃうか!?」と思ったのでした!まあ、本筋には余り影響がありませんがw池波帆平・美緒兄妹と初音・三郎太姉弟の関係が「帆平の父の兄が池波家総領で剣術指南役を継いでいて、帆平の父親は傍流の気楽さで武者修行中にでも浪人して道場を開いて、帆平が二代目、その縁で上田の藩士を預かっている」と脳内補完しておりましたので(そうなると美緒が上田に行ったことがない、というのは兄妹の父親が江戸詰めのときに生まれて、そのまま…とも解釈できるのです)ちょっと意外でした。 ←まあ、どっちにしても細かいことです。
それにしても、実際の「殺陣の師匠」という事実が持つパワーは他の役者さんたちにも波及していて、決して設定だけではない「師弟関係」のリアリティ、親しみと緊張感がごく自然に舞台に満ちていたのが印象的でした。しかし、それは堅苦しいものではなくて、むしろ演じている役者さん自身の持つ空気感と交じり合って、肩のこらない、師範と門弟でありながらも「共同体」としての若々しいエネルギーになって物語の活気を増していました。ふっと、幕末江戸の三大道場(練兵館もそのひとつですが)は剣の修行のみならず、当時の若い武士たちの藩や身分を越えた社交場であり情報交換や知己を得る場でもあったことを思い起こし、ああ、きっと当時の江戸の道場はこんな沸き立つような時代の熱気であふれていたんだろうなあ…と意識がタイムスリップするような気分になりました。それほどに、私にとっては「フィクションでありながらもリアル」だったのです。それはまさしく帆平先生の軽妙な江戸っ子風しゃべりを随所にちりばめた「若者たちにとっての人生の師」的な存在感のなせるわざかと思います。
劇中で数々の名台詞を持つ師匠ですが、やはり、私はこの言葉をBGMつきの生で聞いた瞬間、全身が興奮に震えました!センターに立つ武田帆平先生が神々しくさえ思えた、といっても過言ではありません!!!
「自分のトゥルースのために生きること。それが人としてこの世に生まれた者の使命だ」
使命とは、文字通り生命を使うこと、と誰かに聞いたことがあります。帆平先生のこの言葉は、今回『涙を数える』で明かされた鏡吾の苛烈な過去の体験を思い起こしながら噛み締めると、彼の背負う数々の生命(父母や明一郎や貞蔵)と、彼自身の生命、その二つの使い道についてより深く苦く思いをめぐらせたものでした(涙目)。
そしてもちろん!再再演の三代目・帆平先生もまた、私の大好きキャラリスト入り決定です!!!
と、ここまで書いてまたもや時間切れ…!
まだ二/三人残っています。それもかなり語りた~~~い方々がw
続きは明日以降加筆いたします!!!
(8月21日加筆)↓
★山岡忠兵衛(上田藩江戸留守居役)/月真(海音寺住職)
年長組3人以外で唯一変わらなかった過去2回のオリジナルキャスト・篠田剛さんから、今回筒井さんにバトンタッチ!(筒井さんは05の虎太郎なので、畑中さん同様、99や05をDVDで親しんできたファンには「クスッ」と笑ってしまったポイントですw)
ところで筒井さんってホントに着物が似合いますよね。普段から着ているという「似合い方」ではなくて、着た時の「サマになる」感じが多分2014『TRUTH』全キャスト中でナンバー1!だったと個人的に思います。特に山岡様の扮装はそれなりに地位のある武士が着る羽織でボリューム感もあって、それに全く負けていない恰幅の良さは、最早そんじょそこらでは真似できないレベル。いやもうアナタは江戸時代の人でしょ!みたいな馴染みっぷり、それに05虎太郎の時もそうでしたが「きれいなおでこの持ち主さん」って月代つきのかつらがとても似合うんですよね~v ご本人は「老けメイク」をしたとおっしゃっていたようですが…老けているというよりは、すごくいい感じに貫禄がついていたと思ってます。うん、まさに「貫禄」だ!この言葉が一番しっくり来ます。
今回の山岡様は、とにかく(決して善人ではないのに)奇妙に愛嬌があるのがいかにも筒井さんらしいなあ…と思って観ていました。あのコロコロした感じがむしろカワイイ。急がば回れでも鏡吾をいいように利用しても弦次郎に英之助を殺させても、何故か憎めない!これは中の人パワーとしか思えない!w
ところで友人も言っていましたが、山岡様や話の中でのみ言及される横溝様、若殿(史実では当時18歳!)も含め、上田藩そのものを会社と見做した時、決して他人事には思えなかったんですよね(^^; それに藩上層部のやり方は幕末という世相に合わなかっただけの話で、太平の世ならばああいうタイプでも(だからこそ?)無難にお役目を全うして隠居するでしょうし。そもそも悪人でもないでしょう。組織の中で自己保身も含めて「当たり前」のことをしているだけ…という点では、全然タイプは違いますが、『涙』の南条さんや貞蔵パパに通じるものがあります。
そしてあの二人と違うところは「こんな上司いるいる」のリアリティ!w 南条さんは腕が立つし頭も良いし(但し部下はヘマしたら斬られるなw)貞蔵パパは裏があっても結果として奉行職を大過なく務めているくらいだから経理畑の能吏ではある、でも山岡様タイプの風見鶏が一番我々の身近には居やすいタイプじゃないのかなあ…そう思い始めると、弦次郎や鏡吾たちの繰り広げる悲愴なドラマとは全然別の部分で、老獪な山岡様に翻弄される彼らをトホホ感満載で観てしまっている自分がいました…orz それでもねえ…筒井さんが演ると、何とも愛嬌があって可愛いんですよ…これまた、トホホです。(←手に白旗w)
そしてもう一役「この役をできるのは今のCBには筒井さんしかいない!」とお墨付きの月真和尚!篠田さんのエキセントリックさと軽快さの絶妙な和尚も大好きなんですが、今回の筒井和尚~っ!!
どんだけ 出 オ チ なんだ!!!(注:全力でホメてます!)
何度か見ていると、あの登場シーンの「ゴーン…♪」という鐘の音だけで笑ってしまうんですよ。今こうして書いている時に思い出すだけでもニヤニヤしちゃうんですよ!(←アヤシイ人w)最初の台詞言う前から既に観客笑わせられるってどうなの?!和尚!!(爆)毎回座席では(周囲のお客さんは初見の方もいらっしゃるだろうから)変なところで笑っちゃダメだ、笑っちゃダメだ、笑っちゃダメだ…と呪文のようにハンカチを握りしめて&奥歯をかみしめて耐えていましたが、何度か口元が「ぐふふふふw」と歪んでしまったのはホント申し訳なかったと思っております。 ←きっと鐘の音で同じ反応してた人、いたはず!w
「出オチ」は余りにも失礼ですね(^^;スミマセン そもそも最初の一声が恐ろしく艶のある深ぃ~いステキ声で、精神的に想定外の一撃を食らい、さらにはお坊さんのツルツル頭(=カツラ)の超絶・似合いっぷり、袈裟を纏っても全く違和感がない不思議さ(むしろ実家の法事に来るお坊さんよりも余程ホンモノの「住職」っぽいわ!と…)すげえええええ!!!何という振れ幅!!!(叫)www
その驚異的な身体能力を使う余地のない「はず」の今回の配役を、鼻で笑うかのようなアクション付き「それでえッ!!!これからあッ!!!お・ま・え、はぁーっ!いっ・たい・どーーーーーする、つもり、ダーーーーーーーーーーーーーーッ!」(←猪木w)に文字通り大爆笑!このシーン、力技だけと思いきや?どうしてどうして!ちゃんと続けて観てたって毎回笑える芸の細かさ!あれは観た人にしかわからない!文字にしても全然面白くない!和尚、あそこで全部オイシイとこ持ってっちゃったでしょ!と笑い過ぎて泣きながら、ステージに向けてツッコミの念を飛ばしておりました。
このシーンで(私が知る限りは)一度も表情を変えなかった畑中弦次郎の「集中力」にも、ある種の尊敬を抱いたのもまた事実でございますw 声が聞こえない=それがまた独り相撲的おかしさとして成立しているわけなので…このシーンの「ひゃあ!」と悲鳴を上げる美緒ちゃんも可愛くて大好きですv
でも月真和尚、筆談では「(ここに)いろ」とか「(今日はもう)ねろ」「(年寄りの言うことは)きけ」とか、大福帳に書いてるんですよ。手の動きでちゃんとわかるようになっているのです。パワフルで豪快な月真和尚の、そういう実に細か~い所作もお気に入り。注意して見てると「絶対文字書いてないだろ!」って人たちもいらっしゃいますからwww ←全部書いてたら台詞が追い付かないのは分かりますが、そ~れ~に~しても!w
いつか、以前の公演で岡田さんがバラしていたように、畑中さんにも今回は誰がどんな筆談のクセだったか?教えてほしいものです♪
☆
さて、ようやくここまでやって来ましたが……ラスト、大内さんの演じた長谷川鏡吾については、どうも大阪での大千秋楽を観てから書くのが良いような気がしてきました。
実は7日の『涙を数える』からの流れで8日の『TRUTH』を観て、その後ホントにいろんなことを考えました。『TRUTH』の鏡吾と『涙』の鏡吾をつなぐもの、二つの物語が「欠けていた何か」を埋めていった時間、まだ欠けたまま、ミステリアスなままで心の底にたゆたっているもの…初日からの感想と膨大な思考をまとめるには、やはり最後まで見届けてからの「何か」を自分に期待したほうがいいのかな?とも。← それだけ思い入れのあるキャラなんですよね~鏡吾って。誰の為でなくとも、どうせまとめるなら大事に書きたいし…。
真打は最後に来るものです。
大千秋楽での再会を期待しつつ♪