徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

自動車王国ドイツのアウトバーン

2014年07月24日 | 旅行
先月はフランクフルトから仕事絡みでベルギーの首都ブリュッセルまで往復800kmのドライブをしてきましたので、今回はドイツのアウトバーンと高速道路事情について書いてみます。

基本的に高速道路は(特殊な橋や区間を除き99.9%)無料で、料金ゲートはありません。物流面でも鉄道や船舶(ライン川のような国際河川が大きな役割を占めています)に比べ割安だったり速度面で勝ることもあり、数カ国間を走る大型トラックが非常に多いです。





アウトバーンは基本的に市街地を遠く離れた山間部や丘陵地をぬって作られています。安全面や排ガス、騒音対策のためです。日本でも知られている通り、速度制限はなし。もちろん工事区間やジャンクション、蛇行区間は100キロとか80キロなど制限がかかります。



ケルン市街地を遠望。中央右よりに大聖堂が見えます。


ヨーロッパは右側通行です。片側3~4車線が一般的で、一番右(路肩側)が大型車、低速車。センターは120km~140km/hで通常走行。左の追い越し車線は「ぶっちゃけ無法地帯」!常に後方ミラーを見ていないと危ないwww とんでもない速度で迫ってくる車が現れて肝を冷やします。なので、左側車線はたいてい空いています。





とはいえ、恐ろしいスピードでぶっ飛ばして行くドイツ車を見ると「お国柄かなあ」と思わずにいられません。相方曰く「一番飛ばすのはBMWのミュンヘンナンバー。バカみたいに飛ばす。次に飛ばすのがアウディ」だそうです。(ミュンヘンはBMWの本拠地)意外にスポーツカーは見かけないんですよ。ポルシェでもガタイのでかいカイエンとか・・・あと、いわゆる高級車カテゴリーのドイツ車はやはり庶民には高嶺の花なので、VWの中・小型車、トヨタを始めとする日本車やフォードなどがメジャーなようです。なお車両保険もバカにならないほど高いらしいです。一般的な住宅地には駐車スペースがほとんどありませんし…(許可を取っての)路駐も当たり前。いやはや。



ケルン近郊、ライン川にかかる橋

道路(行き先)標示は基本的に現地の言葉でしか書いてありません。が、地名くらいなら何とか読めますので大丈夫です!(^^; そして「ミュンヘン(バイエルン州)423km」とか「バーゼル(スイス)341km」とかあると「車で国境越えちゃうんだ!」と日本では絶対味わえない妙な感動がわいてきますw





こちらはベルギーの田舎にある小さなSA。中ではパンやポテト、ソーセージ、サラダ、飲み物やお菓子など、さながら日本のコンビニ並みにたくさんのアイテムが売られています。ここは小規模ですが、PAやSAといった休憩所・給油所もちゃんと整備されています。法律で金曜の晩~日曜の晩までは大型車の通行が禁止されているのもお国柄でしょうか。超長距離を走るトラックは週末SAなどで停車して過ごすそうです。日本では考えられないですねえ。





市街地を離れた場所を通るのでアウトバーンの車窓は緑にあふれています。車窓から見えるなだらかな起伏は緑を中心に色とりどり。緑はトウモロコシや白い花が満開なジャガイモ。あざやかな黄色は小麦。早生の品種は既に刈り取りが終わっています。短いヨーロッパの夏を感じる風景です。ヘッセンやラインラントは山間部を走り、だんだんライン川の下流域の平野になると、牛や馬がのんびりと放牧されています。ちなみに私の質問「こっちの人は馬って食べるの?」相方「…食べません!」←ヒドスw







これは風力発電用風車。ドイツ政府は現在稼働している原発を順次完全停止→廃炉することに決定していますが、代替電力をフランス(原発使用国)から買っているというパラドックスもあり、電力料金の値上げと相まって各論あるようです。
知人がドイツ製発電プラントを海外に展開する企業で仕事をしていますが、以前「今後のエネルギー源と発電のトレンドはどの方向に行くのですか?」と聞いた時に「今はどうにも手詰まり感があるね。太陽光も風力も安定した発電量を未だ確保できないし、コスト面でもかえって高くつく上にメンテの費用もかかる。政府は早急な決断を下したけど、結局有効な代わりの手段が見つからないのが大きいのと、そもそも安全性に関して誰も責任を取りたがらないんだよ」と苦い顔をしていました。



これはノルトライン・ウェストファーレン州にある火力発電所です。燃料は付近で採れる石炭。
巨大な円筒形の煙突は煙を噴く火山のようで、迫力満点!







ICE(インターシティ、都市間超高速列車)の路線もやはり人里を避けて建設されたので、アウトバーンと並走する区間が多くあります。これはドイツ北西部、ベルギーとの国境に近い山間部。最高時速300kmのICEは飛行機に代わるビジネスの足として大活躍しています。一瞬で通り過ぎるせいか、滅多に見かけませんでした。1回だけ、ドイツ国内で緑一色の平原を素晴らしい速さで走り抜けていく白と朱色のICEが見えました!ハッとするほど美しかった!





フランクフルト市外西部にあるフランクフルト・ライン・マイン国際空港の側を通るアウトバーン。ICEの駅とも直結していて、この駅ビルは「ドイツで最も高額な建築物」だそうです。会議場と2つのホテルと国際高速鉄道駅があります…が、外見がどう見ても巨大なダンゴムシ!w







というわけで、ざっくり往復800キロの道のりをご紹介しました。
ドライブ好きの方、次の休暇はドイツにいらしてはいかがでしょうか?(笑)
ちなみにカーナビはレンタカーでは英語をはじめ欧州の主要言語対応で装備されています☆