『TRUTH』初日…行ってきました!!!
観劇後、というか芝居の終盤からいろんな想いが溢れてきて、今日は(いつも以上に)胸がいっぱいで、何から書いていったら良いのかわからないまま時が流れて(笑)…とりとめない内容になりそうです。
キャラメルボックス2014サマーツアー『TRUTH』
《キャスト》(敬称略)
弦次郎:畑中智行
鏡吾:大内厚雄
英之助:三浦剛
隼助:左東広之
三郎太:小多田直樹
虎太郎:鍛治本大樹
山岡/月真和尚:筒井俊作
初音:実川貴美子
ふじ:岡内美喜子
美緒:林貴子
帆平:武田浩二(客演/アクションクラブ)
前にも書きましたが、私にとって『TRUTH』はキャラメルボックスとの出会いの作品であり、これまでに何度も映像作品(DVD)で初演や再演を見てきました。戯曲も読み原作も読み、冗談半分で「セリフ頭に入っちゃったよ」と友人に言うほど、まさに「特別」な…唯一無二の存在と言っても過言ではありません。
一方で、芝居は「ナマモノ」と考えている私ですので、今回の再再演はまさしく「リアルに体感する」奇跡のような機会!作品そのものが強烈なエネルギーを有しているからこそ「ナマで観たい!」と切望してきただけに、昨冬の公演スケジュール発表の時に「絶対に観に行く!」とガッツポーズした記憶が蘇ります(笑)…この時は『ヒトミ』再再演も同時に知ったので興奮も数百倍っ!!!
当然キャスト変更はあるわけですが、そこはCB新参者の自由さで「初演再演時に観ていないからこそ、こだわりや思い入れとは無縁!(=私が観たいのは2014年という「今」のキャラメルボックス舞台であって、リバイバルや過去のコピーではない)」と、ひたすらワクワクと指折り数えて初日を待っていました♪ それは2月に『ヒトミ』を待ち焦がれていた気持ちにも似ていましたが、もっと深くて、もっと大きな期待…不安はなく、ただ果てしない期待!だけがありました。
ちなみに個人的に「事前の情報になるべく触れない」をモットーにしていましたが、先月末の帰国後にパソコンが瀕死状態になってしまい、ニコ生も特番もキャラメルボックスチャンネルも一切見られない環境に放り込まれてしまいました。これは、良かったのか…悪かったのか…(-_-;)
☆
いよいよ7月26日!!!
毎年恒例・友人宅での隅田川花火大会のお誘いを泣く泣く?お断りしての初日!!!(笑)
開演間際に慌てて滑り込んだサンシャイン劇場、私の目を奪ったのは、舞台上に「聳える」という形容が相応しい、高々と組まれた木製の柱と細い壁の数々でした。まるで寄木細工のラビリンス?二層に重なった「壁」は隙間がたくさんあって、おそらく入口ハケ口の多様性で場面を語るのかと。イメージ的には『あなたがここにいればよかったのに』や『鍵メソ』に近いテイスト。幾何学的、無機的にすら見える空間は思わず「…今日は時代劇だよね?『TRUTH』で合ってるよね??」と動揺したほどです…初演再演と今まで見慣れていた即物的で具象化された舞台空間(武家屋敷や和室の設え)から、一気にモダンアートに跳躍した気分に。
変えてきたのは「キャストだけでない」のはある意味当然!古い袋に新しい酒を入れるような「なんちゃって再再演」を、あのキャラメルボックスがするわけなかったよね…と驚きとともにニヤリ、と思わず笑みが。嫌が応にも期待は高まり…そして何故か反比例するように私の肩から背中から、緊張でガチガチに!前説中に笑うことすら困難に感じつつ、初日の幕が上がりました!
☆
最初は緊張感。
次に違和感。
目の前に繰り広げられる芝居、馴染み深いセリフの数々、所作…全ては記憶の中にありながら「全てが新しい」未知の芝居。声も姿も皆違う。殺陣も違う。キャストの衣装が再演時のものを懐かしく思い出させる一方で、それを着ている登場人物たちは「2014年という時代に降り立った、全く別の『TRUTH』」もっとも、その違和感は不快なものではなく、ひたすら観る側の全神経&全感覚を舞台上に惹き付ける、そんな吸引力にもなっていました。
大内さんの鏡吾――序盤はこれまで演じていた英之助や、あの強烈な上川さんの鏡吾が脳裏にフラッシュバックして、正直戸惑いました。ひとつひとつのセリフや所作に、嫌でも私の脳内記憶が「比較」というコマンドを入れてくるのが逆に鬱陶しくて、虚心で観られない自分の意識が甘いのか、それとも役を演じる側が意図的に「同じ」「違う」ものを織り交ぜて、過去上演との比較をあえて引き出しているのか…初見ではまだ分かるほどには観きれませんでした。
とはいえ、やはり終盤(@海音寺)のクライマックス、ここが決まらなければストーリーそのものが決まらない!という場面での鬼気迫る語りは、その低く響く声音やギラギラと暗い輝きを宿した眼差しとともに「この芝居を大内さんの鏡吾で観られて幸せだった!」と、万感胸に迫ったのでした。個人的にはもっともっとこれからじっくり見続けて、役の生々しい心の動きを感じ取りたいと思っています。
他の2014年版キャストのどの役にしても、不思議なことに(これまでの各々の役者さんたちの配役や個性をそう知っているわけでもないのに)誰を見ても「役がその人であるべき必然性」がある…と感じていました。
例えば畑中さんの弦次郎。オリジナルキャストである岡田達也さん(今日は終演後にビックリなことが!後述w)の弦次郎――あの魂を削り取られるような憔悴表現や悲劇性が、私はホントに!大好き!なんですが、当然こちらは醸し出す雰囲気も見せる性格も大違い!(当たり前だ!そもそもビジュアルからして正反対通り越して別次元w)畑中弦次郎は真っ直ぐで愛すべき、幕末の若者のイメージそのまま。悲劇であるのに、彼の漂わせる「日向の匂い」や「本能的な明るさ・愛らしさ」は損なわれていないのがまた不思議な感じで…前作までの弦次郎が冴えざえとした夜半の月だとしたら、今回の弦次郎は6人の中心に輝く太陽とでも言いましょうか。本来陽性の彼が、事件の後に逃避行を続けながら打ちひしがれていく姿もひたすら痛々しくて…涙!( ノД`)ウッ
(今日はパソコン瀕死につき携帯で書いているので、他の登場人物についての感想は明日以降にします!書きたいこと山ほどあるのです!絶対追加で書く!)
☆
ラスト。あの殺陣シーンやセリフ!これを生で観る日が来るとは!そして号泣する弦次郎と周囲が暗転に消えて、次に照明が戻ったとき、2時間があっと言う間に過ぎていたことに気づきました。身体は緊張しっぱなしだったのでガチガチ!そして舞台上に勢揃いした役者さんたちの表情にただただ言葉もなく、ひたすら大きな拍手を送ったのでした。
これがナマ。
これが2014年のTRUTH。
いろんな想いが渦巻いてまとまらないまま、ロビーでアンケートを書き、Talk&Photo Bookを買い…言葉が思い浮かばない空白状態のまま、さるやんごとなき方(=CB加藤社長)にご挨拶をしに行きました。
もちろん「いかがでしたか」と感想を問われたので「感動とかそんな簡単な言葉で言えなくて…」と話し出した途端!いきなり私の声に異変が。
震えている!?
声だけじゃない、手まで震えてる!?
何だこれ?涙???何かいきなり泣けてきたぞ!?
そうなんです。
終演直後には茫然自失に近いような状態だったのが(今回はピン参戦だったのもあり)感想を他人から聞かれたこの瞬間、止まっていた感情が猛烈な勢いで動き出しまして。ずっとずっと観たかった作品、舞台はナマモノという期待の反動や、上演中ずっと張り詰めていた緊張の糸が「プツン」と切れてしまい…私が震える声で絞り出した感想はたったの一言でした。
「ようやく観れたんだなって…ずっと大好きだった作品にやっと会えた!!としか…」(涙目)
それほどに大きな存在だった『TRUTH』過去の歴史の中ではなくて「現在の」キャラメルボックスが私の前で見せてくれた、大好きな作品。細かなことはこの際どうでもよくて、あの魅力的な登場人物たちが、あの印象深いセリフたちが、ライヴで存在していることが奇跡のようで、情けなくもウルウルしながら私は「来て良かったです!」と繰り返していました。
だ が、し か し。
初日サプライズはこの後にキタwww
すっかり涙目だった私は「あちらに『涙』のキャストが居ますよ」と言われ、今度は涙を数えるどころか呼吸困難を起こしそうになったのでした!!!(爆笑)そう!劇場入口のそばには劇宣にいらした岡田達也さんと多田直人さんがっ!!!(≧▽≦)
(何で貴方がたが「そんなとこ」にいるんですか!!!) ←心の叫び
ただただビックリ。そして恐ろしいことに握手していただき、ちょこっとお話させていただき、かなり舞い上がってしまって岡田さんの手を握手したままぶんぶん振ってしまい(申し訳ありません!)…今思い返すとあまりの無作法に2、3回ぶった斬られたくなる(笑)くらい…テンション上がっておりました。隅田川花火のスターマインなんか目じゃない!私の目の前に『鍵メソ』白版のディープインパクトがお二人立っているだけで、既に「灰」真っ白に燃え尽きたぜ…。 ←おい
もちろん『涙を数える』も初日からガッツリ観に行きます!というわけで、最後はもう感情のメーターがあちこち振り切れそうになりつつ、ふわふわ夢心地で帰路につきました。さらに恐ろしいことに、この日は忙しくて朝しか食べていないのに「既に胸がいっぱいでもう固形物は胃に入りません!」状態。人間って感情の動物だ…と改めて思った次第です。
「これがキャラメルボックスのTRUTHだ!」を見届ける、熱い暑い夏の始まりでした。